【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 スマトラ沖地震

物凄い勢いで緊急援助金が集まっています.中には,シューマッハの10億円という,途方もない金額の支援もありますな.それはまあ,それでいいのですが,援助に絡んで怪しいニュースがちらほら聞かれます.そういうところに焦点をあてて見ていきたいと思っています.

「どうせ国民からむしり取った金なので,気軽な気持ちで約束してきました.ん? 日本の災害被災民について? そんなことに本気になったって,誰も褒めてくれないでしょう.今はいかにして覇権国家のお先棒を担いで軍国化を推し進めるか,それが問題でしょう!? 常任理事国入りが先決です.ケツは青いうちに打て,と言うでしょう…(意味不明,以下省略)」

小泉首相「最大限の支援」表明 被災地支援緊急首脳会議

http://www.asahi.com/politics/update/0106/004.html
6日、ジャカルタで開かれたスマトラ沖大地震に関する緊急首脳会議に出席し、犠牲者に黙祷(もくとう)をささげる小泉首相(左)。右はインドのナトワル・シン外相=AP
 小泉首相は6日、スマトラ沖大地震津波による被災国と支援国が支援態勢などを話し合うため、インドネシアジャカルタで始まった緊急首脳会議で演説し、日本の支援策を説明した。首相は被災国に「最大限の支援」をすると約束。当面5億ドルを限度とする無償資金を供与するほか、被災国の公的債務の支払い猶予、自衛隊の追加派遣などを表明。さらに、中長期的な復旧復興のための資金を拠出する意向も明らかにした。災害対策としては、かつてない規模の支援となる。
 首相は「アジアにおける大災害は我々自身の問題だ」と日本が主体的に支援に取り組む意向を示したうえで、「資金、人的貢献、知見の3点で、最大限の支援を実施する」と表明した。
 資金面では、当面の緊急支援にあてる5億ドルのうち、2億5千万ドルを国連世界食糧計画WFP)などの国際機関を通じた被災国支援にあてる。国連のアナン事務総長が呼びかける資金拠出にこたえるものだ。残りの2億5千万ドルは被災国に直接供与する。さらに、中長期的な社会基盤などの復旧復興でも「最大限の支援を行う」と述べた。5億ドルのほかに資金を拠出する意向を示したものだ。
 また、被災国から要請があれば、公的債務の支払いを一定期間猶予するよう、12日の主要債権国会議(パリクラブ)で各国に働きかける意向を示した。債権国の中には、債務削減に踏み切るべきだとの意見もあるものの、削減された国の信用が低下し、その後の借款が難しくなることから、返済猶予にとどめた。インドネシアスリランカが対象になる見通しだ。
 人的貢献としては、自衛隊インドネシアに派遣し、支援物資の輸送や衛生状況改善に取り組むことを説明。国際緊急援助では過去最大の派遣規模になる見込みだ。津波対策が進んでいる日本の知見を生かした支援策としては、インド洋に面した国々の津波早期警戒メカニズム構築に努力する、と表明した。
 首相は会議の間に、国連のアナン事務総長と会談した。その後、インドネシアのユドヨノ大統領とも会談する。いずれも、緊急支援や復旧復興に全面的に協力する方針を伝える。
(01/06 14:59)

タイ政府、日本の資金協力辞退 「より被害大の国に」と

http://www.asahi.com/politics/update/0109/001.html
 町村外相は8日夜、タイのスラキアット外相とタイ外務省で会談し、スマトラ沖大地震津波の復興支援について意見を交わした。日本が供与を予定していた20億円の無償資金協力について、スラキアット外相は「より被害の大きい国に回してもらった方がいい。資金協力以外の協力は引き続き検討いただきたい」と辞退を表明した。日本政府もタイへの供与を見送る方針を決めた。
 タイは借款の返済を前倒しするなど経済援助からの自立を進めている。このため、政府は辞退の理由について「もはや無償資金に頼る途上国ではない、という考えがタイ政権内で強まったのではないか」(外務省筋)とみている。
 政府は無償資金5億ドルのうち半分の2.5億ドル(約250億円)を被災国へ直接供与する方針を決め、6日にはタイやスリランカなど4カ国への個別の供与額も発表していた。タイの辞退を受け、政府はインドネシア(130億円)とモルディブ(16億円)への拠出額を上積みする。
(01/09 01:37)

