【ねこまたぎ通信】

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 ファルージャ総攻撃の実態

ファルージャ総攻撃の実態を伝えたイラクNGO国連事務総長宛報告書

 先月末実施されたイラク選挙について、ブッシュ大統領は「大成功」と評価し、今月13日の声明では「米国と有志連合の仲間は(選挙実現に果たした)我々の役割を誇ることができる」と自賛しました。ブッシュ大統領がこのような発言をすることができるのは、昨年11月7日に開始された、米軍と新イラク軍によるファルージャ総攻撃でどんなことが行われたのかを、あまりに多くの人々が知らないからなのかもしれません。
 TUPスタッフmlに参加するジャーナリストの志葉玲は、ファルージャNGO「人権・民主主義研究センター」が、国連のアナン事務総長に宛てたファルージャ総攻撃の恐るべき実態を伝える報告書を入手しました。同センターが強く主張しているように、「選挙実施のため治安を回復させる」という大義名分の下で何が行われたのか、世界中の人々が知らされるべきでしょう。

                (翻訳:住吉孝太/WPNボランティアチーム)

ファルージャでのアメリカの犯罪に関する簡易報告書 2004年11月7日から12月25日の期間

 この報告書は、上記の期間たまたまファルージャに居た人道主義組織のメンバーばかりでなく、多くの目撃者、医者の証言に基づいて、ファルージャでの米軍による重大な違反行為例のいくつかに焦点を当て、こうした犯罪が行われたことをすべて確認しています。
1.2004年11月7日、いわゆるイラク国家警備隊を連れた米軍は、軍事的手段を用いて、医者を捕獲し、靴で蹴りつけたうえ殴り倒して、ファルージャの病院をその指揮下に置いたのです。そうこうしているうちに、病院の機材を奪い、運べない器具は破壊しました。さらには、ファルージャが攻撃にさらされる中、治療を受けている病気の人たちを阻止して、病人を全員逮捕しました。ここがファルージャで利用できる唯一の病院であることを理解すべきです。

2.数日後、包囲された医療スタッフは、代わりの病院を開きましたが、米軍の戦闘機が空爆し、病人、医者、看護婦、負傷者を含めて、その粗末な病院内にいた人をすべて殺害しました。それから、いわゆる国家警備隊は米兵の手助けで、ファルージャで唯一の個人病院を破壊し、病院内の医療機器をすべて盗み出し、ファルージャで医療施設が全く機能しない状態にしたのです。

3.米軍は、家族とファルージャに留まっている、かなりの数の民間人(特に男性と若者)を拘束、逮捕しました。3,000人以上にのぼると見られる、拘留者を逮捕後、屈辱的な檻に放り込みました。明らかに人権の原則に違反しており、しかもアメリカの犯罪の証拠をすべて消し去るために、そのうちの何人かが、むりやりファルージャを清掃させられました。他方、かなりの数の人たちをアブグレイブやバスラ(ボーカ)刑務所へと移送しましたが、その二つの悪名高い捕虜収容所の非人間的な環境のため、さらに多くの人たちが死んでいったのです。

4.非武装の民間人たちを家やモスク内で逮捕後、集団殺害するのを見たと、多くの人が断言してくれます。また、たくさんの人たちが後ろ手に回された後、銃殺されました。その他の人たちは、米兵の行った犯罪行為を一掃するために、彼らの家もろとも爆破されました。

5.民間人の死傷者数は明らかではありませんが、まさしくものすごい数です。2004年12月25日と26日には、ファルージャ病院の緊急チームが、6箇所の住宅地区からだけでも700もの死体を引き上げました。ファルージャは28箇所の住宅地区からなるのですが、そうした死体の中でも504体が子供と女性で、残りは老人男性と中年の人たちで、すべてイラク人でした。イラク人の医者は、こうした死体は路上、建造物の屋根、庭、瓦礫の下で発見されたと、断言してくれました。そういった数の民間人が冷淡にも殺害され、化学薬品で焼かれているのを、その医者は確認しました。  他には、槍*で殺されている人たちもいました。槍で腿、胸、腰、そして頭部を突き刺された女性を発見しました。米軍自身、1200体以上を冷蔵所に保管していると発表しています。これは、ファルージャの全戦闘がどれほど多くの大量殺戮であったかを示唆するものです。
*原文にはspear(槍)と書いてあったが、恐らくbayonet(銃剣)のことと思われる。

