【ねこまたぎ通信】

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ネパールに小学校完成 大阪の高校生が7年かけ募金

 私立興国高校(大阪市天王寺区)の生徒たちが7年間取り組んできたチャリティー募金をもとに、アジア最貧国の一つネパール中部の小学校に新校舎が完成した。10日、現地の式典に生徒4人らが出席して一緒に完成を祝う。思いを実現させた生徒たちは、「子どもたちに息の長い支援を続けたい」と次の夢を膨らませている。

 貧しい生活の中でけなげに勉強するネパールの子どもたちのことを知った生徒らが96年に支援を計画。同年秋の文化祭で生徒や教員がリレーしながら校庭を一昼夜走り、見物にきたOBや近隣の住民らにも募金を呼びかけた。翌年以降も恒例行事として定着し、昨年秋には積立金が110万円になった。

 在阪ネパール人を通じ、同国の教育支援団体に相談したところ、約100万円で校舎が建つことが分かり、同国中部の保養地・ポカラ郊外にあるラクシミ小学校(5年制、約140人)の紹介を受けた。

 同小では校舎が老朽化し、教室では約40人の児童が3〜5人がけの長机に並び、窮屈そうに学んでいる写真も届いた。制服や文房具は外国の援助を受けているが、裸足の子どもも多く、新校舎建築に資金提供することした。同国では約4割の小学生が、家の生計を助けるため卒業までに学校をやめてしまうといい、同小でも通学が困難な子どもが多いという。

 興国高校では、積立金の残額を使って学校に行けない子どもを資金援助する「里親基金」も創設。今年は、同小児童10人に、それぞれ1年間の学費に当たる6000円を贈る。一昨年にネパールの別の学校を視察した樋上聡教諭(43)は「『勉強したい』という子どもの真剣な目が印象的だった。日本の高校生の1カ月の携帯電話代で、ネパールでは1年の学費が賄える。現地を訪問して実情を知れば、今後の交流を考えるうえで役立つはず」と話す。

 同高校では、授業で同国の歴史を学んだり、ネパール料理店のコックを招いて料理教室を開くなど、理解を深めている。式典に参加する1年生の鉄倉新太郎さん(16)は「現地を訪ねて、人々の生活をよく知りたい」と話している。滞在中は、同小の子どもの家にホームステイもして交流を深める。(宇城昇)