【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 制限速度70キロは乗り心地制限

JR福知山線脱線:急ブレーキで「せり上がり脱線」か−−車輪内側とレール摩擦

 兵庫県尼崎市久々知のJR福知山線塚口−尼崎駅間で、快速電車が脱線、線路脇のマンションに先頭車両などが衝突した事故で、電車がカーブに制限速度を約30キロも上回る速度で進入し、その直後に急ブレーキをかけたため車輪がせり上がって脱線した可能性が出てきた。遠心力が加わり車輪内側の突起「フランジ」とレールが激しく接触して摩擦が生まれるためで、「せり上がり脱線」と呼ばれている。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会のメンバーは複数の要因があった可能性を示唆しており、県警は脱線直前の運転動作についても慎重に調べを進めている。(社会面に関連記事)
 フランジは脱線防止のため、左右の車輪の内側に設けられている。専門家によると、カーブ区間でブレーキを作動すると遠心力のかかる外側の車輪のフランジとレールの側面との間で急激に摩擦が生じ、車輪がレールからせり上がることがある。
 今回の事故では、複数の乗客が「カーブ付近でブレーキがかかり大きく揺れた」などと証言。現場は右カーブで制限速度は70キロだが、5両目の列車に設置されたモニター制御装置の分析でカーブに入った時点で時速100キロ前後だったことが既に判明している。その数秒後に急ブレーキがかかっており、カーブで猛スピードのまま急ブレーキをかけたため車輪がせり上がり、カーブ外側への遠心力で列車ごと脱線した可能性があるという。
 カーブで非常ブレーキをかけると、車輪がロックされ、脱線する可能性があることがわかった。JR西日本が27日の会見で明らかにした。今回の事故との関連を調べている。
 車輪がレールからせり上がって脱線したケースでは、乗客5人が死亡、64人が重軽傷を負った00年3月の営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線脱線事故がある。
毎日新聞 2005年4月27日 東京夕刊

列車は25km/hで脱線した例もあります。
 
●ふんころがし掲示板より
http://358.teacup.com/takapapa/bbs
スピードの出し過ぎが脱線の主要因だったとします。
あくまで主要因です。
では、スピードの遵守さえしっかりしていれば、二度とこのような事故は起こらないのか、ということですね。
純粋に技術的な問題をはじめ、運営・保守・管理などのソフト面に関しても客観的なデータが現時点では乏しすぎます。
運転士が何らかの理由で気を失っていた可能性だってあるのです。
また、オーバーランが「誘因」のひとつであったとは思いますが、果たしてそのことだけが、「誘因」だったのでしょうか。

カーブ区間への進入速度は正確にどのくらいだったのか、カーブ区間の左右軌道の疲労・摩耗状況や横断勾配はどの程度だったのか、(加減速が頻繁な軌道は一定周期の波状摩耗が出来、異常振動が起こることもあります。そうすると、設定速度より遅い速度で軌道を外れる場合だって考えられます。)
軌道や車両の保守管理に問題はなかったのか、運転士の健康状態・精神状態はどうだったのか、教育の管理はもちろん、過去に問題を起こした運転士の再教育プログラムや適性の検査システムはどうなのか、過密スケジュールや高速化に対する安全管理の見直しはしたのか、R300という急カーブに脱線防止ガード*1をなぜ設置していなかったのか、検証していかなければならない問題がたくさんあります。
なのに置き石の可能性を示唆するような発言をしたことに対して、私は国交相同様に不快感を覚えます。
こういうネタにはマスコミは飛びつくでしょう。
遺族の方々をはじめとして一日も早い原因究明を求めるのは当然でしょうが、技術的にとても時間のかかることだと思います。
関係者や有識者の発言は、一人歩きすることが往々にしてありますので、もう少し慎重な発言、冷静な報道を期待したいところです。

●参考:鉄道解析ごっこ

*1:R250以下で設置するそうです