大量破壊兵器情報は欠陥 イラクで米上院報告書

　【ワシントン８日共同】米上院情報特別委員会が、イラク戦争開戦の大義とされた旧フセイン政権の大量破壊兵器保有に関する情報を「思い込みに基づく欠陥情報」と結論付けた報告書をまとめたことが８日、分かった。

　ブッシュ政権与党の共和党が多数を占める上院の有力委員会がイラクの大量破壊兵器情報を「欠陥」と決め付けたことで、１１月の大統領選で再選を目指すブッシュ大統領に打撃となりそうだ。委員会は９日、報告書を公表する。

　報告書は、中央情報局（ＣＩＡ）などの情報機関がイラクは大量破壊兵器を保有しているとの長年の思い込みに縛られ、あいまいな情報を保有を裏付けるものと評価してしまったと指摘。情報源に関しても「信用できず不適当」と厳しく批判している。

　また、委員会の民主党メンバーは、ブッシュ政権が戦争正当化のためＣＩＡに圧力をかけ、情報を都合よく解釈させた疑いがあるとの付帯意見を出す予定。

（共同通信社）