【ねこまたぎ通信】

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イスラエル同時テロ:ガザ撤退計画が刺激

 【エルサレム樋口直樹】イスラエル南部ベルシェバで31日、2台のバスが爆破され、16人の死者を出した同時自爆テロは、シャロンイスラエル首相が和平交渉を伴わない、一方的なガザ地区からの撤退計画を推し進める中で起きた。テロから身を守るための撤退計画が、逆にパレスチナ武装勢力の闘争意欲を刺激した格好だ。

 撤退計画は、パレスチナ人の人口密集地であるガザ地区からすべてのユダヤ人入植地を撤去し、武装勢力を巨大な塀で囲まれた同地に封じ込めることを狙いとしている。

 だが、一方的な撤退をにらみパレスチナ各派は撤退後の同地での主導権を握るため、イスラエルへの攻撃を強化。シャロン首相は撤退に反対する与党内の強硬派をなだめるため、パレスチナへの報復を一層強めるようになった。

 犯行を認めたイスラム原理主義組織「ハマス」は、今年3月にもイスラエル中部アシュドッドでの自爆テロで10人を殺害。これに対しシャロン首相は、ハマスの精神的指導者ヤシン師の殺害に踏み切った。ハマスは今回の自爆テロの動機を「ヤシン師暗殺への復しゅう」と表明、報復が報復を呼ぶ悪循環に陥っている。

 今回の事件を機に、イスラエルの政権与党内からガザ撤退の見直しを求める声が強まるのは必至だが、シャロン首相に動じる様子はない。首相は、自爆犯の出身地とみられるヨルダン川西岸自治区ヘブロンを軍部隊で包囲、再び報復作戦に出る構えを取っている。

毎日新聞 2004年9月2日 2時13分

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20040902k0000m030166000c.html