疑惑と選挙と無責任
「赤城氏、領収書公開必要ない」 首相、法改正に否定的
2007年07月09日12時08分
http://www.asahi.com/politics/update/0709/TKY200707090117.html
安倍首相は9日午前、朝日新聞社などのインタビューに応じ、赤城農林水産相が事務所費問題の疑問を解くために領収書などを公開する必要性はないとの考えを明らかにし、領収書の写しの添付を資金管理団体だけに義務づけている政治資金規正法の再改正についても否定的な姿勢を示した。消費税率の引き上げについては、今回の参院選ではなく、次の総選挙の争点にすると表明。参院選の責任ラインを示す考えはないことを明らかにした。
首相は赤城氏の政治団体の事務所費問題について「赤城氏はかなり詳細に説明している。月800円の光熱費、5万円の人件費、3万円の事務所費。その内訳については言っている。これを示せば十分だろう」と述べた。赤城氏は「法律で公表する必要がないと書かれている」として領収書の公開を拒んでおり、首相はこうした赤城氏の姿勢を容認した。
与党の議員立法で改正された政治資金規正法では、5万円以上の領収書の写しの添付を義務づけられたのは資金管理団体だけで、今回問題になった政治団体は対象外だ。首相はさらなる法改正については「政治団体は7万ぐらいある。議員の身分にかかわるものだからよく議論しないと」と慎重姿勢を崩さなかった。
一方、基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるのに伴う消費税率の引き上げについて「まず徹底的に歳出削減する。公務員の人件費を削減していく。政府の資産を売却していく。こうした歳出削減で財源は出てくる。それでも届かない際には秋に議論する」と述べ、秋以降の税制改正論議で取り上げる姿勢を示した。その上で「税制改革の姿については当然、おそらくそれは次の衆院選」と語り、総選挙で争点にする考えを明らかにした。
ただし、「消費税を引き上げない選択は可能か」との質問に「新経済成長戦略の成果は出ている。十分に(引き上げなくてすむ)可能性がある」と答えた。首相は5日のテレビ番組では「消費税を上げないとは一言も言ってない」と引き上げに前向きとも取れる発言をしたが、8日のテレビでは「上げなくても済む可能性は十分ある」と述べており、引き上げ論が先行することを牽制(けんせい)した。
一方、参院選で首相が責任を取るべき責任ラインを示す考えはないかとの質問に対しては「ありません」と明言。「改革を前に進め、経済を成長させていく。日本を美しい国にしていく。その約束を果たすために全力を尽くしたい」と続けた。
民主党の小沢代表は参院選で与野党が逆転しなかった場合には次の衆院選に立候補せず引退する考えを示しているが、首相は「選挙戦を通じて実績や政策を訴え、国民の判断をいただく選挙だ」と述べるにとどめた。
新党日本を離れた荒井広幸氏や国民新党と参院選後に連携する可能性については「気の早い質問だ」と指摘する一方、「政策を進めていく上においては多数派を求めていく」と含みを残した。
一つの嘘は嘘である。二つの嘘も嘘である。三つの嘘は政治である。------ユダヤの諺
広義の解釈で「殺された」還元水大臣もそうだったけど,「やましいことがなければ堂々と公表すればいいではないか」と普通は考えるので,こういう態度や答弁をするほど疑惑というのは深まっていくものである.ましてや,「法的に問題ない」なんていわれると,反対に「道義的には問題あり」で「やましい」ことがあるのは明白であると感じる.
消費税も今回は選挙の争点にしない,なんていわれると,「そうか,やっぱり上げるのか,争点にしないだけなんだな」と普通は思ってしまうのである.選挙戦に勝てば,今までと同じように「国民の信任を得た」と称して何でも強行採決してしまうんだろ.
