【ねこまたぎ通信】

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ユダヤ人暴行:「つくり話」と自供 イスラム教徒に濡れ衣

 【パリ福島良典】パリ近郊の電車内でユダヤ人と間違えられ、中東・アフリカ系の男性6人組に襲われたと警察に届け出た女性(23)が13日、調べに対し、事件はすべて作り話だったと認めた。ぬれぎぬを着せられた形のイスラム教徒の団体は「今日のフランスに広まるイスラム教徒攻撃の風潮」に反発を強めている。

 女性から事情を聴いた検察当局は同日夕、「女性は事件はうそで、作り話だったと供述した。自らナイフの切り傷をつけ、髪の毛の房を切り取り、自分の体に(ナチス・ドイツの)カギ十字を書きつけたと述べた」との声明を発表した。

 女性は被害届を出した際、6人組が9日朝、車内で最初にカバンから金銭を奪おうとしたが、彼女の身分証明書に記載された住所からユダヤ人と誤認し、暴行に及んだと話していた。

 しかし、(1)6人組が降りたとされる駅の監視カメラにそれらしき人影が映っていなかった(2)傍観していたとされる乗客から目撃証言が寄せられなかった(3)事件前、ナイフで切り裂いた衣服を女性が着用しているところを目撃されていた−−など届け出内容と矛盾する情報が相次いで表面化。女性が過去に6件の窃盗・暴行の被害届を出していたが、いずれも事実関係が確認されていないことも明るみに出た。

 事件はフランスにおける反ユダヤ主義の高まりを象徴する犯行として内外のメディアの関心を集め、シラク仏大統領も「憎むべき行為」と非難声明を出していた。

毎日新聞 2004年7月14日 10時41分