【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 泥棒捕らえて縄をなう

年金横領 徹底した調査と処分を

2007年9月5日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007090502046491.html


社会保険庁が公表した年金保険料などの横領の実態は、長い間身内意識で不正が表面化しないようにしてきた隠蔽(いんぺい)体質を示している。さらに調査を続け、不正を働いた職員を厳正に処分すべきだ。
国民・厚生年金保険料や健康保険料の徴収に携わる公務員がこれほど腐りきっていたことに、国民の多くは怒りを隠せないだろう。
社保庁が明らかにした横領は、同庁職員ほか、四十四市区町村職員に及んでいる。
横領総額は判明分だけで、九十九件三億四千三百万円にのぼる。
社保庁では職員がコンピューターを不正操作して架空の受給者を仕立て、栃木県日光市では職員が保険料免除申請や国民年金からの脱退届を偽造するなど、年金業務に精通していなければ不可能な横領が行われており、悪質極まるといえよう。
公金の横領は金額の多少にかかわらず公表するのが筋だが、多くが隠蔽されてきたことも問題だ。
社保庁の場合、五十件の横領のうち今回初めて公表した十八件を含め、これまでに自発的に公表したのは二十四件で、残りは報道機関の取材などで明らかになったケースだ。
五十件のうち、刑事告発したのは二十七件にとどまり、十五件は警察に相談することもなく告発を見送った。四十四件が懲戒免職・停職処分になったが、そのほかは処分前退職や行方不明で処分を免れた。被害弁済もすべて済んでいない。
これだけみても、社保庁がいかに内部の犯行に甘く、お互いにかばい合ってきたかを表している。
今回の公表は、年金記録不備問題をきっかけに総務省に設置された「検証委員会」の求めに応じて報告されたものだが、記録不備問題が明るみに出なかったら、横領の実態はさらに長い間、国民に知らされなかったに違いない。社保庁は隠蔽体質を猛省する必要がある。
国民の多くは、横領のケースが今回公表された分ですべてとは思っていない。それほど社保庁は信用されていないのだ。社保庁が今すべきは、ほかにも横領がないかを徹底的に調べ、そのうえで厳格な処分と刑事告発を行い、被害弁済を求めることである。
市区町村での処分や弁済の有無についても「検証委から求められていない」と言い訳するのではなく、積極的に調査し公表すべきだ。
社保庁は先の国会で二〇一〇年、日本年金機構に解体・再編されることが決まっており、その組織のあり方の検討が総務省で始まっている。
保険料の横領を防ぐ万全の仕組みを組み込んでもらいたい。

富を得る方法は三つしかない.勤労と嘆顔と窃盗である.したがって,あまりにも多くの富が乞食や泥棒の手に渡っている.

公職はまさに泥棒天国である.