【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 謎と論議を呼ぶラムズフェルド、サダム秘密会談

 2日付のイラク・パトロールの管理人は次のように書いた。

 この秘密会談を最初に報じたのはアルクドゥス・アルアラビー(qa)とそれを丸ごと引用したシオニストの サイト、Ynetnews だ。
 qaの情報源は記事によると、イラクバース党に近いヨルダンのイラク人ということになっている。つまり情報の真偽を確認できないということだ。両者の会談が事実だとしても、件のイラク人は如何にしてその事実を掴むか、如何にバース党がこのような詳細を知るようになったのか? イラク政府の誰かが会談に同席し、ばらしたのか? 護衛の誰かがこの情報を伝えたとでも言うのか? ラムズフェルド(RF)のイラク訪問は一切秘密であった。RFも米国当局者の誰も彼がサダムの収容所を訪問したとは発表していない。
 サダムの弁護人であるハリール・ドレイミー氏が4月27日に依頼人のサダムを訪ねている。そしてそのニュースは翌日に報道され、「詳細は数日後に発表される」とされた。何故、数日後なのか? ドレイミーが先ずサダム弁護団に詳細を報告するためにヨルダンに戻るからだ。qaは1日おきにしか記事を差し替えないのだから、4月27日に書いた記事の内容は26日に掴んでいたはずだ。仮に27日に入手したにせよ、ドレイミーは弁護団に相談無しに発表することは無いから、彼から聞き出した可能性は無い。我々は唯一ドレイミーが確報を伝えることが出来る男だと言明する。RFが捕虜の大統領を訪問したのなら、後者はそのことを自己の弁護人に告げていたはずだ。

 すると、誰であるか断言できない(恐らくイラクで何かを企む筋だろう)が、qaにこの情報を吹き込んだ者がいることになる。

我々イラク・パトロールはqaの記事を無視し掲載しなかった。我々は、情報源が知られているか、情報が納得できるもの以外は掲載しない。

 だが、エジプトの週刊誌エル・オスブーのムスターファ・バクリー編集長が書いた記事のために無視するわけにはいかなくなった。バクリー氏は、サダムとRFの会談報告書を入手したという。彼は愛国者で政治姿勢も正しいのだが、このような報告書を書くには想像力がいささか旺盛である。この報告書は物議をかもし、多くのサイトが掲載した。以下に私の考えを記すので読者の意見を聞きたい。私の考えが間違っているかもしれないのだから。

1)RFが米当局に上げた報告書だとバクリーはいうが、会談の報告書というものは何処の世界でもこのような書き方はしないものだ。例えば、「RFは怒りを抑えた様子で」とか、「サダムは自負に満ちた言葉で」などという表現は劇の脚本で使われる書き方だ。

2)両者の会話は、qaの記事通りに進行している。しかしエル・オスブーでは紙面を埋めるために一部誇張と膨らましがされている。例えば「RFが感じたサダムの傲慢な態度のために」というqaの表現を、バクリーはエル・オスブーで「自負と思い上がり」と描写している。

3)バクリーは信頼すべき米国の「消息筋」が情報源でという。このことで我々はバクリー報告の信憑性に疑問を抱く。

4)会談は1時間近く続いたという。我々は捕虜の大統領が英語が得意でないことを知っているから、当然通訳が居た筈だ。通訳を介して、質問にも回答にも十分な思考を必要とする会話が1時間足らずで終わるわけが無い。実質的な話しに入る前の挨拶部分もあることだし、これだけの会談をするには最低2時間は必要だ。
http://www.iraqpatrol.com/php/index.php?showtopic=9348
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 以上のイラク・パトロール管理人の意見に対して読者から様々な興味深い意見や情報が寄せられている。時間が取れればその一部だけでも紹介したいが。
 世話人はアラブ各方面の調査をしたが、「会談はあったかもしれないが、出来すぎた話」というのが現在のところ得られた結論。
 我々は魑魅魍魎が跋扈する情報戦、心理戦、神経戦の真っ只中にいる。世話人は、名前も人物像も知らぬが、イラクパトロールの管理人は、情緒に流されず、数あるサイトの中で最も冷静沈着に情勢を分析、判断していると高く評価している。
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【参考】 アルクドゥス・アルアラビー の最初の記事
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/message/545

