入管係官侮辱で２人目の米国人逮捕−ブラジル

　【サンパウロ６日綾村悟】ブラジルの観光名所として知られるイグアスの滝を訪問しようとした米国人旅行者が六日、ブラジルの入国係官に向けて侮蔑的行為を働いたとして逮捕、身柄を拘束された。
　逮捕されたのは、ニュージャージー州在住の男性（55）で、米国人がブラジルへの入国時に義務付けられている写真撮影の際に、ブラジル側の係官に向けて中指を立てて侮辱する仕草をしたというもの。

　ブラジルは、米国土安全保障省が、「テロ水際防止策」の一環として先月五日から全国の国際空港などで採用している、査証保持外国人に対する指紋捺印と写真撮影に対抗して、ブラジルに入国する米国人に対しても同様の措置を採用している。

　米国人によるブラジル入管でのトラブルをめぐっては、先月十四日にも、アメリカン航空の男性機長（53）がブラジル入国審査時に同様の侮蔑行為を働いて逮捕されており、同機長は罰金三万六千レアル（約百三十五万円）を支払った。官憲に対する侮辱行為は、ブラジルでは、最高二年の実刑判決が下される可能性がある。

　今回逮捕された男性は、チリを旅行ツアーで訪れていた約八十人の米国人観光団の一人。六日からブラジルの観光名所として知られるイグアスの滝などを訪れるために、チリからチャーター機で他のツアー客らと共にブラジル入りしようとしていた。

　ブラジルの裁判所は、ツアー客がブラジルを離れる八日までに、男性に対する罰金額を決めると同時に、他のツアー客らと共に旅行を続けることを認めるか、もしくは米国に送還することを決めるという。

2004/2/7 16:48