【ねこまたぎ通信】

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自衛隊の活動現地は無関心/親泊健さん混迷のイラク語る

<2004年6月23日 朝刊 22面>

 那覇市出身のフォトジャーナリスト、親泊健さん(31)=東京都在住=が、混迷続くイラクでの取材を終え、このほど帰国した。無残な遺体と向き合うなど、戦争の実態を肌で感じた1カ月余の体験。自衛隊の「人道復興支援」に対する現地の複雑な受け止め方も知り、日本の針路やイラクの将来に危機感を募らせている。沖縄戦から59年の歳月がたっても、地球上では殺りくが続いている―。

 親泊さんは、五月四日から六月七日まで、バグダッドファルージャなどで騒乱状態の市民生活をレンズに収めた。

 バグダッドのバヤー地区では、米軍を狙った爆弾テロの犠牲になった十代男性の首を親族から見せられ、撮影するよう求められた。「政治的問題をどうこう言おうが、結局、人間が死ぬ。このひと言が戦争の現実だ」と話す。

 自身も生命の危険にさらされた。五月十三日、サドルシティーで、米軍とイスラム教シーア派との交戦があった。その後、高揚した数十人の群衆に囲まれ暴行を受けた。日本人だと訴えたが収まらなかった。

 「米軍に対する怒りが、追従して自衛隊を出している日本の国民である僕に向けられた」と唇をかみしめた。

 その自衛隊について、各地で市民に尋ねたという。「日本から軍隊が来ていることは分かるが、活動内容は知らない」という返事がほとんど。活動拠点がサマワに限られている現実もあり、「日本から人道復興支援を受けている、と感じているイラク人はほとんどいない。支援していると思っているのは日本人だけだ」と話す。

 銃を持っている以上は軍隊―というのが、大方のイラク人の考えだという。自衛隊多国籍軍参加については「政府は人道復興支援という名を借り、米国追従で自衛隊を置いて、時間をかけて軍隊に変えていこうとしている。中東での日本の立場を悪くするだけだ」と批判した。

 親泊さんは現在、沖縄に帰省中。

 二十四日から県立南風原高校で、イラクパレスチナで撮った作品の写真展を開く。写真展開催などの希望があれば対応するという。

 電話は090(8666)1466。

沖縄タイムス