【ねこまたぎ通信】

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国連人権委、北朝鮮の人権侵害で非難決議

 【ロンドン=飯塚恵子】ジュネーブで開催中の国連人権委員会は16日午後(日本時間同日夜)、欧州連合(EU)と日本、米国などが共同提案した北朝鮮の人権状況を非難する決議を賛成多数で採択した。

 決議は、日本人を含む外国人に対する拉致事件にも言及、迅速かつ「明確で透明性のある形で」解決するよう求めている。国連機関が北朝鮮の人権状況について名指しで非難するのは初めて。

 採決結果は賛成28、反対10、棄権14。韓国は採決前に退場した。

 決議は、北朝鮮に対し、「組織的で広範かつ深刻な人権侵害に深い懸念を表明する」とし、国内の状況として〈1〉残酷で非人道的な拷問や懲罰、公開処刑、そして政治信条に対する死刑の適用〈2〉国内隅々まで行き渡った思想、信教や表現、集会、移動の自由などに対する厳しい制限〈3〉身体障害を持つ子供に対する虐待や差別〈4〉女性の基本的自由と人権の継続的な侵害――などが存在すると指摘した。

 そのうえで、北朝鮮が早急にこうした状態を改善し、人権委員会の「強制的失踪(しつそう)に関する作業部会」などが自由に北朝鮮内で活動することを保証するよう求めた。また、国連人権高等弁務官にも北朝鮮との対話を開始し、改善に向け、協力するよう求めた。

 さらに、拉致問題については、北朝鮮による日本人や韓国人の拉致事件の存在について初めて具体的に言及、拉致問題の早急かつ全面的な解決を求めた。

 また、いわゆる「脱北者」に関連し、「人道上の理由から周辺国に移動する住民を制裁したり、反逆罪で処罰したりしないよう」求めた。

 採決にあたり、北朝鮮は「断固として拒絶する」と反発。中国、キューバも反対討論した。反対国は、このほか、ロシア、マレーシア、アルジェリアリビアスーダン、シリア、ベトナムジンバブエだった。

 拉致事件をめぐっては、日本の被害者家族連絡会が2001年4月、「強制的失踪に関する作業部会」に救済審査を申し立てたが、昨年1月にいったん審査が打ち切られた。しかし、同年9月の日朝首脳会談で北朝鮮側が事件の存在を認めたことから、日本政府が同11月、再審査を求め、同12月、審査が再開された。

(2003/4/17/01:49 読売新聞 無断転載禁止)