【ねこまたぎ通信】

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仏が制裁停止を安保理に提案 対米関係で姿勢転換

 【ニューヨーク上村幸治】フランスのドラサブリエール国連大使は22日、イラクに対する国連制裁をただちに停止するよう安保理に提案した。イラクへの制裁解除を求める米国に大きくすり寄るもので、米国との協調姿勢に転じることを具体的な形で示したことになった。ロシアも妥協的な姿勢を示し始めており、両国が安保理で改めて米国と正面衝突する可能性は小さくなった。イラクの戦後復興問題は、なし崩し的に米国中心で進む公算が大きくなってきた。

 同大使はイラク問題を話し合う国連安保理非公式協議に出席した後、記者団に「制裁即時停止」案を表明した。停止期限は数カ月とし、これを更新していくことも考えているという。

 大使は同時に、国連の制裁を前提とする対イラク人道計画「石油・食料交換計画」を調整し、しばらく続けた後に段階的に解消していくという考えも示した。大使は「安保理イラク問題をめぐる新しい現実を踏まえ、現実的な対応策を決めるべきだ」とも述べた。

 ネグロポンテ国連大使は同日、仏大使の提案について「対イラク制裁は停止でなく解除すべきだ」と述べるとともに「フランスと一緒に作業が出来ることを楽しみにしている」と述べた。

 ロシアのラブロフ国連大使も「安保理決議を履行することが大事だが、フランスの提案を話し合う用意もある」と妥協的な姿勢を示した。

 国連安保理イラクによるクウェート侵攻(90年)を受けて、イラクへの経済制裁を決めた。安保理決議では、イラク大量破壊兵器の廃棄が確認された時、制裁を停止できることになっている。仏提案は、この決議を反古にしてしまう可能性がある。

 非公式協議には、イラク大量破壊兵器の査察を行ってきたブリクス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長も出席した。ブリクス委員長は「安保理の承認を得られるなら、イラクに戻って査察を再開したい」という意向を伝えたが、米国は相手にする姿勢を示さなかった。

 ドイツのプロイガー国連大使は、米国と査察団の間で「作業の調整を図るべきだ」と話し、国連査察団だけの作業にこだわらない姿勢を示した。これにより、査察を決めた安保理決議も、事実上、反古にされる可能性が出てきた。

毎日新聞4月23日] ( 2003-04-23-10:16 )