【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

ナブルス通信 2004.5.20号

毎日、耳を塞ぎたくなるような知らせがラファから入ってきています。外にいるものでさえ、聞くのが辛いというのに、この包囲された中で生きている人たちが感じている恐怖ははかりしれません。

(かなり、ヘロヘロでまとめきれていませんが、わかったことだけはお知らせします。伝えてほしいというのが、ラファに生きている人たちの意思だと思うので)

     ****以下、転送を歓迎します****


     ○○○ナブルス通信 2004.5.20号○○○
           ─速報19日─
      http://www.onweb.to/palestine/
       Information on Palestine

◇「ラファのパレスチナ人は生き地獄の中にいる」

19日、ガザ最南端のラファ市で、前日より続いている虐殺に抗議のデモを行っていた4000人のデモの隊列にイスラエル軍はヘリコプターから4発のミサイルを撃ち込み、戦車からも砲撃を加えました。今のところ、最低10人が殺されていることが確認されています。23人が殺されたという報道も出ています。負傷者は50人、60人とも(数値はさらに大きくなる可能性が……)。犠牲者には学生が多く、子どもや女性も含まれています。非武装の民間人にミサイルを落とす……これはまさに虐殺です。
また、19日は他にも数人(5人という情報)が銃撃で殺されています。まだ、19日に何が行われたのかという全体像はわかりません。

包囲下にあるタルエッスルターン地区では、家から家へと家宅捜索が行われ、16歳〜60歳の男性440人がUNRWA[国連パレスチナ難民救済事業機関]の経営する学校に集められ、そのうち50人ほどが拘束されて、イスラエル軍キャンプに連れ去られたという情報も入ってきています。学校をこのような場所として使うことも非難されるべきことな上に、拘束の根拠は(いつもながら)わからず、連れ去られた人々がどうなるか危惧されています。

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UNRWAのブリッソン氏は現地スタッフの報告を元に、「状態は非常に悪い。非常に緊迫している。誰もこの地域に入れない。ラファのパレスチナ人は生き地獄の中にいる」と指摘したそうです(CNNより)。

[追記]学生が多く参加していた単なるデモの列にミサイル攻撃を加えたイスラエル軍の行動は世界中から非難を浴びています。イスラエル軍は「ミスが起きた」とは言っていますが、モファズ国防相は「テロリストは民間人を盾にするので難しい。国際的な非難はプレッシャーにはならない。我が軍は目的遂行のために今の軍事作戦をやめることはない」と語っています(ハアレツ紙より19日午後8時)

ラファから、整った設備を持つ病院があるハンユニスまでの道の救急車による通過が許されるようになったという報告も来ています(ラファ唯一の病院・アンナジャー病院はすでに限界を突破。麻痺状態にある。また、ここには集中治療のシステムなどがない)。しかし、イスラエルの「人権を求める医療者」グループによると、救急車でのハンユニスへの搬送は軍隊によって妨害されているということです。


◇「ラファ・トゥデイ」のムハンマドより

切れ切れにウェブサイトにアップされている言葉から、若干の抜粋を。
(正確な訳ではありません)

「また、僕の親類が3人殺された。そのうちの2人は子どもで、アズマとアハマドの姉弟。アズマは洗濯物を取りこみに行って、アハマドは鳩や小鳥に餌をやりに行って、屋上で撃たれた」(*この2人のことは、昨日19日の通信に記載)

(デモ隊へのミサイル攻撃の後)

「時間の経過とともに死者の数が増えていく。今、ラファでは人々がなぶり殺しにされていっている」

「水と食糧が足りない!水道設備は破壊された。人々は救急車を呼んでいるが、救急車は戦車に囲まれていて、動くことができない」

「孤児院で90人の孤児たちが水と食べ物がないまま、包囲下に置かれている。そこは今、砲撃を受けている」

「ラファでは赤ちゃんのためのミルクもない。人々の叫びが大きくなっていく。今から出産を迎える妊婦さんは病院に行くことができない。通りは遺体や負傷者で溢れていて、救急車は撃たれるためにそこに向かうこともできない状態になっているから」

「病院では酸素ボンベが尽きてしまった。水も必要な分がない。たくさんの人が病院に集まって助けを求めているが、誰もそれに応えることができないでいる。病院の遺体保存庫はいっぱいで、21人の遺体を納めることができないままだ」(19日午後6時 現地時間)

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http://rafahtoday.org/news/todaymain.htm
※現在、この「ラファ・トゥデイ」のページには病院の床に置かれた遺体の写真があります。ご留意を。

ムハンマドさんは昨年の秋、イスラエル軍の侵攻で弟さん1人を殺され、もう1人の弟さんは足を切断する怪我を負わされました。さらにここ数ヶ月で2人の親類がミサイル攻撃で殺され、この数日前もひとりの親類をミサイル攻撃で亡くしたばかりでした(若者たちへのミサイル攻撃。5月13日)

19歳(もしかして20歳になったのかも…)のひとりの学生が体験しているこの数多くの死がラファの人々の置かれている「生き地獄」を表していると思います。

◇19日のラファの様子がわかる写真
(写真はある程度の期間が過ぎると、見られなくなります)

・負傷した少年を病院に運ぶ 19日のミサイル攻撃
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040519/photos_pl_afp/040519152743_lul4gv92_photo0

・負傷した子どもを救急車に運ぶ 19日のミサイル攻撃
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040519/481/akcf11105191458

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040519/ids_photos_wl/r2433054036.jpg

http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040519/481/akcf10905191425

・殺された子どもを抱き上げて、声をあげる男性
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040519/ids_photos_wl/r1308579400.jpg

・銃痕だらけの建物と戦車
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040519/photos_ts/mdf570857


◇世界のあちこちで抗議行動、抗議の呼びかけが

日本ではまともに扱われていません(!)が、ラファの状況は今、世界で大きく問題として扱われています。国連やEU諸国はイスラエルの行動に対し非難を発表し、国連安保理ではアラブ連盟が主導して今の殺戮を止めることを求める採決をはかろうとしています(米国の拒否権発動で終わる可能性大)。

ロンドンやヨハネスブルグ(南ア)ではイスラエル大使館前での抗議行動が始まっています。イスラエルの「平和のための女性連合」の女性たちはガザの南の出入り口で攻撃が終わるまで抗議を続けて、野営を続けるということです。イスラエルの、また、パレスチナの数々の人権団体から、今の流血を終わらせるために行動をしてほしいという呼びかけがでています。

(参考)イスラエル「平和のための女性連合」ギラ・シビルスキーさんからの呼びかけ(日本語訳が以下のサイトの後半に):
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Palestine/accuse_aggression_lafah2.htm#address

◇どうか、イスラエルに声を届けてください

参考になる文例と送り先は
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/palestina0405.html

国連安保理で「拒否権を発動しないよう」に米国に求めることも今、行えることです。

・また、マスメディアにも今、起こっていることをきちんと報道するよう、声をかけていく必要があります。
http://palestine-heiwa.org/misc/kougi.html
(一番下にテレビ局の連絡先あり)


◇この文章のウェブサイト掲載については未定

◇これまでの状況
http://www.onweb.to/palestine/
より5月14日以降の記事を参考にしてください。

◇P-navi info  http://nekokabu.blogtribe.org/
[ほぼ毎日更新中。編集者ビーの速報、ミニ・インフォ、コラムなど]

◇ナブルス通信の配信お申し込み、バックナンバーは以下に。
http://www.melma.com/mag/84/m00109484/

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パレスチナ・ナビ』 http://www.onweb.to/palestine/


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