6.米軍がファルージャ化学兵器を使用していた明らかな証拠があります。目撃者によると、ゴランとシュハーダの両住宅地区で米軍が化学兵器を使用していたことを確認しています。アスカリーの住宅地区では、24体が焼けて灰になっているのが発見され、その骨は焼けてまっ黒になっていたそうです。米兵が化学兵器から身を守るために設計されたマスクを着用し、その地域に来ている所を、目撃されました。しかも、死体を埋葬したボランティアの人たちは気づいたのですが、死人の中には銃撃されたとか、刺されたとか、焼かれたというのではなく、ベッドの上に横たわったまま死んでいた人もいたそうです。米軍が、ファルージャの住宅地域にクラスター爆弾を広く使用していたのは、もはや疑いありません。日々、25発以上のクラスター爆弾ファルージャに落とされました。

7.発見された死体のほとんどは民間人のもので、これらの人々が、自分の家で普通の生活を送っていたことは間違いないでしょう。彼らの家を米軍が襲撃して、死刑を宣告したのは明白です。ある男性はその二人の子供と、家族の二人の若い女性と共に頭部を撃たれて殺害されているのが発見されました。別の場所では、老人が杖を握って、椅子の上にすわっている死体も見つかりました。

8.市民の中には、家族と逃げているうちに、米軍の狙撃手が多くの老人、女性、および子供を射殺したことで、ショックを受けている人もいました。このことは、駐留軍と行動をともにしている何人かの報道記者が確認しており、ファルージャを突破する間、動くものは何でも撃つようにとの命令が出されていたそうです。

9.また死体を押しつぶすのに、米軍の戦車が使用されたことを、目撃者が確認しており、生きている負傷者や目撃者の中には、米軍の戦車が何の慈悲、思いやりもなく、負傷者達の上を走り回り轢き潰したことを認める人もいました。市内に入るのを許可された医療チームとその組織は、集中爆撃にもかかわらず、負傷者をまったく発見できなかったのを確認しました。問題は、負傷者はいったいどこへ行ってしまったかということです。答えは、もちろん、すべて殺害されたか、戦車のキャタピラに粉砕されたか、あるいは焼き殺されたのです。

10.緊急チームのたゆみない作業にもかかわらず、まだ瓦礫の下の死体をすべて引き上げたわけではなく、救助のため全都市部に手を伸ばすこともできないし、腐ってばらばらになった死体を引っぱり出すこともできません。そのため、ひどい悪臭がファルージャ郊外を越えて広がろうとしています。これは、市民が断言したように、米兵がファルージャを侵攻しながら、多数の家族を死へと追いやったことを証明しています。民間人の死体は、家屋内で、特に二つの橋の間の地域で射殺されて見つかり、年齢のまったく異なる、男性、女性、若者、老人、男女の子供たちです。その上、二体が、頭部を切断されて発見され、頭部はそれぞれの身体にくっつけてありました。市民の要求にもかかわらず、米兵は死体を片付けることを誰にも許可しませんでしたが、このことについて話すのは、重要なことです。

11.ファルージャの通りで、殉教者の死体が犬に食べられる場面は、メディアを通じて広く知れわたるようになりました。不注意にも死体を収容せず、通りと空き家内に寝かせたままにしたのは米軍で、彼らによる別の犯罪の明らかな証拠です。これは、あらゆる人権法と価値観に対する重大な違反行為の憂慮すべき証拠でもあります。この恐ろしい光景には、人間の良心を持つ人なら誰もが怒りを覚えますが、ブッシュ、ブレア、アラウィ、そして同種の吸血鬼どもの心を動かすことはありませんでした。

12.この報告書の日付までに、36以上のモスクが完全に破壊され、さらに24のモスクが一部壊されました。これにより、米軍が宗教と文明国の価値観に対してどれだけの反感を抱いているかがわかります。彼らは盲目さゆえに、ファルージャの宗教シンボルをも憎悪するのです。

13.ファルージャでの戦争犯罪を隠す米軍によるひどい企てでは、死体を埋葬するためにやって来た何人かのボランティアが断言しているのですが、ファルージャでの戦争犯罪を隠す米軍による非道な企てにより、米軍と行動をともにしている報道記者達は、数珠のように並べられた死体とか、なぜ殺害されたかについて疑問を抱かせるような場所の写真を撮らせてもらえないそうです。写真を撮ったのは、死体を大きな袋に入れた後のことだけでした。

14.ファルージャ市に降りそそいだ破壊は巨大で、途方もないものです。依然として、ファルージャ市民に対して、しつこく集団的な懲罰の姿勢を示され、実行されています。つまり、所有者が市外へと避難した住宅を、故意に破壊するのです。

15.侵攻の始まりから今まで、駐留軍は通信装置や自家用車ばかりでなく、ファルージャ内の警察署および全部署のスタッフの武装解除を行いました。これは明らかに、法と秩序を守る司法と治安部隊の役割を取り除こうとするばかりでなく、意図的に無力化して封じ込めようとしているようなものです。また、米国駐留軍が治安が維持するとの口実で、市内に留まる明らかな企みでもあるのです。

