【ねこまたぎ通信】

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ダルフールに関する安保理決議は歓迎できるが、人権に関する勧告が無視されている

アムネスティ発表国際ニュース
(2004年7月30日)

アムネスティ日本
http://www.amnesty.or.jp/

スーダンダルフールに関する安保理決議は歓迎できるが、人権に関する勧告が無視されている
AI INDEX: AFR 54/092/2004
新たに採択された安全保障理事会の決議は、ダルフールの民間人の苦境に対する世界的な関心をようやく示した。この決議によりダルフール危機の継続的な監視が保証されたものの、劣悪な人権状況に取り組むための緊急かつ不可欠な措置は採択されなかった。

7月27日付けの書簡で、アムネスティ・インターナショナル安全保障理事会に対し、主要な人権政策を決議に盛り込むよう要請していた。アムネスティ・インターナショナルは本日、安全保障理事会および全国連加盟国に対し、ダルフールにおける重大な人権侵害を終わらせるべく、より効果的な行動をおこすよう、以下の通り要請する:

特に民間人に対するあらゆる虐待を監視し、公的かつ定期的に報告をおこなうため、国連人権監視団の数を増やし、アフリカ連合の停戦監視および保護軍に投じる資源を強化すること。

ダルフールの非政府勢力のみならずスーダン政府に対しても、人権侵害に利用される可能性のある武器の移転を一時停止すること。スーダン政府自体が、民間人の殺害に責任を負っている。アムネスティ・インターナショナルは、準軍事組織のメンバーが正規の政府軍に編入され、その結果武器の禁輸措置の制約を免れるのではないかと懸念している。

同地域で発生した戦争犯罪および人道に対する罪の規模、大量虐殺の申し立てについて、公平かつ独立した調査をおこなうことのできる国際調査委員会を設立すること。2003年4月以来、アムネスティ・インターナショナルは、このような国際調査委員会の設置を要求してきた。こうした調査委員会は、国際人権法および人道法を侵害したという責任を問われている個人を裁判にかける方法を勧告することができるし、安全と尊厳が守られた状態で避難民が元の村に安定して帰還できるための仕組みを提案することもできる。

人権擁護活動家、弁護士、地域の指導者など、ダルフールの紛争に関連して拘禁されている良心の囚人の無条件釈放を要求すること。また、公正な裁判に関する国際基準に従って迅速に裁判にかけるのでない限り、同紛争に関連し拘禁されている他の囚人の釈放を要求すること。スーダン政府は、2004年4月のダルフールに関する停戦協定で「紛争に関連して拘禁されている」すべての囚人を釈放すると公約したにも関わらず、いまだ200人あまりが拘禁されたままとなっている。アムネスティ・インターナショナルは、特にダルフール拘禁施設や軍事基地において、被拘禁者が劣悪な拘禁状態のために依然として拷問や死の危険にさらされていることを危惧している。被拘禁者の数は知られているよりもずっと多い可能性がある。刑務所の監視および立ち入りをおこなう者がいないからである。

ダルフール特別法廷のような不公正な司法手続きに頼ることなく免責に終止符を打つよう要求すること。ダルフール特別法廷は解決策にはならない。同法廷は、ダルフール市民の基本的人権を否定する、政府の抑圧政策の一環である。このような法廷においては、被告人が弁護を受ける権利が否定され、拷問により引き出された自白が証拠として採用され、四肢切断や死刑といった残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰が言い渡される。