【ねこまたぎ通信】

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エジプト国境沿いのパレスチナ人難民キャンプを破壊し、「壁」の建設続けるイスラエル

 先月上旬からパレスチナガザ地区最南端にあるラファ難民キャンプに侵攻を続けていたイスラエル軍は10日、同地区で再び大規模な家屋破壊行動を行なった。この地域では、3月に米国人のレイチェル・コリーさんが、パレスチナ人の家の破壊を止めようとしてイスラエル軍のブルドーザーにひき殺され、英国人のトム・ハンドールさんが銃撃にさらされていた子どもを救おうとして頭部を撃たれ、植物人間になった事件があった。

 パレスチナ人権センター(PCHR)の緊急調査によると、イスラエル軍は10日午後、戦車や軍用ブルドーザーを連ねて難民キャンプのブロックO地区に侵入、午後6時までに23軒の民家と5軒の店舗を破壊、2人の子供を含む3人が負傷したとしている。そのうちの1人、14 歳のシャーディ・アブ・ナイーム・アンザ君は骨盤に銃弾を受けて11日午前、死亡した。

 10月10日からの難民キャンプ侵攻では、170軒以上の家屋と電気や水道などの公共インフラ設備が破壊され、死者17人、負傷者124人以上という被害が出ている。国連パレスチナ難民救済事業機関は寄付金が減少している中、家屋破壊の被害が拡大しているため救援活動が追いつかないと発表したばかりだった。

 ラファの難民キャンプはエジプト国境沿いに広がっている。2000年9月以来イスラエル軍は、今回と同様の軍事行動によって、ラファで数百軒にのぼるパレスチナ人の民家を破壊してきたが、これは、国境沿いの広域にわたるパレスチナの土地を「緩衝地域」にして、同地域での軍事支配を強化するという、イスラエル政府の戦略的政策を示しているようだ。

事実、イスラエル軍はすでに家屋を破壊し更地にした場所に、国境と並行してコンクリートと金属の「壁」を着々と建設しつつある。

 一方、家を失った難民キャンプの多くの住人は、厳しい冬を迎えた今、寝具もないままに、国連から支給されたテントでの生活を強いられている。PCHRは、こうしたパレスチナの一般の人々とその住居や資産への大規模な破壊・殺傷行為は、どのような観点からも正当化されるものではなく、明らかに国際人権法・人道法を侵している上、第4ジュネーヴ条約にも著しく違反しているとして、国際社会に早急に何らかの手段を講じるよう求めている。

日刊ベリタ