つくる会賛同者
ウェブからなくなっているようなので.
どうして消しちゃったのか知りませんが,消されちゃうと気になるもんです.^^;
一度世間に出しちゃったものは,消しようがないんですが.(笑)
●新しい歴史教科書をつくる会
●http://www.tsukurukai.com/02_about_us/06_support.html
あ 相川 賢太郎 三菱重工業会長
愛知 和男 関西大学客員教授
阿川 佐和子 エッセイスト
阿川 弘之 作家
秋本 協徳 (宗)新生佛教教団代表役員
秋山 昌廣 シップ・アンド・オーシャン財団会長
朝倉 龍夫 日本合成ゴム(株)取締役会長
浅野 勝昭 東京映像製作(株)代表取締役社長
阿曽村 邦昭 麗澤大学客員教授
天池 清次 同盟元会長
阿羅 健一 南京事件研究家
荒木 和博 拓殖大学海外事情研究所助教授い 池田 彰孝 SMK(株)会長
井沢 元彦 作家
石井 公一郎 ブリジストンサイクル(株)元社長
石垣 貴千代 東洋大学元教授
石川 迪夫 北海道大学元教授
石川 六郎 鹿島建設(株)名誉会長
石坂 泰彦 (株)松屋元会長
石堂 淑朗 脚本家
石原 慎太郎 作家
井尻 千男 評論家
泉 三郎 作家
市田 ひろみ 服飾評論家
伊地知 重威 (株)あさひ銀行元相談役
市村 眞一 京都大学名誉教授
伊藤 憲一 青山学院大学国際政治経済学部教授
伊藤 隆 東京大学名誉教授
伊藤 哲夫 日本政策研究センター所長
稲尾 和久 野球解説者
稲垣 武 ジャーナリスト
稲垣 直 医師・(財)日本国防協会評議員
稲山 霊芳 念法眞教燈主
伊原 吉之助 帝塚山大学名誉教授
井原 甲二 月刊『MOKU』主幹
今井 圓明 中山寺宝蔵院住職
今井 通子 医師・登山家
伊豫田 敏雄 青山監査法人会長
伊従 正敏 日野自動車販売(株)相談役
入江 隆則 文芸評論家
入江 通雅 青山学院大学名誉教授
印南 一路 慶應義塾大学総合政策学部教授
う 上杉 千年 歴史教科書研究家
上田 篤 建築学者
上野 公夫 中外製薬(株)名誉会長
宇佐美 忠信 (財)富士社会教育センター理事長
内田 智 弁護士
内村 剛介 上智大学元教授
宇野 精一 東京大学名誉教授
梅澤 昇平 (学)尚美学園大学教授
漆 邦臣 品川女子学院理事長・校長
え 叡南 覚範 建立院住職
遠藤 浩一 評論家
遠藤 太嘉志 日本グレースボール協会理事長
淡河 義正 大成建設(株)相談役
お 大澤 自聚 西山興隆寺名誉院家
大島 陽一 (株)東銀リサーチインターナショナル社長
大角 光徹 嚴王院住職
太田 芳雄 銀座アスター食品(株)社長
大月 隆寛 民俗学者
大原 康男 国学院大学教授
大宅 映子 評論家
岡崎 久彦 外交評論家
岡田 英弘 東京外国語大学名誉教授
緒方 一夫 大阪台湾同郷会副会長
緒方 嘉隆 医師
岡本 和也 東京三菱銀行専務取締役
小川 義男 狭山ヶ丘高等学校校長
小串 和夫 熱田神宮宮司
奥宮 正武 PHP研究所研究顧問
桶谷 秀昭 文芸評論家 東洋大学教授
尾崎 護 国民金融公庫元総裁
小山内 高行 外交評論家
小田 晋 国際医療福祉大学教授
小田 全宏 日本政策フォーラム代表
小田村 四郎 拓殖大学元総長
小野澤 知之 ひかる企画顧問
小野田 寛郎 (財)小野田自然塾理事長
小山 和伸 神奈川大学教授
か 喜悦 克 嘉悦学園常務理事
加地 伸行 同志社大学フェロー・大阪大学名誉教授
粕谷 哲夫 商業コンサルタント
加瀬 英明 外交評論家
片岡 鉄哉 スタンフォード大学フーバー研究所元上級研究員
勝岡 寛次 明星大学戦後教育史研究センター専任研究員
勝田 吉太郎 京都大学名誉教授
加藤 淳平 常盤大学国際学部教授
加藤 隆久 生田神社宮司
加藤 日出男 (財)若い根っこの会会長