ラムズフェルドとサダムの秘密会談の全容が判明 (その一)
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/message/553
【以下に続く】
ラムズフェルド(以下Rと略記):イラク情勢を協議するために会いに来たよ。我々がイラク内外で接触した貴方の支持者たちは、貴方の考えを聞くように進言した。

サダム・フセイン(以下S):何が望みだ。貴方方の軍隊は、法的正当性無く高貴なイラクを占領し、政権を崩壊させ、独立、自由な主権国家を侵害し、血に染まった貴方方の文明を証言する歴史の記録に残る犯罪を犯してきたではないか。この上何が望みだ。

R(怒りを隠しつつ):過去の話は止めにしよう。明確で限定的な提案をするためにわざわざやって来たのだ。明確で限定的な返答を聞かせて欲しい。

S(嘲笑して):イラク人に謝罪し権力を返すために来たのだろう。

R:謝罪すべきことは何も無い。貴方は周辺諸国に危険な存在となり、大量破壊兵器を所有しようとした。また、自国民に独裁的に振舞ったのだ。我々がイラク人が30年以上も直面してきた危険性から解放するために彼らに手を差し伸べるのは当然ではないか?

S:貴方が歴史音痴で、貴方の大統領は貴方以上であることは知っているが、どうやら貴方方は嘘を付き続けたのでそれが真実だと思うようになったようだ。貴方が言う周辺諸国がシオニストの存在(イスラエル)を指すのなら、確かに我々は危険な要素となる。我々はパレスチナの蹂躙された我々の土地を解放する準備をしているのだから。これはイラク人だけでなくアラブ人全ての宿願だ。この土地はアラブのもので、この民はアラブの民だ。シオニストこそがこの土地を占領し貴方方と旧植民地勢力の支援の下に、世界中からやって来たのだ。もしクウェートを指すのなら、貴方方こそクウェートから撤退したのかお尋ねしたい。

R:これらの問題は安全上の問題だ。その上、我国と、クウェートや他の湾岸諸国との間には、安保協定が結ばれている。我々は、貴国の危険性から保護するために彼らの要請に基づきやって来ているのだ。

S:狼に子羊の番をさせるなんて可笑しくないか? クウェート人はアラブの民で、クウェートイラクの土地だ。よって歴史を熟読するようお奨めする。理解するのは無理だと確信しているがね。

R:その話は止めにして、貴方に提案したいことが、、、

S(話を遮って):貴方の使い物にならない商品(提案)を私の前に広げる前に、イラク大量破壊兵器を見つけたか否かを尋ねたい。

R(あわてた様子で):今のところ発見していないが、何時の日か必ず見つけ出す。核兵器を製造する意図を持っていたことを否定するのか?

S:1991年以来我々は大量破壊兵器を所有していない。国際機関の査察チームにもアナン(国連事務総長)にも、我々は正直に話したよ。そのことを貴方方は良く知っているはずだが、イラクを占領し、その合法政権を倒すためにどんな嘘っぱちの口実でもいいから探していたのだ。

R:イラク人は我々を大歓迎したのは、貴方がイラクを統治した長い年月、血塗られた貴方の政権の所業のせいだ。

S:ラムズフェルドさん、お願いだから、嘘はそれくらいにしてくれないか。貴方方は偉大なるイラクを占領するために、イラクの地に血の滝を流し込み、我々に陰謀をめぐらせ、裏切り者たちを連れて来たのだ。

R:貴方が裏切り者と呼ぶ人たちを、国民の指導者として、貴方方の統治時代には見られなかった民主的な方法と公明な選挙で選出したのはイラクの国民なのだ。
【以下略】
英訳経由の和訳の全文は 「イラク情勢ニュース」に   http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0000894 
 
アラブの声ML 齊藤力二朗
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/

参照 ●ラムズフェルドとサダムの秘密会談の全容が判明 - 【ねこまたぎ通信】

URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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2005/05/04 (水)

[飛耳長目録 today's news list]

サダム・フセインイラク売り渡しを拒否
  Saddam Hussein refuses to sell out Iraq.
  ◆サダム・フセインラムズフェルドの会談記録

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☆★サダム・フセインイラク売り渡しを拒否

  Saddam Hussein refuses to sell out Iraq.
  アルバスラ・ネット (from: the Egyptian magazine al-Usbu‘ )
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Egyptian Magazine publishes transcript of meeting in prison
between Saddam Hussein and Donald Rumsfeld.

