【ねこまたぎ通信】

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 天木直人 メデアを創る

自衛隊は今何をしているのか 天木 2005/04/15

4月15日―メデアを創る
 
 自衛隊は今サマワで何をしているのか
 
 最近はすっかり報道されなくなってしまったが、自衛隊は今でもサマワにいるはずだ。何をしているのだろう。それを教えてくれたのが13日の衆議院イラク特別委員会である。
 大手の新聞はどこも書かないが、14日のしんぶん赤旗は実に面白かった。赤嶺政賢議員(共産)が同委員会で質問したのだ。サマワでの自衛隊の最大の活動はこれまでは給水活動であった。ところが今年2月5日以降、外務省が供与した無償援助による浄水装置が稼動し始めて、もはや自衛隊の給水活動は不要になった。
 「(今は自衛隊サマワで)何をしているのか」と赤嶺議員が質したのに対し、大野防衛庁長官は、「公共施設、道路や学校を直したりしている」と答えた。
 しかし防衛庁が赤嶺議員に提出していた資料によれば、「県知事公舎前の多目的広場の緑化」、「スポーツクラブの証明施設の補修」、「屋外バスケット施設のコートの補修」、「女子高前の噴水の補修」などが列挙されていた。
 「何故こういう活動が戦災からの復興人道支援なのか」と質問する赤嶺議員に対し、大野長官は、「心に潤いをもたらしていく仕事も大切」と述べるだけであったという。
 赤嶺議員はまた、自衛隊が砂利舗装した道路を、外務省が現地業者を援助資金で雇ってアスファルト舗装している現状を指摘して、「最初の砂利舗装の段階から現地業者で出来るではないか。自衛隊が舗装する必要はないではないか」と追及したら、外務省の吉川アフリカ局長が、「自衛隊の支援で舗装がより容易になり、より自らの関与によって事業が行える・・・」などという意味不明の答弁を行うだけであったという。
 要するに説明がつかないのである。これが自衛隊サマワ派遣の実態なのである。どうしてこの国会審議のやり取りを大手新聞は書かないのか。このような税金の使い方を知れば、イラク問題に関心のない国民も自衛隊撤退の声をあげるであろう。それをおそれる政府に遠慮して書かないのか。
 
  赤字の垂れ流し
 
 国民の負担を増やしておきながら、その金がムダに使われているのはサマワだけではない。
 4月15日の読売新聞に、「維持費21億円、赤字垂れ流し」という見出しで次のような記事が載っていた。
 「独立行政法人雇用・能力開発機構』が中学、高校生の職業意識向上の為に建設した『私のしごと館』の昨年度収入が1億1000万円にとどまる一方、その職員の年間給与だけで2億4000万円かかっていたことが14日わかった。全体の維持管理費は収入の20倍の約21億円に達し、差額は民間企業が払う雇用保険料で穴埋めされる・・・」
 なんだ、これは。独立行政法人雇用・能力開発機構」とは何か。特殊法人が名前を変えただけの、厚生労働省の役人の天下り先だ。「私のしごと館」とは何か。必要性もなく、利用者もいない、役人が考え付いた予算獲得のための建物だ。
 読売新聞の記事には作家の猪瀬直樹が次のようなコメントをしていた。
「建設費などで膨大な保険料をつぎ込んだ上、毎年赤字を垂れ流すのは納得できない」
 納得できないのは当たり前だ。このような官僚の無駄遣いこそ赤字財政の元凶なのだ。おびただしい数の無駄遣いが至る所で見つかる。それにメスを入れない小泉改革は、道路公団民営化にしても郵政民営化にしても、見せかけの改革なのだ。批判する振りをして本質を衝かない猪瀬直樹も所詮は御用評論家なのだ。