【ねこまたぎ通信】

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トルコ、早くも「敗戦」 援助削減、派兵も困難に

 【ディヤルバクル(トルコ南東部)27日共同】イラク戦争でトルコが苦しい立場に追い込まれている。イラククルド人の独立などを抑えるためのイラク北部への大規模派兵が欧米の猛反発で困難になった上、二十五日明らかになった米国からの援助額は当初合意額から大幅に削減されて八十五億ドル(約一兆円)に。

 戦争対策の相次ぐ失敗で、ギュル、エルドアン両首相が継投した公正発展党政権の威信は大きく傷つき「トルコはすべての戦線で敗北した」(同国コラムニストのエルデル・シャファク氏)などと批判が高まっている。

 開戦一カ月前のトルコは強気だった。米軍駐留容認の見返りに、戦争で被る損失の補てんとして百五十億ドルもの緊急資金援助の約束を取り付けるとともに、イラクへの派兵もほぼ合意。さらに、合意が確実に実施されるよう、合意内容を文書化し首脳同士が署名を交わすよう強く求めた。

 しかし、一日に国会が米軍駐留承認を否決した後、トルコの「戦線」は総崩れに。開戦日の二十日に米軍機のトルコ上空通過と自国軍のイラク派兵のみを国会が承認したが、米国とこれまで詰めてきた経済支援や派兵の合意は水泡に帰した。

 米国に作戦の変更を強いる結果となったことで、対米関係も大きく損なわれ、ブッシュ大統領は「同盟国」トルコのエルドアン首相に開戦を事前通告しなかった。

 イラク派兵問題は現地クルド勢力との衝突を恐れる米国だけではなく、欧州連合(EU)も難色を示し、二十五日付トルコ紙ジュムフリエトによると、EUの欧州委員会は「派兵すればEU加盟に否定的な影響が出る」と警告。トルコの悲願であるEU加盟が人質にとられるという八方ふさがりの展開となった。

 開戦後は、予想通り観光客が激減。通貨トルコ・リラは最安値を更新し、イスタンブール株式市場も下落を続けている。
(了) 03/27