【ねこまたぎ通信】

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隊員家族「首相が自分で行けばいい」

 「派遣される隊員は皆、命(めい)に応え使命感に燃えて自らの意思に基づき任地に赴く決意をしている」。小泉首相は記者会見で、隊員には何の迷いもないと自信満々に言い放った。

 しかし、イラク派遣予定の舞台が所属する陸上自衛隊北部方面隊(総監部・札幌市)の幹部は、首相の会見後「若い隊員らは(内容に)満足しているだろうか」と話した。「これぐらいの説明なら、オレにもできるよ」と、さんざん先延ばしにした揚げ句、説得力に欠けた会見内容に不満を表明。別の幹部は「首相は国民に訴えてくれた」と評価したものの「戦闘に巻き込まれるかどうかは別の話だ」と不安をのぞかせた。

 一方「安全とは言えない」地域に夫や息子を送り出す家族の不安は、首相の会見で一層募った。ある隊員の母(68)は「私は派遣には反対。こちらが戦争だと思っていなくても、向こうは戦争だと思っている。日本としてお金だけ出すことだって恥ずかしいことではない」と訴えた。30代の息子は「(命令があれば)行く」と覚悟を決めているといい「私はやめろと言っている。小泉首相が自分で行けばいい」と悲痛な声を上げた。

 派遣が想定される陸上自衛隊第2師団(北海道旭川市)の幹部の妻は「自衛隊が国際貢献しなければならないことは頭では分かっている。でも自分の夫が行くとなると心配」と揺れ動く心情を吐露した。

 防衛庁では首相の会見が始まって5分後、庁内に「テレビの会見をご覧ください」と異例の放送が流れ、背広組(内局)も制服組もかたずをのんで首相の言葉に聞き入った。石破茂防衛庁長官は、集中した派遣時期をめぐる質問を「(時期を)明示するのが責任ある態度とは思えない」と突っぱねた。首相同様、責任を回避するかのようなトップの姿勢に「一体いつから派遣されるのか」と、防衛庁内でも「政治」への不信感が募っている。