エジプトの雑誌がサダム・フセインラムズフェルドの会談記録を公表

http://www.albasrah.net/maqalat_mukhtara/arabic/0505/sadam_lqa_020505.htm
http://www.elosboa.com/elosboa/issues/423/0401.asp

 2005年5月2日付のエジプトの雑誌『アル・オスブ』は、イラク大統領サダム・フセインと米国防長官ドナルド・ラムズフェルドの会談テキストを掲載した。会談はラムズフェルドが前回バグダッドを訪問したときのもので、彼はその期間に拘留中のイラクの指導者を訪ねた。『アル・オスボ』誌は、情報に通じた政治関係筋が会談の詳細を明かしたと報じた。

 『アル・オスボ』誌は、この会談が開かれた理由はアメリカ占領軍と同盟国および手下(訳註:現在のイラク傀儡かいらい政府)に対するイラクレジスタンスの攻撃がエスカレートしてきたためだと報じた。その情報提供者は、米軍はここ3ヶ月のあいだに死傷者1600人を出し、彼らが公式に認めているのはその一部だけだとほのめかした。

 手元にある情報では、米大統領ジョージ・Wブッシュが側近と会議を開き、そこでイラクにおけるレジスタンスの武装攻撃を停止させる方法について協議されたとされている。イラクに軍隊を派遣している同盟国および他の諸国と米国との関係が劣化し続けるのを止め、米軍兵士の生命を救うためである。アメリカ政府の指導部は、サダム・フセイン大統領がテレビに出演し、イラクレジスタンスに武装闘争の中止を求め、米占領軍によって設定された政治プロセスに参加するために政党結成を呼びかけるなら、それと引き替えに、彼を釈放してイラク国外のどこでも好きな亡命先に連れて行くことを提案するという決定に行きついた。

 ブッシュは即座にイラクに赴(おもむ)くという任務をラムズフェルドに与えた。それはイラク傀儡政府の編成を急がせ、占領されたイラクで米軍の監視下におこなわれた1月30日の選挙で選ばれたイラク人「指導者」と会談するためである。しかしそれと同時に、ラムズフェルドバグダッド西郊にあるサダム国際空港そばの米軍捕虜収容所でイラク大統領サダム・フセインと会談することになった。

 サダム・フセインラムズフェルドの会談は、伝えられるところでは、イラクの米占領軍司令官の立ち会いのもと1時間近くおこなわれた。ラムズフェルドブッシュ大統領に報告を送って、会談を継続することにした。その報告のなかには、イラク大統領との会談記録も含まれており、イラクの将来に米国がどう対処するかという概要を提案するものだった。ラムズフェルドは、レジスタンス勢力およびサダム・フセイン大統領との政治交渉を続けるために、さまざまな方法を追求する必要性を強調したと言われている。

 ラムズフェルドは報告のなかで、イラク情勢がますます危険な状況になりつつあると強調した、と『アル・オスブ』誌は報じた。ラムズフェルドは次のように述べた−−アラブ人のレジスタンスは発展しつつある組織化された軍隊のようであり、よく訓練され、武器その他の後方物資の面でも重要な支援を受けてきた。ラムズフェルドはまた、イラク国内のレジスタンス戦士の数は今では活動的な戦士が40万人に達しており、その周囲では500万以上の民衆がレジスタンスに支援を送っていると述べた。

