【ねこまたぎ通信】

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豪ANZ銀、軍人銀に資本参加検討

オーストラリアの銀行大手、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は9日、大規模増資を計画しているタイ軍人銀行(TMB)から出資要請を受け、株式10〜20%を取得する方向で交渉していることを明らかにした。資本参加はANZが進めているアジア太平洋地域での事業拡大策の一環。軍人銀は外資導入により、他行より遅れていた不良債権処理などを加速させ、経営再建を図る。ANZは豪州、ニュージーランドの業務を中心に展開してきたが、資金の5〜10%をアジア太平洋地域に投資する計画を打ち出し、これまでにインドネシアではパニン銀行に資本参加(持ち株比率30%)している。軍人銀への出資では今のところ、取得株式数、購入価格とも未定だが、双方とも前向きに交渉に臨んでいるもようだ。
9日付ビジネスデーによると、ANZは70億バーツで軍人銀の株式20%を取得する計画。また、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)も110億バーツで30%の出資を行うもようだ。

不良債権処理が遅れる軍人銀の増資については疑問視する声が上がっていたが、ANZとIFCの出資が決まれば、財務基盤が強化されることになる。同行株は8日の取引で額面の10バーツを下回る3.82バーツで引けたが、外資の資本参加のニュースが伝わった9日は、前日比7.3%急騰して4.1バーツで引けた。

ANZは1835年に英国で創立。1977年に本店所在地を英国から豪州・メルボルンに移転。85年から海外支店設置を始め、これまで東京、大阪、ベトナムハノイ、マニラ、北京に支店を開設している。米領サモアキリバスなどオセアニアでも現地銀行を買収している。

■軍人銀、大規模増資

軍人銀は資産規模で銀行14行中6位の中堅行。経済危機で多額の不良債権を抱え破たんの危機に陥り、政府の資金注入を受けたが、経営再建は遅れている。

他行が業績を向上させるなか、2002年期末決算で赤字に転落、再度、資金注入の必要が出てきたため今月1日、6〜7月に新株60億株(額面10バーツ)を発行、資本金を2.5倍の1,000億バーツに増やす計画を発表している。

昨年期末決算は、最終損益が前年の6億5,500万バーツの黒字から1億6,000万バーツの赤字に転落した。昨年末時点の不良債権(3カ月延滞基準)は431億バーツ、比率は14%。

同行の持ち株比率は財務省49.8%、国軍13%、タクシン首相の長男パントンテーン氏が3.75%など。

■相次いだ外資買収

タイでは97年の通貨危機で銀行全行が経営難に陥った。政府が銀行救済のため外資出資比率規制を大幅に緩和したことを受け、アジア銀行(BOA)とタイタヌ銀行が外資に身売りした。BOAはオランダのABNアムロ、タイタヌ銀行はシンガポールのDBSに過半数以上の株式を売却、傘下企業となった。

また、ナコントン銀行やレムトン銀行は一時国有化された後、外資に売却された。一時国有化されているサイアム・シティ銀行(SCIB)にも、HSBCや米シティバンクが触手を伸ばしていた。(NNA)