【ねこまたぎ通信】

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インドの巨大な総選挙とは

 インドは選挙中だ。一九四七年の独立以来十四回目の総選挙に、約六億七千万人の有権者が投票を求められた。投票は三週間続き、連邦下院五四五議席をどの党が制して次期内閣をつくるかは、五月十三日に確定しよう。
 投票のため二百万人の選挙管理係員が動員された。彼らが配置される七十万カ所の投票所には、百万の電子投票機が据えられる。投票所、電子機器。すべてはこのイメージに集約される。それが今日のインドを物語るイメージだ。

 確認された民主主義、現実になりつつある世界経済巨大国の姿。影を落とす中国の存在はあるが、インドは中国と同様、世界地図が示す富の地勢を一変させつつある。グローバル化に負うところが非常に大きい教育のある多数の中流階層が、そこにも台頭した。

 世界経済にこの新しいパートナーが到来したことの反映は、米大統領選挙に見られる。民主党ジョン・ケリー氏の選挙運動は、サービス部門、特に情報処理の分野で、一部の「ジョブ」がインド(情報処理技術者が何百万といる)に移転することへの、多くの米国人の心配を重視している。

 この成功を一部体現するのは逆説的なことに、ときに並外れて党派的、不寛容で、ともすれば偏狭なナショナリズムを培う宗教政党である。バジパイ首相の率いるヒンズーナショナリストインド人民党。同党は一九九一年に国民会議派が打ち出した経済改革綱領を元手に、資本を蓄積するすべを知った。それは必要な期間、保護主義に守られて国際競争に向け準備中だった経済を、外部に開放し、自由化することだった。

 インド経済は今年、8%程度の成長率を達成するはずである。それは特に情報処理技術の下請けと、ソフトウエアの輸出との実績による。

(四月二十一日)