加藤 寛 千葉商科大学学長
加藤 芳郎 漫画家
金杉 秀信 同盟元副会長
上條 俊昭 経済評論家
上村 和男 (社)国民文化研究会理事長
神谷 不二 東洋英和女学院大学教授
唐津 一 東海大学教授
川勝 平太 国際日本文化研究センター教授
川上 哲治 NHK野球解説者
川口 洋 学習院大学教授
川島 廣守 元日本プロ野球コミッショナー
川瀬 一雄 トッパン友の会会長
川廷 榮一 アジアテニス連盟会長
川村 茂邦 大日本インキ化学工業(株)顧問
き 北方 謙三 作家
木村 治美 エッセイスト
行徳 哲男 日本BE研究所主宰
く 日下 公人 多摩大学名誉教授
工藤 美代子 ノンフィクション作家
九里 幾久雄 浦和大学名誉教授
久保 芳和 関西学院大学名誉教授
藏原 千秋 短資協会会長
黒田 眞 (財)安全保障貿易情報センター理事長
こ 黄 文雄 評論家
河野 正三 高齢者住宅財団理事長
輿 寛次郎 日本コムシス(株)顧問
小島 直記 作家
後藤 達太 (株)西日本銀行取締役相談役
後藤 千秋 (株)大林組専務取締役
小林 海暢 真言宗泉涌寺派前管長
小林 喬 富国生命保険相互会社社長
小林 道憲 福井大学教授
小林 よしのり 漫画家
小堀 桂一郎 東京大学名誉教授
小堀 光詮 三千院門跡門主
小室 直樹 現代政治研究所政治学者
小山 常実 大月短期大学教授
さ 佐伯 彰一 文芸評論家
酒井 正晴 昭和飛行機工業(株)社長
境川 尚 (財)日本相撲協会理事・元横綱佐田の山
坂口 美代子 坂口電熱(株)代表取締役
坂野 常隆 清水建設(株)取締役相談役
櫻井 修 住友信託銀行(株)特別顧問
佐瀬 昌盛 拓殖大学海外事情研究所所長
佐々 淳行 内閣安全保障室元室長
佐藤 愛子 作家
佐藤 和男 青山学院大学名誉教授
佐藤 勝巳 現代コリア研究所所長
里見 泰男 大成建設(株)元相談役
澤田 昭夫 東京純心女子大学教授
し 志賀 學 特許庁元長官
重枝 琢巳 同盟元書記長
篠沢 秀夫 学習院大学名誉教授
嶋崎 欽也 (株)文教堂代表取締役
島田 晴雄 慶應義塾大学経済学部教授
島田 洋一 福井県立大学教授
清水 馨八郎 千葉大学名誉教授
尚樹 啓太郎 東海大学名誉教授
白井 永二 鶴岡八幡宮名誉宮司
白井 浩司 慶應義塾大学名誉教授
す 杉原 明 日商岩井(株)顧問役
杉山 昭二 (株)トープラ取締役会長
鈴木 三郎助 味の素KK相談役名誉会長
鈴木 仙吉郎 北日本ビル管理(株)専務取締役
鈴木 久章 横浜ゴム(株)相談役
須藤 研一郎 (株)朝日工業社元取締役会長
角谷 泰 加商(株)取締役社長
せ 清家 清 建築家
関口 孝 佛所護念会教団理事
関根 廣文 (株)神戸製鋼所特別顧問
瀬島 龍三 亜細亜大学理事長・NTT顧問
た 高木 桂蔵 静岡県立大学教授
高池 勝彦 弁護士
高城 申一郎 住友不動産(株)取締役会長
高崎 一郎 (株)三越顧問
高橋 勇 大阪同盟OB友愛会顧問
高橋 元 (財)資本市場振興財団理事長
高橋 史朗 明星大学教授
高橋 季義 (株)きんでん元社長
高橋 正 千葉商科大学教授
高橋 鐵郎 川崎重工業(株)元副社長
高橋 妙斉 歓喜院住職
高森 明勅 拓殖大学客員教授
瀧藤 尊教 四天王寺元管長
瀧山 養 交通研究家
田久保 忠衛 杏林大学客員教授
建内 光儀 加茂別雷神社宮司
竹尾 治男 東芝プラント建設(株)元相談役
田下 昌明 豊岡中央病院院長
立野 有文 桜丘女子学園理事長
田中 敬 横浜銀行特別顧問
田中 恆清 神道政治連盟幹事長
田中 利道 パシフィックブレーンセンター(株)顧問
田中 英道 美術史家・東北大学大学院教授
種子島 経 BMW東京(株)元社長
ち 中堂 元 (株)北斗アカデミー代表
つ 津川 雅彦 俳優
辻 薫 (株)トクヤマ会長