16.目撃者によると、いわゆるイラク国家警備隊は公用車を使って、住宅と商店で窃盗をはたらき、強奪していたと、断言しました。そして彼らは、バグダッド周辺およびその他の場所で強奪品を売りさばいたのですが、これも米軍とイラク当局の知る所であり、同意して行われたのです。あたかも彼らに与えられた報酬か戦利品かのようです。

17.発表されているように、米軍は、自分たちの家に何が起こったのかを確かめる市民のうち、ファルージャに戻る意思のある人たちに対して、犯罪行為を計画しています。つまり、野外でしかも非常に寒い天候の中で長時間待たせた後、脅しと拷問に加えて、長時間にわたって帰還民の両手の指の指紋採取と網膜スキャンをし、それから、住宅地域にしたがって彼らの住む場所を特定する、特殊IDカードを取得させられるのです。だから、ファルージャは住民向けの広域刑務所になっています。これが、民主主義と自由への上級ステップであり、米国が主張している人権を尊重するステップなのですね!!

18.結局、米軍の主張通りにファルージャを統制できないでいるので、市の数箇所での小競り合い、戦闘が続いた後、帰還した市民を人間の盾として使おうとしているのは、明らかなことでした。

19.米軍は、死につながる武器が市内に(許可されて)あるとか、市民は多国籍軍の身近にいると認識する必要があるとか、また武器をかつぐ人は誰でも死にさらされることになると、広告やポスターで宣伝して、配布しています。

20.米軍は、市に戻る家族にはそれぞれ500米ドルを供与すると、伝えました。同時に、イラク政府関係筋も、家を失った家族にはそれぞれ4,000ドルを補償すると、言いました。もっとも、家はそれぞれ50,000米ドル以下の価格であることはないのですが。これは、ファルージャ市民に対するひどい屈辱です。補償は侵攻国や売国奴により算定されるべきではなく、中立の当事者により実施されるべきです。しかも補償は、失ったものを以前の状態へ戻すのに十分なものであるべきです。

21.米軍自身、ファルージャでの戦闘中に1,600人(戦士)を殺害したと発表しているのですが、墓の数を数えると、300以上はありません。このことで、大量の墓が隠され、米軍により行われた犯罪の証拠を拭い去っていることがわかります。

22.ファルージャの住宅を壊滅させ、焼き払う行為が続いています。目撃者によれば、 戦闘の後、アンダルス住宅地域からの帰還者多数は、自分たちの家が無事であるのを発見しましたが、市を一旦去り、3日後戻ってみると、これらの家々が何の理由もなく、最近壊されているのに気づきました。米軍がファルージャの戦闘でその力を示し、そして市内にどう進行したのかを見せるファルージャの映像を撮影していたと、目撃者は断言しました。このハリウッド映画のために、米軍は既に指揮下にある数箇所の地域を急襲、爆撃し、ただ米兵がどれだけ勇敢で慈悲深いかを見せるため、空き家を破壊したのです。この関係で、一地域で一夜にして、20戸の家々に火をつけたのです。それがシューラでした。

 犯罪者たちが自分の犯罪を擁護するような、この不当で浅薄な理由、すなわちファルージャで起き、また今なお起きている人類に対する重大な違反行為と犯罪に責任を取らなくていいなどという言い逃れは、どんな国際組織や地域組織も納得させません。ファルージャ人民は、すべての国際組織、特に赤十字、人権擁護高等弁務官、全ての国々の政府に訴えています。それらの組織が人道的役割を果たすために、正義と平和を求め、世界の平和を愛する人たちすべてを結集して、大虐殺と非人道的な行動を中止すべく米英両国の政権に圧力をかけるよう、また米英両国に組み込まれて金のために働く人たちを拒否するよう、訴えているのです。

 この件について、以下のことを要求します。

第一:ファルージャ一般市民に対して戦争犯罪を犯しているので、駐留軍といわゆる国家警備隊を直ちに都市から撤退させること。そのまま残れば、復讐のために緊張と紛争が長引く原因にもなり、その結果、暴力沙汰が増えます。その代わり、イラク警察および都市と周辺住民からなる民間防衛隊が、その代役を果たします。

第二:ファルージャ市民である拘留者と逮捕者を、ただちに自由の身にして、解放してください。彼らは無実であり、有罪を宣告する法的証拠は、まったく無いのですから。それに、彼らは国連と人権高等弁務官事務所の管理下にあるべきものです。

