【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

イラク戦争 援助物資にも感謝の声なく

「サダム万歳、命をかけて守るぞ」――。イラク南部クウェート国境の町サフワン郊外。開戦以来初めて外国援助物資が届けられた。出迎えたのは、解放の喜びや支援への感謝をあらわす声ではなく、戦争を非難し、サダム・フセイン大統領をたたえる群衆の叫びだった。【サフワンで大木俊治】

 外国報道陣は、クウェート赤新月社イスラム世界の赤十字に相当する援助団体)の支援物資搬入に同行し、国境の非武装地帯を通って26日夕、陸路でイラク領に入った。クウェートの車両がイラク入りするのは、91年の湾岸戦争後に国境が閉鎖されて以来初めて。

 サフワン郊外の砂漠の中にある幹線道路沿いの広場。報道陣に向かって約300人の若者らが、「サダム、サダム」と叫びながら飛び跳ねる。「戦争反対」「米国なんか怖くない」。質問には答えず、一方的にまくしたてる。

 やがて援助物資を積んだ大型トラック3台が到着。後部扉があくと若者らは叫ぶのをやめ、一斉にトラックに群がった。次々に自ら荷台に乗り込み、段ボール詰めの物資を勝手に下ろし、分配し始めた。赤新月社の職員もなすすべがなく、遠巻きに様子を見守るだけだ。

 箱の中身は、ペットボトル入りの水、パン、チーズ、パック入りジュースなど。1人で4箱、5箱と持ち出して積み上げている若者もいる。記者にたばこをせがんだり、大声で威嚇する者もいる。

毎日