【ねこまたぎ通信】

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宗教団体票が欲しい、創価学会依存強める自民

 衆院選で、与野党による宗教団体票の争奪戦が熱を帯びている。小選挙区で接戦を演じる自民党候補が、比例選で公明党に投票するよう支持者に公然と呼びかけるなど、公明党の支持母体の創価学会に依存する姿勢を強めている。一方で、反創価学会系の宗教団体は、民主党に接近したり、自民党支持に回帰したりと、複雑な動きを見せている。

 今回、公明党の推薦を受けた自民党候補は198人で、2000年の前回衆院選の161人を上回った。1小選挙区当たり平均2万数千票とされる創価学会票を期待し、公明党に推薦を要請した自民党候補が大幅に増えたためだ。

 ただ、創価学会内には、「過去の選挙では自民党に一方的に協力するばかりで、十分な見返りがなかった」との強い不満がくすぶる。今回は、創価学会側から、比例選で公明党に協力するよう求められる自民党候補が相次いでいる。

 埼玉県の自民党候補は2日、応援演説に訪れた安倍幹事長の目の前で、「比例選は公明党」と連呼し、安倍氏をあぜんとさせた。法定はがきに「比例は連立与党 自民党公明党へ」と記した自民党候補もいる。公明党側から「街宣車で『比例は自民党』と呼びかけるのは控えてほしい」と要請され、受け入れた自民党候補もいるという。

 当落線上の自民党候補は、「創価学会が本当に支援してくれるか分からない」という疑心暗鬼の心理が働き、比例選で公明党に協力する姿勢を鮮明にする傾向があるようだ。

 自民党執行部内には、公明党への「票の横流し」で、自民党は比例選で伸び悩むとの懸念がある。だが、候補者からは「創価学会の反発を招きたくない」(亀井派中堅前議員)との切実な声があり、放置せざるを得ないのが実情だ。

 ただ、創価学会側にも、「自民党支持者が比例選で公明党に入れるかは分からない」との疑念がある。自民党候補が後援会名簿を提供しても、「『比例は公明党に』という指示が出ているか、きちんと確認する」(創価学会幹部)という。

 公明党は、東京12区など公認候補を擁立した10の小選挙区では、自民党に対し、実質的な協力を徹底して求めている。

 小泉首相や安倍氏の応援演説だけではなく、自民党の地方議員と一緒に同党の有力支持者宅を訪問するケースもある。自民党の支持団体からは、「支持団体の名簿を公明党に渡した翌日には創価学会員が訪れている。足の速い組織だ」と驚きの声が出ている。

 自民党内には、「創価学会頼みの選挙は麻薬だ。長期的に自民党の基礎体力を失わせる」(幹部)との指摘もある。野党側も、「自民、公明両党の考え方は全く一致点がない。公明党が(自民党を支援することで)政権交代を妨げている」(菅民主党代表)などと公明党批判を強めている。

 ◆反創価学会系、民主接近や自民回帰◆

 一方、創価学会に批判的な立正佼成会は、公明党が推薦した候補は原則として推薦しない方針だ。その結果、推薦した民主党候補は前回の35人から87人に大幅に増え、自民党候補の56人(前回35人)を上回った。

 民主党は、「自民党創価学会頼みを強めていることへの反発が背景にある」(幹部)と見ている。

 仏所護念会教団は、推薦を依頼してきた自民党の元議員が創価学会にも支援を要請していたため、推薦を見送ったケースもあったという。これに対し、霊友会の外郭団体で政治などを担当する「インナートリップ・イデオローグリサーチ・センター」(IIC)は1日付の機関紙で、「比例選は自民党へ」と明記した。

 一方、自民党を支持してきたMOAは「自民党公認候補は原則支援する方針。野党候補は一切支援しない」(関係者)としている。

(2003/11/7/01:11 読売新聞 無断転載禁止)

●判りやすい脳.(ワラ