辻村 明 東京大学名誉教授
出口 順得 和宗四天王寺執事長
寺島 泰三 (社)日本郷友連盟会長
土居 健朗 精神科医
遠山 一行 音楽評論家
と 富樫 信子 公認会計士
常磐 新平 作家
徳永 洋一 ビーエスシー(株)代表取締役会長
徳増 須磨夫 住友海上火災保険(株)相談役
飛山 一男 いすゞ自動車(株)顧問
苫米地 重亨 政治評論家
冨澤 繁信 住友信託銀行元常務取締役
富田 徹郎 エフシージー総研会長
友國 八郎 大阪商船三井船舶(株)相談役
豊田 有恒 作家
な 長岡 實 元大蔵事務次官
中川 弘美 花王(株)元会長
中川 八洋 筑波大学教授
中島 修三 弁護士
中島 千尋 京都大学名誉教授
中條 高徳 アサヒビール(株)名誉顧問
中西 輝政 京都大学教授
中野 玄光 浄土宗真福寺住職
中村 粲 獨協大学教授
中村 功 東日本ハウス(株)会長
中村 勝範 平成国際大学学長
名越 二荒之助 高千穂商科大学元教授
名須川 浩 日本海石油(株)取締役副社長
濤川 栄太 作家・新松下村塾塾長
に 西 鋭夫 麗澤大学教授
西尾 幹二 評論家
西岡 力 東京基督教大学教授
西田 昌男 帝人(株)取締役副社長
西部 邁 評論家・秀明大学教授
西村 勝巳 体育スポーツ政策学会会長・日本武道学会顧問
新田 均 皇学館大学教授
丹羽 春喜 大阪学院大学教授
の 野口 武利 静岡県労働者福祉協議会会長
野口 義和 大新東(株)副社長
は 芳賀 徹 東京大学名誉教授
橋口 収 広島銀行取締役相談役
長谷川 慶太郎 経済評論家
長谷川 忍 池袋ターミナルビル(株)社長
長谷川 三千子 埼玉大学教授
長谷川 霊信 念法眞教教務総長
秦 郁彦 日本大学教授
八田 誠 (社)日本交通協会副会長
林 慧兒 日橋文化発行人
林 四郎 エッセイスト
林 秀彦 作家
早矢仕 不二夫 東京同盟元会長
林 真理子 作家
原 多喜三 (財)偕行社元会長
茨木 武雄 紙パルプ経営者懇談会事務局長
原田 滋 機械産業記念事業財団顧問
ひ 東中野 修道 亜細亜大学教授
土方 武 日本たばこ産業(株)会長
平川 祐弘 福岡女学院大学教授
平野 富國 (株)藤沢小田急元代表取締役社長
廣池 幹堂 (財)モラロジー研究所理事長
廣瀬 元夫 廣瀬ビルディング(株)社長
廣瀬 靜水 人類愛善会名誉会長
ふ 深田 祐介 作家
深野 和夫 山陰合同銀行相談役
吹浦 忠正 埼玉県立大学教授
福田 繁雄 グラフィックデザイナー
福田 逸 明治大学教授
藤 光賢 天台宗宗務総長
藤井 厳喜 国際問題アナリスト
藤岡 信勝 拓殖大学教授
藤田 俊教 今熊野観音寺名誉山主
藤田 元司 NHKプロ野球解説者
船村 徹 (社)日本作曲家協会会長
古館 康生 ジャワ石油投資(株)元社長
堀江 正夫 英霊にこたえる会会長
ま 前野 徹 アジア経済人懇談会会長
牧 冬彦 (株)神戸製鋼所相談役
牧野 昇 三菱総合研究所相談役
松多 昭三 (株)損保会館取締役社長
松本 洋 (財)国際文化会館専務理事
松本 道介 中央大学文学部教授
丸山 利男 日本開発銀行元理事
丸山 秀彦 大本山国分寺宗務総長
み 三重野 康 杏林大学客員教授
三宅 久之 政治評論家
宮崎 仁 アラビア石油相談役
宮崎 正弘 評論家・作家
宮崎 義敬 神道政治連盟会長
宮田 義二 鉄鋼労連顧問
宮西 惟道 日枝神社宮司
宮野 澄 ノンフィクション作家
宮本 四郎 (財)世界経済情報サービス前理事長
む 村井 信夫 小松建設工業(株)元取締役副社長
村尾 次郎 文部省元主任教科書調査官
村田 照子 (学)村田学園理事長
村田 良平 日本財団特別顧問
も 百瀬 明治 著述業
百地 章 日本大学法学部教授
森田 禅朗 和宗四天王寺前管長
や 八木 秀次 高崎経済大学助教授
役山 明 (社)偕行会会長