権力闘争が政治の第一義であるけれども,国民の生活より選挙が一番大事な今の政治はちょっと違うのではないかと穿ってしまう.これから私たちの暮らしはどうなるのか,格差や貧困は是正されるのか,年金はちゃんともらえるのかそれとも払い損か,まだまだ増税されるのか,国民が不安に感じていることに対して,「本当のこと」をいわないで,甘い言葉だけを羅列する態度や議論は非常に卑怯に映る*1.
ましてや,綺麗所を揃えたイメージ戦略や知名度だけで候補を選ぶという現状を見れば,この人たちは真面目に私たちのことを考えていないのではと思わざるを得ない.自分は「サッカー選手だ」といったカズはまことに「当たり前」の人なんだな.(ヤンキーだかモンキーだか知らないが,ヤンキーの猿ということで売国の匂いがぷんぷんするのは偶然だろうけど,)誰だって参政権はあるし職業にだって貴賤はないし能力も未知数だが,見捨てられたちんちんペロペロの何たらチルドレンみたく,これも疑惑に対して「法的には問題ない」といっている建前と相通じる無責任と欺瞞がある.そういう人たちが責任を口にすると大変嘘くさいのである.
一方で負けたら辞めるなんていうのも卑怯だな.本気で勝てると思っていないのが手に取るようにわかります.そんな見え透いた手が通用すると本気で思っているとしたら,国民も随分馬鹿にされたもんだと思う.政治の現場にいる「プロ」が今の選挙の投票動向を見て,与野党逆転は絶対にないと判らないとしたら頭がどうかしているのである.無党派層なんてのは基本的に政治に関心が薄く選挙に行かない人たちだし,街頭で「投票に行きますか?」なんて聞かれたら,面と向かって「行きません!」なんて答える人は少ないだろう,蓋を開けてみたら結局5割そこそこの投票率で,これではどう転んだって組織票とかカルト票とかが集まるところが勝つのである.そもそも全野党にきちんと根回しできているのか.与党に対抗する勢力同士で票の食いつぶしをしている野の人たちに勝ち目があるとは到底思えない.だから,出来レースなんだと思うことさえある.まあ,σ("ε";) ボクちゃんがあんまりなので少しは期待しているけど,σ("ε";) ボクちゃんは支持しないけど自民党は支持するという人とそうでない人は五分五分程度に見ておきましょう.
弱者だけが「痛み」を感じる今の世の中はおかしいと感じている人は多いと思うが,やっぱり何とかなっているのでこれでいいやと考える人もまた多いだろう.誰もが何とかヒルズに住めるわけではないのが資本主義社会だからね.でも,何とかなることと政治が国民のためにちゃんと機能しているかどうかということはまったく別の問題だよね.いいのよ貧乏で.でも「得したい」人たちの「得したい」人たちによる「得したい」人たちのためだけの政治をあんまり堂々とやってもらっては良くないなと思うのである.まして薬害とか基地外牛とかを野放しにして国民の生命まで危ぶまれるとしたら,ちょいと見過ごすわけにはいかない.
私ももっと頑張ってお金持ちになりたい,老後の資産を蓄えたいと思うのだけれど,地道にコツコツとやっていてはなかなか儲からないなというのはよくわかります.でもそういうコツコツと不器用に生きる人たちから,なけなしの金を奪うのは勘弁してもらいたいし,老後妻とつましく暮らすための年金は頂けるものだと信頼して真面目に納めているのである.働かなくても資産だけで暮らしていける富裕層から必要なお金は持って行ってくださいな.いやいや,この人たちから別にお金を頂戴しなくても,この人たちに入るお金を制限するだけでも他に回せるお金がかなり浮いてくるのではないか.年金など無くても暮らせる人には年金払わなくてもいいじゃない.*2
そういうことが出来る政治になってくださいな.
第一,今の政治は与野党に力の差がありすぎて全然面白くないし.時代が動いているという実感と躍動感のある政治を心から望みます.
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参院選立候補予定者なかなかな人たち.^^;
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