世界汚職ランキング
いつもくだらねーと思いつつ気になるランキングです.
人の目って気になるんですよね.
ちなみに汚職・腐敗が及ぼす影響力の大きさは評価されているのでしょうか?
ちゅーのは,確かに先進国は清潔度が高いわけですが,その中で汚職が及ぼす国際社会への影響はとても大きいのではないでしょうかね.また,貧困国の政治や経済とも密接につながっている場合もあるし.
ま,貧困国の政治家・官僚の腐敗はホントどうしようもないですけど.
●Transparency International - The Global Anti-Corruption Coalition
●トランスペアレンシー・ジャパン2006年腐敗認識指数は貧困と腐敗の因果関係を明らかにした 規制強化にもかかわらず、腐敗活動は依然活発な状況
http://www.ti-j.org/corrupt/06/CPI2006Japan.pdf
2006年11月6日、ベルリン発 ― 本日、トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)が公表した2006年腐敗認識指数(CPI)によれば、最貧困諸国が最下位にランクされ、貧困と腐敗の間に強い因果関係があることが明らかになった。
「腐敗は何百万もの人々を貧困に陥れている。この十年で腐敗防止の法規制強化に前進があったが、世界の極貧層の人々の生活は著しい改善を示していない。やるべき課題はまだ多い」と、トランスペアレンシー・インターナショナル会長、ユゲット・ラベルは述べている。
2006年腐敗認識指数は、さまざまな専門家に対するアンケート調査を総合した指数である。これは、全世界163ヶ国の公的部門の腐敗度に関する調査を集計した、現在、世界で最も広範囲に行われる調査指数である。各国を10点満点で採点し、0点は腐敗度が最も高く、10点は最も低い。
この指数は、貧困と腐敗の間に強い因果関係があることを示した。調査対象国のほぼ4分の3が5点以下の点しか取れていない。そこには全ての低所得国およびアフリカ諸国(2カ国を除く)が含まれており、これらの諸国では腐敗が深刻なレベルである。ほぼ半数の71ヶ国が3点以下で、腐敗が蔓延していることを物語っている。最下位はハイチの1.8 点で、最下位から2 番目をギニア、イラク、ミャンマーが分け合って1.9 点。一方、トップはフィンランド、アイスランド、ニュージーランドの9.6 点である。
腐敗度が顕著に悪化した国は、ブラジル、キューバ、イスラエル、ヨルダン、ラオス、セイシェル、トリニダード・トバゴ、チュニジア、米国である。一方、顕著な改善を示した国は、アルジェリア、チェコ、インド、日本、ラトビア、レバノン、モーリシャス、パラグアイ、スロベニア、トルコ、トルクメニスタンおよびウルグアイである。
いわゆる「破綻国家」は、明らかにランキングの最下位群に位置している。イラクは、戦前のデータを今回の調査結果に反映させていないが、最下位から2番目に落ち込んだ。「国連食糧交換プログラム」中に活動を開始した仲介業者達が、相変わらず腐敗の中心である。このプログラムとの関連で、多くの場合これらの仲介業者を通じてサダム・フセイン体制にキックバックやその他の不正支払いを行った企業は2,392 にのぼるとヴォルカー委員会は報告している。
先進工業国の点数は比較的高いが、先進国でも大きな腐敗スキャンダルが発覚している。発展途上国に比べれば、腐敗が貧困や経済成長に与える影響は小さい。しかし、これらのスキャンダルを見れば、とても自己満足などしている場合ではない。
腐敗の仕掛け人
CPI指数の良くない国々を見ると、腐敗の仕掛け人なるものが存在し、政治指導者が国家資産の略奪などで不正に収益を得たり、その資金を洗浄したり保管するのを手助けしていることがわかる。これらの仲介業者は、多くは先進国で訓練されたか、または活動をしている人たちで、自発的に腐敗を助長しているのだ。つまり、腐敗者たちは、不正な所得獲得、資金移動、保管を喜んで手助けする銀行家・会計士・弁護士などの専門職がいることを知っているのである。
ケニヤで発生したアングロ・リーシング関連のスキャンダル*1は、その一例である。ケニヤの反腐敗活動家ジョン・ギソンゴによれば、シェル社を使ったり、ヨーロッパやオフショアにある銀行口座を使ったりした詐欺まがいの契約で公金横領が行われたのである。また、TI ケニヤが作成したケニヤ贈賄指数によれば、国民の半数以上が一日2 ドル以下で生活しているにもかかわらず、この国では年間10 億ドル近くの金が賄賂に使われている*2。
贈収賄には、贈賄者(供給側)と収賄者(需要側)がいる。TI は、OECD 外国公務員贈賄防止条約により外国公務員への贈賄を犯罪化するなど、供給側を抑制するための強力な手段を提唱しているし、また、需要側でも公務員の資産公開や行動規範の採用などを推進している。