安本 美典 産能大学元教授
矢田部 正巳 神社本庁総長
梁瀬 次耶 (株)ヤナセ代表取締役会長
矢野 次郎 殖産住宅相互(株)相談役
矢野 弾 矢野経済研究所副会長
矢野 俊比古 東京中小企業投資育成(株)監査役
山口 康助 東京教育懇話会代表幹事
山川 京子 「桃の会」主宰
山崎 誠三 (株)山種総合研究所取締役会長
大和 嘉章 (株)ビジネス・ブレイン太田昭和取締役副社長
山本 孝圓 天台真盛宗管長
山本 卓眞 富士通(株)名誉会長
屋山 太郎 政治評論家
よ 横溝 雅夫 明星大学経済学部元教授
吉國 一郎 内閣法制局元長官・NTT特別顧問
吉田 和男 京都大学教授
吉田 啓堂 日本仏教徒協議会理事長
吉田 學 (財)水交会会長
わ 若月 三喜雄 (株)日本総合研究所理事長
渡邉 晴朗 丸紅(株)元常任顧問
亘理 彰 元防衛事務次官・(財)日本不動産研究所会長
全賛同者 309名 平成16年11月19日現在
『つくる会』教科書攻防
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050806/mng_____tokuho__000.shtml
来春から中学校で使う教科書の採択で、地域の教育が揺れている。東京・杉並区教委をはじめ、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版を使う動きが現れて、採否についての攻防が激しくなった。「つくる会」の教科書は「日本の戦争を美化している」などと批判がある。教室で使うのにふさわしい教科書選びをめぐる問題とは。
■町田市教委では扶桑社版“落選”
五日午前、教科書を決める東京・町田市教委の会議には、傍聴希望の市民百人余りが詰めかけ、立ち見も出た。
町田市では事前に、「つくる会」教科書に共感を示した委員がいたことから、市民の間には「扶桑社版が採択されるのでは」との見方が強まった。採択に反対する立場の市民グループが見守る。
まず、「教科書展示会」を見た市民の意見が紹介される。扶桑社版の歴史教科書には「三十四件の肯定的意見、六十三件の否定的意見があった」。同じく公民は順に「二十件と五十四件だった」。いずれも否定的な意見が上回っていた。
続いて、保護者や教員らでつくる調査協議会が、扶桑社など八社の教科書への評価を説明した。扶桑社版に対しては「わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる配慮がされている。日本国民としての自覚の育成・指導に重点がおかれている」との判断を示した。その評価がほかの七社より断然高いというほどではなかった。
これを受け、五人の委員が意見を述べた。ある委員は「歴史の流れは扶桑社が、よく書けている」などと扶桑社をたびたびほめた。事務局員が投票箱を持って回り五人が投票すると、会場は一気に緊迫した。
しかし、開票結果は「大阪書籍三票、東京書籍二票です」と扶桑社版は落選。続く中学用公民教科書でも扶桑社に票を投じた委員はいなかった。
結果を見て、市民グループ「町田教育連絡会」の大島高行代表(45)は「市民の反対意見が賛成の倍もあったことが、委員の投票に影響したのではないか」と指摘した。
プロテスタントのキリスト教徒が中心となる「町田から平和と人権を考える会」のメンバー(47)は「扶桑社の教科書が採択されないということで、ほっとしていてはまずいだろう。出版社も食べてゆかねばならない。今後、心ならずも愛国心教育に迎合した教科書を作らざるを得なくなってゆくかもしれない」と、不採択の結果にも慎重だ。
前日の四日、杉並区教委は中学校の歴史教科書選びをめぐり決定を十二日に持ち越した。会場の杉並区役所には傍聴を求めて約五百人の市民が集まる中、教育委員の意見も割れ、議論が紛糾した。
