【ねこまたぎ通信】

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ファルージャで米軍、段階的に撤退 地元組織と交代へ

 イラク中部ファルージャ武装勢力と戦闘を繰り広げてきた米海兵隊の現地司令官は29日、イラク人主体の治安組織が30日からファルージャ市内に入り、治安維持にあたるとの方針を明らかにした。AP通信などが伝えた。ファルージャを包囲している海兵隊員約2000人が段階的に撤退することで地元代表らと合意に達したという。ただ、米軍は29日も同地を空爆しており、武装勢力が停戦に応じるかどうかは不明。合意通りの撤退の実施は予断を許さない状況だ。
 ロイター通信は地元警察幹部の話として、海兵隊の一部部隊が29日、撤退を始めたと報じたが、米国防総省当局者はAFP通信に、撤退開始は聞いていないとしている。

 地元住民代表アフマド・ハルダン氏は米軍との主な合意について(1)ファルージャ南部からは36時間以内に撤退(2)北部は5月2日から撤退を開始し、ともにイラク保安部隊(ICDC)とイラク人警察が米軍の代わりに展開する(3)旧フセイン政権下の軍将官が市内の治安責任者となり、ICDCと警察を指揮する、との3点だ、とカタールの衛星テレビ、アルジャジーラを通じて説明した。

 同氏によると、合意は29日正午(日本時間同午後5時)ごろ、成立したという。AP通信は、海兵隊は撤退後、包囲網を緩やかに広げる形でファルージャ周辺に展開するとの見通しを伝えた。

 同通信によると、米軍に代わって治安維持にあたるのは新たな治安組織「ファルージャ防護隊」(FPA)。旧フセイン政権下の元兵士、警察官、地元部族ら1100人で構成され、米軍の指揮を受けるとされる。米CNNはFPAを指揮するとみられる旧フセイン政権の元軍幹部4人が29日、海兵隊幹部と会談したと伝えた。

 これまでICDCや警察の一部が米海兵隊への協力を拒否した例もあり、寄せ集めの部隊であるFPAがどこまで治安を担えるか定かではない。米軍が求める武装勢力からの重火器の引き渡しも進んでおらず、29日に予定された米軍とイラク警察などとの合同パトロールは再度延期された。

 今回の合意に武装勢力側は参加していない。実際に撤退が進めば、暗礁に乗り上げていた武装勢力との交渉が進展する可能性がある。

 ロイター通信によると、29日の空爆ファルージャ北部のジョラン地区など3カ所であった。AP通信は銃撃戦も起きていると伝えた。

 一方、米軍報道官は29日、バグダッド南方マフムディヤで米兵8人が攻撃を受けて死亡、4人が負傷したと語った。また、バグダッド東部と首都北方のバクバでも29日、米兵がそれぞれ1人ずつ死亡したという。

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 〈ファルージャ〉 バグダッドの西方約50キロにあるイラク中部の都市。駐留米軍への激しい抵抗が続く「スンニ派三角地帯」にある。米民間人が殺害され、遺体が損傷された3月末の事件を受けて、米軍は今月5日、武装勢力の掃討作戦を開始。以後、イラク人の死者は約600人にのぼる。イラク全土で「ファルージャの悲劇を救え」の声が宗派を超えて盛り上がり、反米運動の合言葉になっている。11日に一時停戦となったが、局地的な戦闘が続いている。 (04/30 01:30)

asahi