南ア政府、アパルトヘイト犠牲者へ補償金

　【ヨハネスブルク15日長野康彦】南アフリカ政府は十五日、人種隔離政策（アパルトヘイト）の犠牲となった人々二万二千人に、一人あたり三万ランド（約四十五万円）の補償金を支払うことを発表した。補償金総額は六百六十万ランド（約九十九億円）にのぼる。
　アパルトヘイト下における人権犯罪を調査した真実和解委員会は、当時の白人政権が黒人系国民らに対して行った逮捕や殺人・拷問など人権弾圧の犠牲者は二万二千人と認定。犠牲者らへ総額三十億ランド（約四百五十億円）の補償金支払いを政府に要求していた。

　同委員会は、アパルトヘイト下で利益を得た企業へも補償金の支払いを要求していたが、ムベキ大統領は「正当でない」として同要求は退けた。