イラクの抵抗激化、米英がゲリラ戦直面

　【アッサイリヤ米軍基地（カタール）＝加藤賢治】当地の米中央軍司令部は２３日、イラク戦争を遂行している米海兵隊員が南部ナシリヤで襲撃され、約１０人が死亡したことを明らかにしたが、１回の戦闘行為での米英軍の犠牲者としてはこれまでで最大のものとなった。兵力、装備で劣るイラク軍はゲリラ戦により抵抗を試みている模様で、今後、米英地上軍がバグダッド近郊に迫るにつれ、軍事行動に困難を来すことも予想される。

　アビゼイド米中央軍副司令官によると、要衝ナシリヤで２３日起こった戦闘は、主にイラク軍による待ち伏せ攻撃によるもので、イラク兵が投降の旗を掲げた直後に砲火攻撃したり、平服姿の人間が米兵を歓迎すると見せかけ、攻撃を仕掛けてきた、と説明した。また、機関銃を搭載した軽トラックで米英軍の隊列の側面を突く奇襲攻撃も行っているようだ。

　こうしたイラク側の抵抗について、同副司令官は「イラク正規軍と非正規軍による攻撃と思われる」とし、イラク軍が平服を着用し、民間人を装っているケースもあることを明らかにした。

　同副司令官は、２３日のイラク側の抵抗について、「今までで最も激しかったが、（戦争の）結末は明白だ」と語り、今後の米英軍のバグダッド進攻に影響を与えるものではないと強調したが、米英地上軍は今後イラク側のゲリラ戦術に厳しい対応を迫られることになろう。

(2003/3/24/12:42　読売新聞　無断転載禁止)

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