もっともだ
これ以上詭弁を弄するな
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070607.html#no_1
「例えば沖縄が隣国から爆撃された(場合)。どことは言わないが、沖縄の米軍基地から攻撃するというときにはあり得るのではないか」
参院外交防衛委員会で、日米安全保障条約の合意事項である「事前協議制度」について質問した大田昌秀議員に対する麻生太郎外相の答弁だ。
実に想像力に欠けた不謹慎極まりない発言と言うしかない。
「沖縄が仮に侵略されたというのならばあり得るのではないか」という表現を、外相の口の軽さ、単なる言葉遊びと受け止めるわけにはいかない。
なぜならば、言論の府と呼ばれる国会の答弁に立つべき人の資質にかかわる問題と思わざるを得ないからだ。
そもそも、在沖米軍がイラク戦争に出撃したことを、なぜ「派遣された」と言うのだろう。これには、沖縄の基地から武器弾薬、兵士を送り込み死者も出している米軍自体が戸惑っているのではないか。「なぜ、日本政府は訳の分からぬことを言うのか」と。
条約上、本来やらなければならない「事前協議」をやらないで済むようにしたのは日本政府ではないか。このことは、既に米国の公文書で明らかになっている。
これ以上、詭弁を弄するのは止めてもらいたい。認めるべきものを認めないから、答弁もつじつまが合わなくなる。国民、県民を欺き通すことができないことを、なぜ政府は認識できないのだろうか。疑問と言うしかない。
さらにあきれるのは、将来的に嘉手納基地への駐留が取りざたされ、より以上の騒音被害が予想される最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターを「確かにいい戦闘機だなというのは分かりました」と述べた久間章生防衛相である。
自衛隊の主力戦闘機F15の代替機にする案があるからであろうが、これこそ想像力に欠ける答弁と言っていい。
防衛相は、基地からの騒音、爆音被害に脅かされ、未明の離陸に安眠を妨げられている周辺住民の怒りが想像できないのだろうか。これでは、いくら基地被害を訴えても暖簾に腕押しだということがよく分かる。
「言葉をあげつらう」のは、もちろんいいことではない。だが、今回の両大臣の発言は無視できるものでないのは明白だろう。
政治の要諦は「言葉」にあるのに、その政治家の発言がただ軽いだけでなく、哲学も感じられず思いやりに欠けるのでは何をか言わんやだ。
言葉の裏には本音が隠されているのであり、そのことは厳しく検証されてしかるべきだ。