米軍空爆で４０人超死亡、衛星ＴＶ「誤爆か」 イラク

　アラブ首長国連邦の衛星テレビ、アルアラビアは、米軍機が１９日、シリア国境に近いイラク西部カイム郊外の村を空爆し、少なくとも住民４１人が死亡したと報じた。住民たちは結婚式をしていたとして誤爆の可能性を指摘している。一方、イラク駐留米軍は、地上からの攻撃に対する反撃だったと説明した。

　誤爆が事実とすれば、イラク戦争の大規模戦闘終結が宣言された昨年５月１日以降、地元住民が犠牲になったものとしては最大規模の惨事となる。一般住民に多くの犠牲者が出たことで、イラク人の反米感情がさらに悪化するのは避けられないと見られる。

　アルアラビアは、子供や女性が多数犠牲になったと報じ、遺体が埋葬される様子を放映した。住民は同テレビに対し、「複数の米軍機が１００発以上の爆弾を投下し、結婚式が催されていた住宅などが破壊された」と語った。空爆したのはヘリコプターだったとの情報もある。

　ＡＰ通信は病院関係者の話として、死者は４５人と伝えた。イラクでは結婚式などで祝砲として銃を空に向けて撃つのが一般的で、これを米軍機が地上からの攻撃と受け取った可能性も指摘されている。

　駐留米軍のキミット准将は「外国人武装勢力の隠れ家を攻撃した」と述べ、約４０人を殺害したと推定している。

　米軍はシリア経由でイスラム武装組織の外国人メンバーが入り込んでいるとして、国境付近に厳戒態勢を敷いている。

(05/20 11:48)

asahi