第三:国連管理下の国際人道組織が、35万人以上のファルージャ難民の状況を処理するために、またそうした人たちが都市へ(特に、医療、飲料水、そして人道的に必要な物といったサービスがまったく不足して苦しんでいる地域では)安全に戻れるように確保するまで、必要な生活手段と医療を提供し、さらに効果的かつ総合的な対策をとる必要があります。同じことに関連してですが、ワクチン接種キャンペーンを、特に子供たちのために、ただちに実施してください。

第四:精神分析医を呼び、精神的苦痛および苦悩に苦しむ犠牲者を治療し、支柱となる人をなくしたり、子供やその他の家族を失った、多くの家族の問題を解決する方法を見つけてください。もしそのような問題が解決されずに残れば、暴力による反作用がおこり、まるでファルージャの伝統のように、復讐沙汰が蔓延することになるでしょう。

第五:避難民の帰還については、いかなる犯罪も実行されないように保証するため、国連赤十字、およびイラク赤新月が監視・組織化するべきです。このことは、全ての民間人の健康保護を確保するために、瓦礫を取り除き、汚染物を排除するための総合的なキャンペーンを実施してから、行う必要があります。

第六:ファルージャ市を再建する決意を込めた特殊基金を設置すること。これは、国連に属する専門国際機関が監督する必要があり、国内外の寄付者により資金供与を受けるということです。またファルージャへの侵攻と占領の結果発生した全損害と損失を補填するため、十分かつ適切なファルージャ市民への補償を、米政府が支払う必要があります。

第七:占領当局および暫定イラク政府と何の繋がりもない、独立国際調査委員会の設置を促進すること。またファルージャで行われた犯罪では、その他の国際組織と一緒に調査すること。そして、行方不明者を探しながら、死体の仔細について見つけ出すこと。こうしたことは、国際刑事裁判所の検察官と協力して行う必要があります。

第八:ファルージャ戦争犯罪を犯した人たちはすべて、国際法に基づき、国際刑事裁判所に必ず送検する必要があります。第九:選挙を延期について、この選挙は駐留軍の退去後、その正当性を保証するために、実施されるべきものです。

 ファルージャの信じられない忍耐力は、素晴らしい人道主義の例で、イラク国内にとどまらず、広く人類に役立つことでしょう。犯罪と違反行為を終わらせるために、世界および米国自身の正直でまともな人たちはすべて、われわれの要求をサポートしてくれると、確信しています。そうでなければ、沈黙してこういった事実に目を通すだけでは、世界のその他の場所で同じことを繰り返す手助けをすることにもなります。国連と国際組織が、その義務と責任にしたがって処置を講じ、米軍がファルージャで行った犯罪を、すべてはっきりと暴露し、公開してください。そして、実行者と犠牲者間とのやりとりで罪を軽減するようなことは、避けてください。国際組織(主として赤十字)から要求して、前述の犯罪に関して、国際組織が所有する報告書をすべて発表し、外部にさらけ出すように、国際コミュニティーにもお願いします。透明度を高め、そうした報告書が実行者と共有されるだけでなく、国際コミュニティーにも利用できるようにしてください。 最後に、強く希望するのですが、この犯罪を国際コミュニティーに対して明らかにするため、正直な人すべてに、こうした報告書を広く配布してください。それはアメリカの侵攻者たちにより虐殺され、今なお虐殺されているファルージャの人々にとって、最も単純な権利なのですから。

人権・民主主義 研究センター
ファルージャ市 市民ネットワーク組織のためにファルージャ 2005年1月14日   
               (翻訳:住吉孝太/WPNボランティアチーム)

*「人権・民主主義研究センター」は、これまでもイギリスの「STOP戦争連合」など、世界の反戦ネットワークに向けファルージャ総攻撃に関する声明を発表してきた。その活動には、有力スンニ派イスラム法学者団体「イラクイスラム法学者協会」も協力しているという。  

*本報告は「人権・民主主義研究センター」の他、ファルージャ部族協議会、ファルージャ・シューラ協議会等の10団体の連名で05年1月14日にアナン国連事務総長宛で、発表されたもの。報告書原文は英文のワードファイル12ページ。前半部分が今回紹介したもので、後半部分はファルージャ避難民キャンプの状況について。

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 「かかってこい!」"My answer is bring them on."
「自由と平和の宣教師」ダブヤ


「自由」と「平和」のために掃討される武装勢力

誰が星条旗に感謝するのか????
以下参照:
イラク人など死ねばよい アメリカのテロを支持 ポチますます拍車がかかるバター犬ぶり - 【ねこまたぎ通信】
もぬけの殻のファルージャで戦果の帳尻併せに一般市民を虐殺か!? - 【ねこまたぎ通信】
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切りがないよー(T^T)