インド大国の意地 犠牲者1万人超も支援辞退

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050107/mng_____kok_____003.shtml
 【バンコク=青柳知敏】スマトラ沖地震津波で一万五千人以上が犠牲になったインドが、海外からの支援を辞退している。逆にスリランカなどへの支援を決め、援助供与国の立場を強調。自助による復興を国際社会に印象付ける背景には、国連安保理常任理事国入りへの執念が漂う。
 インド政府は六日、国内被害を十一億円と試算した。死者数は現時点で、インド西部地震(二〇〇一年)の約二万人を下回るが、甚大な被害は他の被災国と同様だ。
 しかし、シン首相は先月三十日の記者会見で「必要な時はこちらからお願いする」と、国際支援の辞退を表明した。大規模災害に世界が注目する中、インドは発生直後の段階でスリランカモルディブへの救援隊派遣を決定。「傷だらけの援助国」として存在感をアピールした。
 インド政府は、支援辞退の理由を「国内の備蓄で足りる」と説明する。しかし、感染症など二次被害の危険が迫る中で、インドのみが自助にこだわり、NGO関係者らを困惑させている。
 本音については「政治的な思惑が働いている」との見方が強い。国連改革の一環として安保理拡大が検討される中での被災。自助に加えて周辺国を支援する「大国ぶり」を示して、常任理事国入りにつなげたい意向とみられる。
 インドは、米国主導で一時結成された復興支援の「コア(中核)グループ」に日本、オーストラリアとともに入っていた。しかし、六日にインドネシアで開かれた緊急首脳会議で、コアグループは解消され、国連主導による支援態勢が確認された。
 ただ、インドの常任理事国へのこだわりには、「災害援助と政治は切り離すべきだ」との意見もある。

お金は十分にあるので募金はもう結構です……国境なき医師団

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081104995979.html
[ 2005年01月06日 16時19分 ]
[パリ 4日 ロイター] 医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」がなんと、アジアの津波被害者救済への献金を中止するよう求めている。理由は、救済活動を行うのに十分な資金がすでに集まっているからだという。
極めて異例のことだが、MSFのフランス支部には4000万ユーロ(約56億円)、ドイツ支部には2000万ユーロ(約28億円)の資金が集まっており、スリランカおよびインドネシアで展開している救急医療支援プロジェクトの資金としては十分だという。
MSFの決定は他の人道支援団体に衝撃を与えている。そしてこの決定によって、少なくとも15万人の死者を出した巨大津波の犠牲者に対する援助として、空前の規模で起きている一般の人々の募金のうねりが損なわれてしまう、という批判を招いている。
MSFのピエール・サリニョン長官は声明で次のように発表した。
「こうした決定を下すのは初めてのことです。一般の人々が立ち上がっているムードに逆行するものと思われるかも知れません。しかしこれは献金者に対す誠実さの問題なのです。すでに資金が集まっているプロジェクトに献金してくださいと、世間に訴えるわけにはいかない」
MSFドイツ支部のスポークスマン、エルツテ・オーネ・グレンツェン氏は同支部も同じ方針を採ったと語った。
餓死撲滅協会(ACF)のジャン=クリストフ・ルフィン会長は、フランス第2テレビでMSFの決定を次のように批判した。
「何よりも衝撃だったのは、MSFが他の人道支援団体の足元をすくう危険を犯したことです。資金を必要としている団体はたくさんあります。ちょっと無責任ではないでしょうか。人道支援という意味では、みんな同じ船に乗っているのですよ」
複数のドイツの団体はこの決定に追随するつもりはないと語り、個人的にはMSFの決定にショックを受けたと語った。
1000万ユーロ(約14億円)の募金を受けている国連児童基金(UNICEF)ドイツ支部のアストリッド・プランゲ氏は「MSFの主な任務はUNICEFがいるところで緊急支援を提供することです。わたしたちは学校を建設し、ワクチン接種計画を実施するなどの仕事をしています。わたしたちにとって、これはまだ手始めで、だからもっと寄付を必要としているのです」と語った。
NGOオックスファムのパウル・ベンディクス・ドイツ支部長は「経験から言っても、感触から言っても、人々はこの災害に寄付するか否かなのです。一般の募金ではないのです」と語る。
ドイツの支援団体は、MSFの動きは、同団体が短期支援に焦点を当てているからだと考えている。ドイツの税制では、短期の慈善募金は長期の開発援助金より税金が軽いのだ。
同じく1000万ユーロ(約14億円)の募金を受けているドイツのプロテスタント教会系慈善団体「ディアコニー・カタストロフェンヒルフェ」の広報担当者は、ドイルの支援団体の大半は、献金目的を広い枠組みにして要請し、ある国における特定の援助に法的に関連付けられないよう注意しているそうだ。
フランスのMSFは、今回寄せられた募金は東南アジアでのみ使用し、他の地域の災害援助には使わないとしている。
MSFの広報は「献金したいとの電話を受けたら、わたしたちの計画には十分資金があるので、別の災害の時に寄付をお願い押します、と応えます」とコメントした。