 ラムズフェルドは次のように述べた−−ファルージャで起こったことは安全面に否定的なインパクトをもたらし、レジスタンスは米国の遂行する「テロとの戦争」の成果をみずからに有利なように利用することに成功した、と。イラクの若者は今では互いに競ってレジスタンスの隊列に加わって戦うことを志願していると彼は指摘した。

 ラムズフェルドはまた次のことを確認した−−あちこちで声明を発表する多くのレジスタンス組織の名前は、イザット・イブラヒム・アッ・ドゥーリ副議長の指導下にあるバース党が組織した戦線にほかならない、と。

 米軍に対する武力攻撃のペースはひじょうに加速されており、今では毎日200件以上の攻撃が発生し、「有志連合軍」と傀儡の「国家警備隊」に何十人もの死傷者を出しているようなので、今後、情勢はさらに困難になるという予測をラムズフェルドは表明した。

 ラムズフェルドは多くのアメリカ人とイラク人の報告書を再検討してみたが、それはイラクにおける安全面の状況悪化を明らかにしており、犠牲者と物的損失の増大ゆえに兵士の士気が低下していることを明らかにしたという。

 米軍の隊列は深刻な物的損失に直面しており、アメリカのパワーを使い果たすかのように、今では毎週平均して少なくとも30台の軍用車両が損害をこうむっている−−ラムズフェルドが述べた。

 ラムズフェルドはさらに、レジスタンスが最近、対空ロケット・ランチャーといったロケット発射装置や大砲を含む部軍の最新兵器の貯蔵庫を捕獲したばかりだと明らかにした。さらに、米軍司令部が、これらの兵器はやがて武力攻撃とレジスタンス作戦の増大となって効果を発揮するのではないか、という懸念を表明したことも明らかにされた。

 『アル・オスブ』誌の記事によると、そうして彼の報告の最後では、双方の提案を議論しやすくするために、一時的な停戦が実現できるようになるまで、ラムズフェルドサダム・フセインおよびその支持者との対話を継続するように要請したという。

 『アル・オスブ』誌は信頼できるアメリカの情報源からサダム・フセインラムズフェルドの会談記録を入手した。以下がその会談記録である。


 ◆フセイン大統領とラムズフェルド米国防長官との会談議事録


 訪問者がラムズフェルドだったことには驚いたであろうが、大統領サダムにはまったく神経質そうなそぶりはなく、ひじょうに穏やかにみえた。ラムズフェルドが口火を切った。

 ラムズフェルド  イラク情勢について話しあうために会いに来た。われわれはイラクの内外で君の支持者の一部ともコミュニケーションをもったし、彼らもわれわれに君から話を聞くようにアドバイスした。

 サダム・フセイン  それで君はなにを望んでいるのかね? 君たちの軍隊は誇り高いイラクの地を占領した。君たちはなんの法的根拠ももたない統治機構をでっちあげた。君たちは独立した自由な主権国の国家主権を攻撃した。そして君たちの血にまみれた文明を証言するものとして歴史に残る犯罪をおかした。そのうえに何をご所望なのかな?

 ラムズフェルド  (怒りを隠そうとつとめながら) 過去のことには用はない。私が来たのは、明快な特別の提案をしたいからで、君から明快な特別の回答を聞きたいのだよ。

 サダム・フセイン  (さげすんだように) てっきり謝罪に来て、権力をイラク国民に返すのかと思ったよ。

 ラムズフェルド  私が謝罪すべきことはない。君は隣国に対して脅威だったんだ。大量破壊兵器を製造しようとしていたし、国民に対して独裁をおこなった。だから30年以上もイラク国民が直面してきた危険を取り除くために、われわれが彼らに支援の手をさしのべたのは当然のことだった。

 サダム・フセイン  君が歴史を知らないことはよく知ってるし、君のところの大統領が無知そのものだというのも判っている。しかし君はあまりに長いことウソをついてきたので、君はそれを本当だと思いこんでしまったようだ。もし君のいう「隣国」というのがシオニストの政体(訳註:イスラエルのこと)を指しているのなら、それはその通りだろう。われわれはイスラエルに圧力をかけ、パレスチナの奪われた土地を解放する準備をしていた。その地はアラブ人のものであり、その住民はアラブ人であり、シオニストはその土地を占領しているだけなのだから、これはイラク人だけでなく、すべてのアラブ人の義務なのだ。彼らは君たちの支援と古い植民地大国の助けを得たおけげで、世界のいたるところからわれわれの土地にやってきたのだ。ところで、君がクウェートのことを言っているのなら、私は君に尋ねてみたいものだ。君たちこそクウェートから撤退したのかね? それともまだかな?

