旧統治評メンバーのチャラビ氏らに逮捕状…イラク当局

　【カイロ＝柳沢亨之】ＡＰ通信は８日、イラクの裁判所主任判事の話として、同国司法当局が７日に、旧統治評メンバーで有力政党「イラク国民会議」（ＩＮＣ）代表のアフマド・チャラビ氏と、同氏のおいで、旧大統領サダム・フセインらを裁く特別法廷のサレム・チャラビ長官に対する逮捕状を出した、と伝えた。

　同通信によると、アフマド氏には、フセイン政権時代の旧貨幣を偽造、新貨幣に交換した容疑がかけられている。偽造貨幣は、イラク警察が今年５月にＩＮＣ関係者の詐欺容疑で、バグダッドのアフマド氏宅を家宅捜索した際に見つかっているという。

　一方のサレム氏の容疑は、今年６月のイラク財務省幹部殺害への関与。この疑惑を最近報じた米紙ロサンゼルス・タイムズによると、同幹部はチャラビ家が保有する不動産の調査にあたっていた。

　国外滞在中の両チャラビ氏は、米ＣＮＮテレビの取材に容疑を全面否定した。

　アフマド氏は５月の家宅捜索以降、かつて米国防総省とのパイプを生かして築いた政治的影響力を急速に失っていた。

(2004/8/9/08:31　読売新聞　無断転載禁止)