【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

今日の日刊ゲンダイより

1930年代ソックリという憂慮と懸念

歴史が教えるこの道の行く先

人質救出費用に税金が使われると問題にしているマスコミもあるが、役立たずの

国会議員に莫大な税金をムダ遣いさせている方が大問題だと皮肉る声も

その時代を知らない世代が国民の大部分となったこの国は、権力を弄ぶ政治家と、それに迎合するマスコミの手で再び国家主義が復活している

人質に浴びせられる「自己責任」の名による非難中傷は、戦前戦中の「非国民」という断罪と心情は通じている
 高遠菜穂子さんら解放された人質は帰国後、郷里に帰り、息を潜めるように暮らしている。韓国メディアが「まるで罪人」「村八分」と書いていたが、想像を超えるバッシングに驚き、ショックを受け、今はひたすら首をすくめているしかないのだろう。

 さすがに海外メディアがこぞって「政府やメディアの人質バッシングはおかしい」と批判していたが、「どこ吹く風」なのが小泉政権だ。きのう(21日)も福田官房長官が参院本会議で「自らの行動が社会や周りの人にどのような影響を与えるかおもんぱかることは社会人として当然。NGOの議論以前の常識だ」などと言い、執拗な人質批判を蒸し返していた。ここまでくると、この国はホント、異常だ。

 そもそもの発端は「自衛隊派兵」なのに、問題点をスリ替えたい政府は「自己責任論」を振りかざし、世論誘導。「高遠さんらの非常識」で、コトを片付けようとしている。こんな政府の思惑にマスコミが乗っかり、流されやすい国民がマンマと洗脳されている構図である。おかげで、自衛隊撤退の是非論を論ずることすら、はばかられるようなムードができあがってしまった。

「なかでも、先週外国特派員協会で開かれた人質家族の記者会見は異様で欧米の記者は驚いていた。3日前まで家族を助けたい一心で自衛隊撤退を訴えていた家族が突然、貝になったのです。『小泉政権の対応に満足しているか』の質問には『申し上げられません』。『日本政府から批判するなと言われたのか』との質問にも『申し上げられません』。イラだった記者が『今でも自衛隊の撤退を求めるか』と聞いても『申し上げられません』と繰り返すだけで、箝口令が敷かれたかのようでした」(外国特派員)

 なんだか、北朝鮮みたいではないか。揚げ句は「救出費用は人質たちに負担させろ」という議論がどんどんエスカレートしていて、政府筋のリークなのか、救出費用は30億円だとか週刊誌などは騒いでいる。税金の無駄遣いを言うなら、まず断罪されるべきは国会議員なのに、日本のマスコミはトチ狂っているというしかない。

◆ 人質を「非国民」扱いする世相は極めて危険 ◆

 この異様な光景に戦前を知っている人たちは「見過ごせない」と言っている。お上に逆らって「自衛隊撤退」を訴えた人質や家族に対する常軌を逸したバッシングは、戦前の「非国民」を連想させるのだ。朝日新聞論説委員・高成田享氏はコラムでこう書いていた。

「家族が自衛隊撤退などについて口をつぐむようになるのを見ながら、有形無形の強い圧力があったのだろうと同情した。個人の勝手な意見や振る舞いは『非国民』だとして許さず、国家が理想とする人間像を強いたのが戦争中の日本だった。3人の自己責任問題は残る。家族にも感情的な発言があったろう。だが、家族への非難を見ると、かつての日本をつい思い浮かべてしまう」