【ねこまたぎ通信】

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 ファエズ氏に会った

田切拓さんとパレスチナから来日したファエズ氏に会いに行ってきました.

ファエズ氏を囲んで楽しくうどんすきを頂きました。^^

ファエズ氏はヨルダン川西岸北西部にあるトゥールカルムという町から来られました。現在建設中のアパルトヘイトウォールのすぐ近くに奥さんと8人の子供たちに囲まれて暮らしています。

田切さんの話では、農作物もとても豊かに実り、収穫される野菜もとても濃厚で美味しいそうです。美味いものと聞いて、よだれを流す私ですが、行ってみたい虫がざわざわと騒ぎ出しています。^^;

トゥールカルムの町は2000年以上に及ぶ古い歴史があり、素晴らしい石造建築が随所にあるということです。ファエズ氏はいわゆるパレスチナ難民というわけではなく、代々この町に暮らす農家の出身ですが、高等教育も受け、ヨーロッパの各所に渡航経験もあります。

もともと家が左派系の考え方を持つ気風らしく、学生時代にもイスラエルによって投獄された経験を持っています。私の聞き違いでなければ、彼は過去イスラエル軍に捕まって3回投獄されています。

ファエズ氏は、ボラカ(ちょっとはっきり名称を覚えていないのですが)という伝統舞踊の踊り手でもあるのですが、最近の投獄経験の中でイスラエル兵に殴打されて、膝を痛めてしまい、今はあまり踊らないそうです。

ファエズ氏は、結構シャイで寡黙な方ですが、小田切さん曰くパレスチナ人はうち解けるまで猫かぶっているけど、仲良くなるとべらべら喋りまくる、とのことです。ちょっとなれなれしいアラブ系の人たちを知っている方には、きっと意外に感じられることでしょう。^^;

食事を終えて、小田切さんのリクエストでファエズ氏が家から持ってきた水パイプで一服しよう、という話になったのですが、私は残念ながら終電間際で帰宅しなければなりませんでした。

あまり突っ込んだ話はしなかったのですが、今、現に存在しているイスラエルを追い出すとか、パレスチナ人が出て行くとかいうことはナンセンスだと語る言葉から、とても冷静に現実を見据えている人だということが分かります。

突っ込んだ話をしなかったのは、まあ、交流という場の雰囲気もあったのですが、実は講演の時に小田切さんが、「私がファエズを日本に呼んだのは、彼の実在をみなさんに感じてほしいからだ、今ここにいる彼と、おそらく数年後に隔離壁に取り囲まれてしまう彼とのギャップを感じてほしい、日本にいて知る情報から机上で考えるのではなく、実在する生の人間を感じてほしい」
というお話があったからです。

その言葉を聞いて私は感動しました。私は小田切さんの意図するところがとてもよく分かる。報道の「リアリティ」ということについて,最も重要だと私が考えるのは,「生の人間」を知るということです。

その人の生き方や暮らしのあり方を知ることがとても大切なことだと思います。そうすることで、何が起こっているのか、何がおかしいのか、より理解できると思うのです。

今の私の心の中には、ファエズ氏との出会いはこれっきりではない、という思いがあり、これを確信にしたいと願っています。

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