「杉並の教育を考えるみんなの会」のある母親は「つくる会の教科書は、日本に都合が悪い歴史事実を伏せる点で危ない歴史観ではないか。子どもには渡せない。もし、採択されたら公立学校には通わせられなくなってしまう」と話す。■「杉並区民は無関心過ぎる」
別の区民は「杉並区は住民運動が根付いた先進地域のイメージがあるが、実は区民は無関心過ぎる。『リベラルでやり手』の印象を与える区長の下で、つくる会の教科書を支持しなかった区教育長が辞めていても、その事実に関心を持たない」と指摘した。
一方、つくる会の教科書に賛成のプラカードを持った男性は「愛国心をバランスよく教え、生徒に国際感覚を身につけさせることが大切だ」と訴えた。■大衆運動から地下的政治へ
四年前の前回と比べ、今回の「つくる会」の動きについて「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文代表は「つくる会は会員を毎年、倍加していくという方針が行き詰まった分、大衆運動より、文科省、自民党を巻き込んだ地下的な政治運動に変わった印象がある」と話す。
それを端的に示す事例が二つある。つくる会教科書の白表紙本の漏えい問題と、四月十二日付の「初等中等教育局長通知」だ。
白表紙本とは文科省検定に提出された各出版社の申請本に当たる。過去に内容が漏れて中国、韓国などから検定中に非難を受けたとして、つくる会自らの訴えで「教科書用図書検定規則実施細目」により、都道府県教委などへの事前配布が禁じられた。
しかし、実際は扶桑社が、少なくとも一都一府十七県で教育委員会関係者らに「営業狙い」とみられる事前配布をしていた事実が判明。昨年七月にはこうした漏えいが指摘され、文科省が同社に管理を指導したにもかかわらず配布が続けられた。しかも文科省のおとがめはなく検定も通った。
四月の通知については、事前に文科省の教科書担当課長らが三月初旬、つくる会支持の自民党議員の集団「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会合に出席し、内容を公表。
「選定資料について」として、学習指導要領を盾に歴史では「文化と伝統の特色」「神話・伝承」「明治維新」、公民では「北朝鮮による拉致事件」「領土問題」「国旗・国家」「家族共同体の意義」などの観点から、各教科書を比較するよう求めると明かした。
関西大の上杉聰講師(日本史)は「明らかに、つくる会教科書の採択に有利なように、文科省の指導により、評価の数量化を狙ったもの」と指摘する。
これを受け、東京都教委は「わが国の歴史に愛情を持てる内容か」「神話を扱っているか」などを採択基準にするよう、杉並区をはじめ区市教委に示している。■採択終了までつくる会は静観
神奈川県議会はことし三月、教科書採択に当たり教組が内容に口を出さないよう求める請願を採択した。前回二〇〇一年の時点から既に政府委員会の通知により、「一九九七年の採択までは存在していた通称『学校票』がなくなった。現場の教員の声は反映されない」状態にある。それが一段と強化された。こうした請願のひな形は「つくる会が準備した」(前出の俵氏)との指摘がある。
つくる会は現在、全国の採択が終わる八月末までは各教委の採択が適正に進むよう、影響を考えてコメントしないとの立場だ。■「全国584地区で1%程度か」
八月五日現在、つくる会教科書は、公立校では都立中高一貫校四校の歴史、都立ろう学校、肢体不自由養護学校などで歴史、公民の双方、栃木県大田原市も双方の採択が決まっている。
すでに全国五百八十四に分かれた採択地区のうち六、七割の採択が決着した。結果について、俵氏は言う。
「当初、つくる会は全国で10%の採択を得ると豪語していた。しかし、結果は1%行くか、行かないかだろう」