ぎゃははははははは.
関連:援助オークションとはよく云った(笑) http://atfox.hp.infoseek.co.jp/xfile/2005/001.htm#4
スマトラ沖大地震:大災害の裏側 http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2005/01/post_1.html
 
別の怪しい話ですが,
この人身売買・臓器売買については,これからも調査を進めますが,…
うっ,
な,何をする,
や,やめろ,
……きゅう.(x_x)

孤児連れ去り?急増 スマトラ沖地震津波『人身売買』格好のマト

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050107/mng_____tokuho__000.shtml
 スマトラ沖地震津波で大きな被害を受けたインドネシアアチェ州などで、孤児となった子どもたちが「保護」名目で連れ出され、行方不明になっている。ユニセフ国連児童基金)の調べでは、その数は四百人に上るという。スリランカでも子どもの連れ去りが問題化している。「人身売買」の組織が関与していると言われるが、その実態は−。
  (蒲 敏哉=アチェ州で、藤原正樹)
 インドネシア・メダンの被災地を中心に援助・調査活動を行う日本のNGO関係者はこう話す。
 「メダンには被災地のバンダアチェ、メラボーなどから空路や陸路で約千人の避難民が運ばれてきているが、身元確認は十分ではない。空港近くのキャンプには、親とはぐれたり、孤児となった子どもも多い。このうち小学校低学年以下の子どもたちが狙われているようだ。インドネシア赤十字が保護対策を取っているが、避難キャンプは混乱が続き対策は進んでいない」
 現地の実態に詳しいNGOインドネシア民主化支援ネットワークの佐伯奈津子事務局長も「二日に携帯のショートメッセージサービス(SMS)で、アチェ州の被災者に『〇−三歳児を対象に養子縁組をあっせんします』という情報が流れた」と証言する。
 ユニセフは四日、こうした子どもたちの早急な保護を求める声明を発表した。日本ユニセフ協会広報担当者は「ジャカルタに運ばれた約四百人の行方が分からないが、地元紙によると、アチェ州からメダンに避難した孤児五十人が空港で行方不明になったという。アチェ州で推定三万五千人とみられる孤児が人身売買の危険にさらされている。さらに、スリランカ北部でも三千人以上の孤児が出ており、うち九十人が何者かに連れ去られたという情報がある」と警戒する。

