「自衛隊イラク派遣なら東京攻撃」 アルカイダ?声明か
国際テロ組織アルカイダを名乗る組織から16日、英国で発行するアラビア語の週刊誌と新聞に日本への攻撃を警告する声明が相次いで届いた。声明の一部には、イラクに自衛隊を派遣すれば、東京を攻撃すると書かれていた。アルカイダとされる声明が日本を名指しして警告するのは、10月にアラブのテレビが放送したオサマ・ビンラディン氏の音声テープに次ぐものだ。
AFP通信によると、ロンドン発行の週刊誌アルマジャラに、アルカイダの指導者でアブムハンマド・アルアブラジと名乗る人物から電子メールで送られてきた。その一部には「(日本人が)経済力を破壊し、アラー(神)の軍隊に踏みつぶされたいのであれば、イラクに(自衛隊を)送ればよい。我々の攻撃は東京の中心部に達しよう」との文面があるという。
さらに、12日に起きたイラク南部ナーシリヤに駐留するイタリア警察軍を標的にした爆弾テロも自分たちの組織によるものだと主張している。
この人物は今月発生したサウジアラビアの首都リヤドでの連続自爆テロの際も、同誌に今回と同様、電子メールで犯行声明を寄せている。
また、ロンドン発行のアルクッズアルアラビ紙にもアルカイダ傘下の「アブハフズ・アルマスリ軍団」と称する組織から電子メールが届き、日本とともに英国やイタリア、オーストラリアの名を列挙して、「犯罪者ブッシュ(米大統領)の追従者」と非難。そのうえで最近起きた一連の爆弾テロの犯行を認め、「(テロは)バグダッドやリヤド、イスタンブールにとどまらない」として、日本もテロの標的にするとしている。
この組織は、8月のバグダッドの国連現地本部や、10月のバグダッドホテルへの爆弾テロの後にも犯行声明を出した。アフガニスタンで米軍の攻撃を受け死亡したアルカイダのメンバーの名前を組織名としており、実在する可能性が高い組織とされている。
アルマジャラとアルクッズアルアラビはともにサウジアラビア資本のメディアだが、言論統制の厳しいアラブを離れて英国で発行されているためアラブ各国を痛烈に批判することもあり、知識層を中心に支持を得ている。アラブ圏に広く読者を抱え、イスラム系組織もたびたび声明文などを寄せる。
(11/17 11:35)
●やんや,やんや