【ねこまたぎ通信】

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バグダッドで「米国の戦争の証人に」 米市民団体

 米国人を中心にした市民グループイラク平和チーム」がバグダッドにとどまっている。「米国の戦争の証人」となり、全世界に現地の声を伝えるためだ。中心メンバーの米国人女性、キャシー・ケリーさん(50)は25日、毎日新聞の国際電話に「ブッシュ大統領は『イラク解放の戦争』と言ったが、罪もない子どもたちが犠牲になっている。こんな戦争は許せない」と話した。

 平和チームは昨年10月、ケリーさんらが世界各国の平和運動家に呼び掛けて結成され、その直後からメンバーがイラク入りした。現在はオーストラリアやカナダ、韓国なども含め23人が現地に滞在する。「非暴力」「反戦」を掲げ、「人間の盾」になるつもりはないと明言し、インターネットなどで現地の情報を発信し続けている。

 ケリーさんらは開戦後、バグダッド市内の二つの病院を見て回った。空爆による負傷者は子どもや高齢者を中心に日ごとに増え、24日までに数百人に上ったという。ベッドの上で弱々しくほほえむ子どもたちの姿を見て、「ブッシュは緒戦は成功だと言ったが、彼に頭上で爆音を聞く市民の恐怖が分かるのか」と怒りを感じた。空爆で大けがをした10歳の少女の父親は「何もいらない。ただ平和が欲しい」と訴えたという。

 バグダッドでは、米英軍の空爆による煙や、油を燃やした黒煙が立ち込め、昼間でも雨雲のように暗がりが続く。「ドーン」という爆発音や地響き、建物の揺れが頻繁にあり、空襲警報が昼夜関係なく鳴り響く。人々はいつ生命の危険にさらされるか分からず、疲れ切っているという。

 イラクの貧しい子どもたちを支援しているケリーさんらは23日午後、チグリス川近くの公園で、その一人の少女、アマルさん(13)の誕生会を開いたが、空襲警報が鳴る度に会を中断し、空爆が過ぎ去るのを待たねばならなかった。子どもたちの張り詰めた緊張を解きほぐそうとの思いは、爆撃音に妨げられた。

 「イラクの人々は『敵』ではなく、私たちと同じ人間だ。その普通の人々の声を伝えるために、ここにいる」とケリーさん。「原爆の恐ろしさを知っている日本人なら、きっと米国人にこの戦争の愚かさを伝えられる。一日も早く戦争をやめるように、というメッセージを日本から発し続けてほしい」と訴えた。 【中尾卓司】

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 イラク平和チームのメンバーが24日、バグダッド市内のアル・キンディ病院を訪れると、空爆によって頭を負傷し、包帯を巻いたムハマド君(4)が治療を受けていた。ムハマド君の母親によると、一家が滞在していたバグダッド郊外の親せきの家は空爆で破壊され、ムハマド君の3人の姉のうち、1人が死亡、2人が重傷を負った。

 頭や顔に破片を浴びたムハマド君は病院で、母親の腕の中で涙を流していた。頭骨骨折の重傷を負った姉のナダさん(13)は痛みに耐えられず、うめき声を上げていた。母親はメンバーに「なぜ、こんな目に遭うのか」と叫んだという。

毎日新聞3月26日] ( 2003-03-26-03:01 )

●彼らのURLはこちら.
http://www.iraqpeaceteam.org/