イラクのパレスチナ難民が受けている迫害に非難声明
URUK NEWS イラク情勢ニュースより
(webサイト)http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/
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☆★イラク・レジスタンス・レポート 6月3日
Iraqi Resistance Report for events of Friday, 3 June 2005
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http://www.albasrah.net/moqawama/english/0605/iraqiresistancereport_030605.htm
◆イラクのパレスチナ難民が受けている迫害に非難声明
Palestinians resident in Iraq denounce campaign of terror and intimidation
イラクにいるパレスチナ難民は、彼らのコミュニティーが現在日常的に受けている攻撃を止めるために働きかけるよう、全アラブと国際組織にむかって正義と人権に関するアピールを発表した。
このアピールは彼らに対する最近の迫害の事例をあげている。
1、 2005年5月31日午前11時30分、パレスチナ難民であるミスバー・アブダル・サラムはバグダッドのフリヤ地区にある建築資材店で働いていたところ、傀儡(かいらい)治安部隊によって連行された。彼の逮捕理由については何の説明もなされていない。
2、 イラクの傀儡治安部隊は、バグダッドのザファラニヤ地区にあるパレスチナ人居住地で、数軒のパレスチナ人家屋を襲撃し、14人のパレスチナ人を拘束し、サミル・ハッサン、ラフィーク・ハイダル、ヒラル・スウド、ムハンマド・シドキの4人を逮捕した。連れ去られたこれら4人の消息は不明である。アピールは、一部の傀儡治安要員でさえパレスチナ難民の生活状態にショックを受け、彼らの住んでいた家は動物も住めないと発言した。しかし、それはアメリカの占領以後にパレスチナ人が扱われている処遇を示す以外のなにものでもない。
3、 5月31日火曜日午後8時30分、傀儡の内務省に所属する治安部隊「フサイン旅団」が、バグダッド東部にあるリアサフ地区のパレスチナ人居住地を急襲した。傀儡軍兵士は最初に間違って隣人であるイラク人の家に押し入って恫喝(どうかつ)を加えたあと、アブ・マルワンのアパートを襲った。治安部隊はアブ・マルワンの家族を脅し、子どもたち全員を連行しようとしていたが、家族の女たちが(やめてくれと)嘆願したため、アブ・マルワンと息子「だけ」を連れ去ることで満足した。
4、 5月31日火曜日午後9時、同じ治安組織のメンバーが、同じアパートに住むジャマル・イブラヒム・ムニブの家を襲った。
5、 6月1日水曜日朝、バグダッド市内のバラディヤト地区にあるアパートに住むパレスチナ人が起きてみると、彼らに対する呪(のろ)いと侮辱に満ちた文書が一帯のポストに入れられていて、その地域のパレスチナ人家族全員を排除すると脅す不快な言葉が並んでいた。こうした脅迫文は傀儡当局に提出されたが、苦情に対して何の回答もなされなかった。
6、 サイイディヤ地区に住むパレスチナ人であるムハンマド・バドル・ハリファはアメリカ兵に逮捕された。だが米兵は彼のアパートを細かく捜索しても、何も発見しなかった。彼が逮捕された理由は今日になっても明らかにされていない。
7、 5月30日月曜日、バラディヤトにあるパレスチナ人居住地に近いマシュタル地区で、多くの商業施設が強制捜索された。現地レストランの1つにいた労働者の1人がパレスチナ人だと判ると、彼の身分証明書が口に押し込まれ、殴ったり蹴ったりされた。彼はたとえバグダッドに生まれた貧しい男であっても、2度とこの地区にやってくるなと宣告された。
8、 5月31日火曜日朝、3人のパレスチナ人がバグダッド中心街にあるジュンフリヤ通りの家電商品マーケットでものを買おうとしていた。彼らのうちの2人はバイヤ地区の住民で、もう1人はガザリヤ地区の出身だった。彼らは皆それぞれの住所に自分の店を持っており、この日は店の在庫用の買い物をしようと大市場に来ていた。マーケット内の1人の店主が彼らに国籍を尋ねた。明らかに「アラブ人」どうかを尋ねるものだった。イラク人でない「アラブ」の国籍は、占領下のイラクにあっては、今ではそれ自体が脅威となる。「アラブ戦士」がイラク人のレジスタンスを構成していると非難されるのである。3人のパレスチナ人は挑発的な質問に乗らない回答をした。だが店主は満足せず、他の者たちを呼び集めて3人に殴りかかり、パレスチナ難民だと言わせようとした。パレスチナ難民はイラクに合法的な居住権を持っている。それで3人はそう答えることが、さらなる攻撃から身を守ることになると期待した。だが正反対のことが発生し、彼らはさらに激しく殴られたうえに、地元の警察所に引っ張っていかれ、そこで5つの刑事罰を宣告された。彼らが釈放されるためには、男1人につき500米ドルの多額を現金で払うように強要されたのである。
パレスチナ人のアピールは、イラク人がアラブの兄弟と結びついていることに留意しつつ、このような脅迫によって誰が利益を得ているのかを問いかけるものである。おそらく意図的に間違った告発にもとづく攻撃および逮捕作戦であろうが、それはパレスチナ人がイラクから排除されるまで続くものであるのかどうかを問うている。
このパレスチナ人のアピールを報じたイスラム・メモの通信員は、今回パレスチナ人にむけられた特別な敵意が、宗派主義的で親米的なシーア派の聖職者アリ・アル・シスタニの支持者と組織によって示されたものであり、たとえイラン政府がみずからをパレスチナ運動の支持者かつ擁護者であると主張したとしても、シスタニの武装組織がイランの諜報機関によって大いに影響されている事実に注目している。