■『親類』名乗り養子縁組装う
 先のNGO関係者は「インドネシアでは以前から人身売買が横行し、ブラックマーケットが存在する。今回も三百ドルから五十ドルといった値段が付けられ、闇から闇に売買されている可能性がある」と話す。
 手口として、ユニセフの担当者は「養子縁組のあっせん業者を装う場合が多い。親せきを名乗るケースもあるようだ」と解説。事態を重くみたインドネシア政府も四日、被災地の孤児の養子縁組を禁止した。
 事情に詳しい現地の関係者は背景を説明する。
 「スマトラ島北部はシンガポールやマレーシアに近く、貿易の要衝で、物流とともに人身売買も行われてきた長い歴史がある。とくにリアウ州の州都プカンバルは人身売買の拠点で、子どもたちは船でシンガポールやクアラルンプールに運ばれ、迎えの船に引き渡されている。マレーシア当局に摘発され、子どもたちが返還されることもある」
 売買された子どもたちはどうなるのだろうか。
 この関係者は「子どものいない白人家庭では東南アジア系の子どもを育てたいという夫婦が多いし、売春組織は七、八歳の女の子を求めている。臓器売買などを目的とした人身売買も行われている」と指摘する。
 ユニセフによると、世界中で年間七十万人から四百万人が人身売買の犠牲になっており、そのうち、十八歳未満の子どもは百二十万人と推定されている。
 昨年三月には、メダンで人身売買を防ぐための国際会議が開かれ、アジア各国の政府関係者やNGOが対策を話し合った。しかし、インドネシアの人身売買や売春の背景には、国軍や警察関係者が関与しているとも指摘されており、会議の出席者からは「犯罪の当事者が出席していいのか」との言葉が漏れたという。
 インドネシア国内の組織については、「売買の規模から、インターネットの普及で広がった国際的なシンジケートだということは分かるが、実態は分からない」(ユニセフ協会担当者)。上智大学村井吉敬教授(東南アジア経済)も「人権団体の活動が活発なタイでは、人身売買の実態がかなり解明されているが、インドネシアは不明な点が多い」とした上で、「国内には、多数の人身売買ブローカーがいるが、ブローカーと密接な関係を持ち、被害増の元凶になっているのが国軍だ」と指摘する。
 佐伯事務局長が解説する。「インドネシアの予算では、国軍経費の三割しかまかないきれず、大部分は闇ビジネスで稼ぐしかない。大麻や違法伐採した木材の密輸、賭博場の用心棒代、勝手に設定した道路の通行税などと並び、人身売買が稼ぎ口になっている」
 アチェ州のような紛争地域は一番の稼ぎどころのようだ。佐伯事務局長は「政府から追加予算が出て、大企業の物資輸送に対し、警護料金を取れる。世界各国から集まる援助物資に対しても『ゲリラの武器が混入している可能性がある』という名目で詐取している」と指摘。村井教授は「アチェ州では軍がすべての機関を掌握しており、抑えが効かない」と話す。

■人権活動家が「暗殺された」
 先の関係者も「治安が悪化している都市では、軍や警察が直営で売春宿を経営していることがある。利益は軍の福利厚生に使われたり、一部の幹部の懐を潤している。多くの人が知っているが、公言すれば命を狙われることにつながる」として、こんな例を挙げた。
 昨年六月、インドネシア国内で人身売買の防止を訴える代表的なNGOコントラスの代表が英国へ渡航途中、暗殺されたとされる。事実関係は不明だが、こうしたことでNGOも身動きできない状態だという。
 その上で指摘する。「今回の地震津波は、人身売買の組織にとっては格好の機会だ。孤児を預かったり、保護した家庭では、段ボール一箱の食料で子どもを渡してしまうケースもある。メダンのキャンプで、政府関係者は『人身売買のターゲットにはされない』と話しているが、実際にはまったくの無法状態だ」
 佐伯事務局長は、アチェ州の人身売買被害の拡大を危ぐする。
 「人身売買の危険性があるのは被災孤児だけではない。そもそも貧困な上に災害ですべてを失った人々が、生活のために子どもを売り飛ばさざるを得ない状況になっている。援助物資が届かなければ、今後数年間のうちに人身売買が急増する可能性がある。アチェ州は厳格なイスラム教地域だが、貧困による人身売買が広がれば、旧来の文化が破壊されてしまう」
 被害を食い止めるには「援助物資を被災者にしっかり届け、貧困から抜け出させる」(村井教授)しかない。佐伯事務局長は国連中心の監視に期待する。「国連は援助物資の流れを監視するチーム派遣の方針を打ち出している。各国の軍隊が救援に派遣されているのも心強い。不当なことが行われないよう、国際社会が一体となって取り組むしかない」