だが、腐敗取引を可能にしているのは、多くの分野の専門職である。邪悪な腐敗の仕掛け人が贈賄者と収賄者を結びつけ、お互いが裏切らないで利益を分かち合う雰囲気を作り出している。法的拘束力のある契約書を作り、腐敗取引に合法的な装いを凝らし、発覚した場合には非難がスケープゴートに向くような仕掛けを作っている。
「弁護士・会計士の事務所・協会や銀行は特に責任が重く、腐敗防止のために一層強い行動を取らなければならない。検察官や会計検査官、コンプライアンス・オフィサーが先頭に立って指導すれば、彼らも腐敗撲滅の戦いに打ち勝つ勇者たちになれるのだ」とトランスペアレンシー・インターナショナルのチーフ・エグゼクティブ、デービッド・ナスバウムは述べている。
トランスペアレンシー・インターナショナルは、次のことを推奨する:世界汚職ランキング(数字は腐敗認識指数,大きいほど清潔)
http://www.ti-j.org/corrupt/06/CPI2006TableSourcesEnglish281006.pdf
- Finland 9.6
- Iceland 9.6
- New Zealand 9.6
- Denmark 9.5
- Singapore 9.4
- Sweden 9.2
- Switzerland 9.1
- Norway 8.8
- Australia 8.7
- Netherlands 8.7
- Austria 8.6
- Luxembourg 8.6
- United Kingdom 8.6
- Canada 8.5
- Hong Kong 8.3
- Germany 8.0
- Japan 7.6
- France 7.4
- Ireland 7.4
- Belgium 7.3
- Chile 7.3
- USA 7.3
- Spain 6.8
- Barbados 6.7
- Estonia 6.7
- Macao 6.6
- Portugal 6.6
- Malta 6.4
- Slovenia 6.4
- Uruguay 6.4
- United Arab Emirates 6.2
- Bhutan 6.0
- Qatar 6.0
- Israel 5.9
- Taiwan 5.9
- Bahrain 5.7
- Botswana 5.6
- Cyprus 5.6
- Oman 5.4
- Jordan 5.3
- Hungary 5.2
- Mauritius 5.1
- South Korea 5.1
- Malaysia 5.0
- Italy 4.9
- Czech Republic 4.8
- Kuwait 4.8
- Lithuania 4.8
- Latvia 4.7
- Slovakia 4.7
- South Africa 4.6
- Tunisia 4.6
- Dominica 4.5
- Greece 4.4
- Costa Rica 4.1
- Namibia 4.1
- Bulgaria 4.0
- El Salvador 4.0
- Colombia 3.9
- Turkey 3.8
- Jamaica 3.7
- Poland 3.7
- Lebanon 3.6
- Seychelles 3.6
- Thailand 3.6
- Belize 3.5
- Cuba 3.5
- Grenada 3.5
- Croatia 3.4
- Brazil 3.3
- China 3.3
- Egypt 3.3
- Ghana 3.3
- India 3.3
- Mexico 3.3
- Peru 3.3
- Saudi Arabia 3.3
- Senegal 3.3
- Burkina Faso 3.2
- Lesotho 3.2
- Moldova 3.2
- Morocco 3.2
- Trinidad and Tobago 3.2
- Algeria 3.1
- Madagascar 3.1
- Mauritania 3.1
- Panama 3.1
- Romania 3.1
- Sri Lanka 3.1
- Gabon 3.0
- Serbia 3.0
- Suriname 3.0
- Argentina 2.9
- Armenia 2.9
- Bosnia and Herzegovina 2.9
- Eritrea 2.9
- Syria 2.9
- Tanzania 2.9
- Dominican Republic 2.8
- Georgia 2.8
- Mali 2.8
- Mongolia 2.8
- Mozambique 2.8
- Ukraine 2.8
- Bolivia 2.7
- Iran 2.7