 ラムズフェルド  それは安全保障上の問題だ。アメリカとクウェートその他の湾岸諸国の間には、安全保障条約がある。われわれは彼らの要請にもとづいて、君の脅威から彼らを守るために来ているのだ。

 サダム・フセイン  羊の番をオオカミにまかせるのは、おかしくないかな? クウェート国民はアラブ人であり、クウェートイラクの領土だよ。もっと歴史をよく研究してもらいたいものだ。君には歴史が判らないとは思うがね。

 ラムズフェルド  この話はもう結構。提案があるのは私なんだ・・・。

 サダム・フセイン  (相手の話をさえぎって) 君がくだらない提案をする前に私から質問したいのだが、大量破壊兵器とやらは少しでも見つかったかい?

 ラムズフェルド  (まごついて) 今のところ見つかってないな。しかしわれわれは絶対にいつか見つけるさ。君は核兵器製造の意図を持っていたことを否認するのかね?

 サダム・フセイン  われわれは1991年以降、いっさい大量破壊兵器を保有してなかった。国際的な査察チームには誠実に報告したし、コフィ・アナン(訳註:国連事務総長)への書簡にも正直にそう述べた。君もその事実を知っているのに、君たちはイラクを占領し合法的な政権を転覆するためにウソの口実を捜していた。

 ラムズフェルド  イラク国民はわれわれに幸せそうに挨拶し、歓迎している。その理由は、君がイラクを統治していたときに政権がやったことが血まみれだったからさ。

 サダム・フセイン:  ミスター・ラムズフェルドに告げるが・・・ウソをつくのはいいかげんにたまえ。君こそイラクの地に滝のように血を注いだ片割れじゃないか。君たちは陰謀をたくらみ、イラクの大いなる大地を支配しようと反逆者と一緒にやってきたんだ。

 ラムズフェルド  君が反逆者と呼ぶ者たちこそ、民主的な手法と公明な選挙でイラク国民から指導者に選ばれたんだが、そのような方法は君が支配していたときにはなかっただろう。

 サダム・フセイン  君がジャラル・アッ・タリバニを筆頭に(さげすんだ笑い)反逆者の楽隊と一緒にやって来たのは判っている。偉大なイラクがタリバニとジャファリに支配されるとはおかしくないかね? どんな選挙のことを言ってるのやら。君が彼らを招集したことで判るように、国が占領されているもとで自由な選挙が可能だろうか? ラムズフェルド君、占領者は従僕とスパイだけを連れてやって来るものだと私たちは歴史から学んできたよ。それで結局、イラク国民が自由と民主主義を享受していると私に納得させたいのかね? 精神錯乱もいいところだ。

 ラムズフェルド  (怒りを抑えきれないように) 君は外界から隔絶されて、外の世界で進行していることを知らないんだ。イラク国民は君の圧政から自由になった。もし彼らが君や君の部下を街で見かけたら、君は殺されるぞ!!

 サダム・フセイン  そうだな、もしイラクでの君の所在を公表することができて、イラクレジスタンスがその所在を知ったとしたら、きっと君は生きて帰ることはできないだろう。私は君の愚かな大統領に幾つかの伝言を伝えたいのだが、残っている兵士を守るために大統領に伝えなければいけないよ。いたるところで彼らに死が忍びよっており、歴史は彼を許さないだろうとね。

 ラムズフェルド  私はだね、君の部下が扇動し遂行している「テロ」攻撃について君と交渉しにきたんだ。君の部下は最近アブグレイブ収容所に汚い攻撃を仕掛け、アメリカ兵50人以上が死傷した。さらに彼らはさまざまな理由で拘束していた者たち多数を殺したんだ。君の部下は世界中のテロリストから支援を受け、イラクにおける民主主義の実験を脅かしているんだぞ。

 サダム・フセイン  いったい何を言いたいのかね?