「親はいるのか」人身売買組織、津波孤児狙い暗躍

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050107i113.htm
 【バンダアチェインドネシア最西部)=林田裕章】15万人以上の死者を出したインド洋津波は、膨大な数の孤児も生んだ。最大の被災地、インドネシアスマトラ島最北部では、救済を装い孤児を、売春や臓器移植などの目的で売り飛ばそうとする組織が暗躍している。
 「今月3日、2人組の男が来たわ。2人とも30代初めぐらい。キャンプを回って小さな子どもを見つけては、親はいるのかと聞き歩いてた」。バンダアチェの避難民キャンプで、主婦のアーティカさん(37)は言った。
 キャンプには、両親を亡くした6歳くらいの男の子がいた。その子を見つけると、2人組は、「メダン(スマトラ島最大の都市)に連れて行きましょうか。学校もあるし、将来のためになりますよ」と言った。
 カネは提示されなかったものの、アーティカさんら居合わせた大人たちは「人買い」だと直感し、2人を追い払った。
 国連児童基金(ユニセフ)現地事務所の豪州人女性アマンダ・メルビルさんは、「1組の男女が、子どもの売買にかかわった容疑でメダンの警察に逮捕されたとの情報がある」と言う。「アチェだけで少なく見積もっても3、4000人の孤児が発生したと推定される」とも語った。
 アチェからメダンへ、メダンからさらにほかの都市へ。子どもを売り渡していく組織のにおい――。AFP通信は、「3―10歳のアチェの子ども300人が売買目的でマレーシアに連れてこられるとの情報がユニセフのクアラルンプール事務所に入った」と伝えた。
 被災地で活動する民間活動団体(NGO)の話を総合すると、孤児たちは養子だけでなく、売春や格安の労働力にされる危険がある。被災地によっては、武装勢力の少年兵にされる可能性さえある。
 バンダアチェ・マタイ地区の避難民キャンプでは、ジャカルタのNGOが、子どもの捜索依頼を受け付けていた。子どもの特徴を登録しているが、同地区だけで750人が不明だ。
 インドネシア政府は「両親を失うか両親とはぐれた子どもは3万5000人」と推計。同政府は、16歳以下の子どもが親の引率なしにアチェの外に出ることを禁止するとの通達を出した。
(2005/1/8/01:45 読売新聞 無断転載歓迎)

「孤児あっせん」悪質メール横行ユニセフ職員にまで送信

http://www.chunichi.co.jp/wtok3/050108T1035001.html
【記事本文】
 【バンコク=青柳知敏】スマトラ沖地震津波で両親と離れた子どもを人身売買の危険から守ろうと、国連機関と非政府組織(NGO)が連携して支援活動に乗り出している。だが、子どもの取引をあっせんする携帯メールが、国連児童基金(ユニセフ)マレーシア事務所職員にまで届いていたことが七日、分かった。同様のメールはインドネシアでも無差別に送られており、人身売買の深刻さをうかがわせている。
 クアラルンプールからの情報によると、ユニセフ職員に届いた携帯メールは、インドネシアアチェ州で両親を亡くした子どもとの養子縁組を持ち掛ける内容。「三歳から十歳までの孤児が三百人いる。希望の年齢と性別を連絡すれば、書類手続きだけで養子可能。無料」と書かれていた。同じ内容のメールは一日以降、ジャカルタなどでも多数報告されている。
 両国政府や国家警察などは悪質ないたずらとみている。だが、震源に近いアチェ州では約三万五千人の子どもが家を失うなどし、このうち、同州から疎開した子ども約四百人の所在不明を伝えるユニセフの報告があることから、被災前から暗躍していた人身取引組織の動きを警戒している。
 スリランカでは各NGOが国連機関と連携。避難所などの子どもたちをすべて登録し、親族を捜して再会を目指すほか、施設への収容などの対策を検討するとしている。親族との再会を最優先し、混乱が続く間は養子縁組は行わない方針だ。先進国側も、米移民局などが被災国の子どもとの養子縁組は認めない方針を打ち出している。
 ただ、タイやスリランカでは、家族で旅行中に孤児になったスウェーデン人、フランス人の子どもも連れ去られたとの情報があり、関係者が捜索に追われるなど、深刻さが増している。