- Libya 2.7
- Macedonia 2.7
- Malawi 2.7
- Uganda 2.7
- Albania 2.6
- Guatemala 2.6
- Kazakhstan 2.6
- Laos 2.6
- Nicaragua 2.6
- Paraguay 2.6
- Timor-Leste 2.6
- Vietnam 2.6
- Yemen 2.6
- Zambia 2.6
- Benin 2.5
- Gambia 2.5
- Guyana 2.5
- Honduras 2.5
- Nepal 2.5
- Philippines 2.5
- Russia 2.5
- Rwanda 2.5
- Swaziland 2.5
- Azerbaijan 2.4
- Burundi 2.4
- Central African Republic 2.4
- Ethiopia 2.4
- Indonesia 2.4
- Papua New Guinea 2.4
- Togo 2.4
- Zimbabwe 2.4
- Cameroon 2.3
- Ecuador 2.3
- Niger 2.3
- Venezuela 2.3
- Angola 2.2
- Congo, Republic 2.2
- Kenya 2.2
- Kyrgyzstan 2.2
- Nigeria 2.2
- Pakistan 2.2
- Sierra Leone 2.2
- Tajikistan 2.2
- Turkmenistan 2.2
- Belarus 2.1
- Cambodia 2.1
- Côte d´Ivoire 2.1
- Equatorial Guinea 2.1
- Uzbekistan 2.1
- Bangladesh 2.0
- Chad 2.0
- Congo, Democratic Republic 2.0
- Sudan 2.0
- Guinea 1.9
- Iraq 1.9
- Myanmar 1.9
- Haiti 1.8
*1:「財産申告」を義務付けられるケニアの役人たち(09/21)
http://www.janjan.jp/world/0509/0509273026/1.php
ケニア政府は、汚職と闘う意思を表明するため、財産を申告しなかった65人の議員と閣僚を法律の定めるところにより告発すると発表。財産申告は(過去に汚職問題で批判を受けた)ムワイ・キバキ大統領が透明性と説明責任を奨励するために進めているものである。
2003年、ケニア政府は財産申告の要件を「公務員倫理法」と呼ばれる法令に組み入れた。この法令では、すべての役人(家族も含めて)に対して、自らの収入、資産、負債を申告することを求めている。公務員による財産申告を義務化することは、汚職による財産の取得を見抜くための手段であると考えられている。
しかし、人権擁護活動家や汚職撲滅活動家は、この法令では不十分であると指摘する。というのも、同法は、財産申告後もその情報を機密にしておくよう定めているためである。ナイロビに拠点を置く汚職撲滅組織「名指しして汚職をなくそう運動(the Name and Shame Corruption Networks Campaign)」のJ. ビルンディ氏は「情報が機密にされているあいだ、国民はどのようにして役人の責任の所在を明らかにできるのか」とIPSの取材に応じて語った。財産申告の公開義務化のための法律改正に向けて、ケニア政府への圧力は強まるばかりである。キライトゥ・ムルンギ法務・憲法問題相によれば、今後、監視機関の役割を高めるために情報をメディアと共有できるよう、法令の改正が行われる予定である。
2004年にメディアにより暴露されたアングロ・リーシング社(Anglo-Leasing)のスキャンダルにより、ケニア政府は、役人が機密情報をジャーナリストに公開することを禁止する命令を打ち出すことを余儀なくされた。東アフリカ最大の詐欺事件とされるアングロ・リーシング社のこのスキャンダルでは、財務省と運輸省が関わっているとされたが、彼らは関与を否定。結局、政府は4人の秘書官の解雇を命令し、ケニアの汚職撲滅委員会に調査を依頼した。
人権擁護活動家は、汚職根絶を目指す政府の対応は、このアングロ・リーシング社のスキャンダルへの対処の仕方により評価されるだろうとしている。「人権に関するケニア国家委員会」の委員長M. キアイ氏は「これは4人の秘書官の解雇の問題だけではない。アフリカ全体の場合と同じく、ケニアにおける汚職事件の論理からすれば、確かな政治的後ろ盾があれば必ずスキャンダルは生まれるということだ」とIPSの取材に応じて語った。
過去の大汚職スキャンダルによる悪いイメージを払拭するため、「財産申告」を全役人に課したケニア政府の取り組みを報告する。