【ねこまたぎ通信】

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メガワティ大統領が4カ国訪問 露大統領と会談

 メガワティ大統領は17日から、約2週間の日程で、ルーマニア、ロシア、ポーランドとタイを訪問する。21日、対イラク武力行使に反対したロシアのプーチン大統領と会談、イラク戦後復興で国連主導の方針を確認し、国軍が希望する兵器購入について交渉を行うとみられている。イラク攻撃を厳しく批判したメガワティ大統領のロシア訪問を、米国は、かつて旧ソ連寄りだったスカルノ政権当時の2国間関係を想起しながら見守ることになりそうだ。 

 ハッサン・ウィラユダ外相は外遊に先立ち、プーチン大統領との会談の重要性について「世界の権力が米国に一極集中している今日、多国間協調をさらに進める必要がある。この点で、ロシアとの関係強化は極めて重要だ」と語った。

 外務省筋は、2国間の覚書には、国連重視の立場確認のほか、ロシアからの武器購入とインドネシアのガス、石油の開発をめぐる協力が盛り込まれるとしている。イラク戦争開戦直後に、インドネシアとロシアはともに、米国の武力行使遺憾の意を表明しており、イラクの戦後復興問題は、プーチン大統領との会談における主要議題。

 しかし、開戦以前にロシア訪問が決まった時点では、訪問の目的は、ロシアからの武器調達に重点が置かれていた。インドネシアは兵器の大半を米国から購入していたが、1999年に米国が、東ティモールでの国軍の人権侵害を理由に、武器禁輸措置を発動。その後、米国は兵士の訓練など軍事交流を一部再開したが、武器禁輸は現在まで解除されていない。

 兵器の老朽化による稼働率の低下は国軍にとって深刻な悩みで、メガワティ大統領が「外国に侵略されれば、1週間も持たない」と嘆いたほどだ。インドネシアは最近、ロシアから、カラシニコフ銃1万丁やMI−2ヘリコプター10機などを購入している。

 ユウォノ・スダルソノ元国防相は、国軍内部で、武器禁輸カードを使って人権問題やテロ対策で圧力をかける米国に対する不満が高まっており、「他国からの戦闘機やヘリコプターなどの装備の調達に乗り出す構えだ」と語った。政府が、ロシアからの兵器調達を対米外交のカードに使う可能性も指摘される。

 メガワティ大統領の父、スカルノ元大統領は、1950年代から60年代前半まで旧ソ連と良好な関係を保ち、武器調達や軍事協力で旧ソ連に頼っていた歴史的な背景がある。メガワティ大統領は、武器購入と引き替えに、ロシア企業に、米英の巨大資本に独占させているインドネシア国内の石油や天然ガス開発へ参入を呼び掛けるとみられる。

 メガワティ大統領は17日夜にルーマニアに向けて出発、20日午後にロシア入りする。プーチン大統領との会談は21日に行われる予定。(じゃかるた新聞)