 ラムズフェルド  一つの提案をしているんだ。つまりは、君は釈放され、どこでも好きな国で自由な亡命生活を送る場所を選ぶことができる。ただし、テレビに出演してテロへの非難声明を発表し、君の部下たちに武力行動を止めるように命令するというのが条件だ。

 サダム・フセイン  この提案には君の大統領からの承諾を得ているのかね?

 ラムズフェルド  その通り。この提案は大統領と副大統領、国防長官、諜報機関責任者が出席した会議で承諾されたのだ。そこで君にこの提案を伝える権限を私が与えられた。

 サダム・フセイン  つまらん提案だ。

 ラムズフェルド:  (ため息をついて) 君の側近たちには政府に参加させる用意もあるぞ。

 サダム・フセイン それだけかね?

 ラムズフェルド  君の好きな国で、家族ともども安全を保障し、財政的な支援も与えられるだろう。

 サダム・フセイン  こちらの条件を聞きたいかね?

 ラムズフェルド  ぜひ、そう願いたいもんだ。

 サダム・フセイン  (尊大な優越感をふりまくように) 第1の要求は、イラクから撤退する最終期限を設けること、君たちの政府は世界にその責任を約束すること、そして撤退を即座に開始すること。

 第2。米軍の収容所に捕らえられている全イラク人およびアラブ人をただちに解放することを求めたい。君たちはイラクの誇り高い人々数万人の自由を奪っている。

 第3。1991年の湾岸戦争から今日まで、君たちがイラクに侵略した結果として、イラク国民に与えてきた物的損失に対してじゅうぶんな補償をすると約束してもらいたい。それらの損失の規模を見積もるために、私は国際機関とアラブからの支援を受け入れる。

 第4。君および君の部下がイラクの国庫と石油収入から略奪した金銭を戻すことを求める。特に犯罪的なブレマーと反逆者、背教者たちだ。

 第5。君たちが盗み出して古代工芸品マフィアに渡した文化遺産を返還すること。それは世界のあらゆる貨幣価値を上まわる財宝であり、イラクの歴史と文明を伝えるものであるからだ。君たちがいかなる文明も歴史も持たず、君の国は誕生してからわずか2〜300年しかたっていないというのは真実であるが、そんなことは君たちが盗みを働き、イラクの文明とイラクの富を憎悪する正当な理由にはならない。

 第6。もし発見したのであれば、君たちは大量破壊兵器を返還しなければならず、また君たちが命を奪った全殉教者の命をわれわれに戻し、高潔なイラク女性の汚された名誉を戻すこと。

 ラムズフェルド  それは冗談だろ?

 サダム・フセイン  違う! これは苦(にが)い現実だ・・・君も知っているだろう、ラムズフェルド君。君たちは平和なアラブの国に対して歴史上最大の犯罪をおかしたのだ。われわれは1980年代にも会談したが、その時の君の提案を覚えているかね?

 ラムズフェルド  過去のことはたくさんだ。われわれがとりくんでいるのは、君への対処であり、過去においてわれわれに敵意を抱いたことのある幾つかの国への対処なんだ。われわれは穏健なイスラム主義者とは対話を続けると決定しており、彼らが投票によって権力の座につくことに異論はない。それ以上に大事なことは、われわれがハマスイスラム聖戦機構、イラン寄りのヒズボラ、その他の世界中の原理主義組織といった「テロ」組織との対話のチャンネルを開くと決めたことなんだ。武器を捨てることと引き替えに政権に参加する可能性を研究するために、アフガニスタンタリバンとさえ接触する計画を立てている。

 サダム・フセイン  それで君たちの間違った政策については再考を始めたのかね?

