ダム建設は世界の河川に脅威＝ＷＷＦ報告

　６月２２日、世界自然保護基金（ＷＷＦ）は、ダム建設が世界最大級の河川に深刻な脅威をもたらしているとの報告を発表した。写真は長江の三峡ダム（２００４年　ロイター） [拡大]

　【ヨハネスブルク　２２日　ロイター】　世界自然保護基金（ＷＷＦ）は２２日、ダム建設が世界最大級の河川に深刻な脅威をもたらしているとの報告を発表した。
　その筆頭は、中国の長江（揚子江）という。

　報告は「脅威にさらされる河川」と題し、水力発電などダムによる恩恵は、無駄な慣行や環境破壊で相殺されていると指摘している。

　報告によると、ダムから供給される水の多くは、非効率的な水利システムにより失われている。その水量は年間１５００兆リットルに上り、アフリカ大陸全体の年間消費量の１０倍に相当するという。

　さらに、世界最大級の２２７河川のうち６０％がダムで分断されているとの見方を示した。「（これが）湿原の破壊のほか、魚や鳥を含む淡水生物の減少につながっている上、数千万人の人々が移動を余儀なくされている」としている。

　最大のリスクにさらされている長江は、ダムが４６カ所で建設計画中または建設途上にあるとしている。

2004/06/22 15:36