 ラムズフェルド  当然のなりゆきだ。われわれはあらゆる国に民主主義を広げるために努力している。

 サダム・フセイン  君が正直者ならば神のご加護を。といっても、君の本当の狙いは判っている。君が本当に誠実であるなら、君と同盟国はイラクからの撤退を即座に開始するはずだ。そしてイスラエルを支援する姿勢を変えなければならない。しかし君の大統領は頑固で、傲慢で、真実を語ってはいない。

 ラムズフェルド  彼は君みたいな血まみれの独裁者と違って、民主的に大統領に選ばれたのだ。

 サダム・フセイン  テロは君たちの専売特許で、ウソをつくのが君の手法だ。

 ラムズフェルド この提案は君にとってまたとない好機だぞ。君が釈放されるうえに、われわれはイラク統治に関するすべてを君に相談するつもりだ。この提案を拒否すると、チャンスは無に帰すことになる。

 サダム・フセイン  私はご都合主義ではないんでね。全イラクが君たちから絞首刑にされているのに、自分の首だけを助ける道をさぐることはしない。もしロシアの提案を受け入れていたら、息子と孫は死なずにすんだだろう。私は家族と娘と孫の消息を知らない。ほんとうに自分や家族のことより偉大なイラクの未来とイラク市民のことを気にしている。
 君は以前、部下を通じて、もし大量破壊兵器をシリアに密輸したと宣言したら、その代わりに釈放するつもりだと言ってきた。その時にも提案を拒否したが、今度もまた君の提案を拒否する。

 ラムズフェルド  拒否してもらいたくないんだが。検討してみてくれないか。われわれは今、対処を再検討しているところだ。お互いの流血を止めたいんだよ。弱者の論理ではないが、強者の論理を超えたところでこの提案をしている。

 われわれの誠意の証(あかし)として、タリバニには君への処刑執行を否定する声明を出すよう頼んでおいた。全体としてイラクの政治配置にかかわるすべての地位を見直す用意があり、君と君の部下の問題も協議する用意はあるのだよ。

 サダム・フセイン  撤退する準備はできているのかね?

 ラムズフェルド:  配置転換を討議することはおそらく可能だ。わが軍は長期駐留にむけて基地を整備してきた。都市や大通りから姿を消すことはできるが、しばらくは基地にとどまるだろう。

 サダム・フセイン  その時に(今の)手下の隊列に新しい手下を加えたいというわけか。いいかね、ミスター・ラムズフェルド。君が会談している相手はイラク共和国大統領サダム・フセインだということを忘れないでもらいたいね。

 ラムズフェルド  しかし君は権力を失ったんだ。

 サダム・フセイン  私は名誉以外には何も持たないが、名誉は売り買いできなのだよ。

 ラムズフェルド  しかし人生は貴重なものだ。

 サダム・フセイン  名誉を失った人生に価値はないさ。君たちがイラクの地にやってきて名誉を奪ったが、われわれはサダム・フセインが生きていようと殉教者になろうと、自分たちの名誉を回復するだろう。

 ラムズフェルド  われわれが会談した君の支持者は、君がすべての最終意思決定者だと話した。彼らは君の出方に期待しているんじゃないのかね?

 サダム・フセイン  はっきり言っておこう。彼らはサダム・フセインには祖国と名誉を売り渡して逃げ出すことができないと判っている。

 ラムズフェルド  イラクで流された血に責任があるのは君だと歴史は書き残すだろう。

 サダム・フセイン  いや、むしろ歴史は君の犯罪を断罪するだろう。君はバグダッドの城壁で自殺することになると前にも警告したはずだ。どうぞ犠牲を払ってくれ。君に望むことは、ロンドンにいってイギリス外務省の記録を読むことだ。そしてイギリスの友人とやらは同じ過ちを繰り返しで君たちの戦列に加わっているが、彼らに反対して戦ったイラク民衆の闘争について学ぶことだね。レジスタンスは君たちが想像しているよりも手強いぞ。これまでのようにはいかないことを約束しておこう。
 

(アルバスラ・ネットから訳。英訳者:ムハンマド・アブ・ナスル)
http://www.albasrah.net/moqawama/english/0505/sadam_020505.htm

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