【ねこまたぎ通信】

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 米国は丸裸の相手しか攻撃しない

米国の次の攻撃標的はイランではなくシリア イラク人政治活動家の視点

 大中東構想を推し進める米国の次の攻撃目標は、核開発を止めようとしないイランなのか? 7日付のバスラ・ネットは、イラク愛国者、政治活動家デジラ・ワヒード氏のイラク愛国者勢力の典型的な見方といえる投稿を掲載した。
 2001年の9.11事件の後ブッシュは悪の枢軸と言う言葉を使い始めた。米国当局はでっち上げの報道戦争の矛先を最初に北朝鮮に向けた。世界は米国が北朝鮮の核施設を攻撃するのではと予測したほどだ。しかし何も起きなかった。
 同じ頃米国当局は、イラクとイランにも報道キャンペーンの矛先を向けた。秘密裏に、また公然と、世界の対テロ、対アルカーイダ戦争でイラン政権と協力していたブッシュ当局は、イランと、シリアを含む手先のアラブ諸国と協力して、対イラク戦争・占領計画、準備を進めていた。
 イランとシリアはイラクの正統政府に反対する手先で分派主義の諸政党を保護育成し、両国は諜報分野で相互に協力し、直接に、或いは間接的に米国とイラン、モサドの手先やスパイを通じて、イラクイラク人に関する貴重な情報を米国の諜報機関に伝えていた。
 イラク占領後イラン政府は、米当局に治安維持とイラク抵抗勢力から占領軍を護るために、イラン軍のイラク派遣を持ち掛けた。同時期にシリア政府は、傀儡のイラク統治評議会を承認し、公式に同評議会の代表のシリア訪問を受け入れ、治安問題とテロリストのイラク進入禁止措置での協力を申し出た。
 ブッシュの2期目の就任演説により、中東の地図の塗替えを目指すシオニストの計画の第二段階が始まった。報道キャンペーンはシリアとイランに向けられているが、イスラエルと米国によるイランの核施設攻撃が狙いではなく、シリアを攻撃し占領することが彼らの狙いである。その理由を挙げよう。
1)イランは広大で、その国境は略的重要性を持ち産油地帯である中央アジアにまで伸びている。人口も5500万と多く、精強、巨大で近代兵器を装備した軍隊を持つ。この軍は宗派的、愛国心から、長期間の、かつアラビア半島イラクを含む広域での戦闘を行う用意がある。
 一方シリアは、全ての点で弱小国だ。人口も少なく、軍隊も少数で装備も劣る。政治、社会状況は不安定で、地理的位置も占領下のイラクと常にシリアを虎視眈々と狙っているイスラエルに挟まれている。

2)イラン政権と、米国及びイスラエルには秘密の密接な関係がある。ところがシリアは歴代の米港当局やイスラエルに屈辱的な譲歩、具体的にはゴラン高原レバノン問題、対イラク3戦争への直接・間接的参加、を重ねてきたにも拘らず、このような(友好)関係はシリアと米国間には無い。
 イランと米国、イスラエルの公然、非公然の密接な関係は、イラク−イラン戦争の最中に米国とイスラエルの兵器をイランに供給したことやレーガン大統領時代のイラン・コントラで明らかだ。他にもある。イラクの経済封鎖の間、米国とイランは協力して無辜のイラク人を飢えさせ死に至らしめた。また、イラク侵攻・占領準備のためにイランと米国の手先に軍事・諜報訓練を施した。その上、米国はイラン諜報要員のイラク入国を許可、イランと米国を支持する分派主義の傀儡政党が選挙で勝利するように、イラン人のイラク不法入国を許可し金銭や偽造書類を提供した。このことを最もよく表しているのは、出自がイランのアリー・シスターニと占領軍との協力、協調関係だ。

3)イランの核計画に関してイランと、欧州連合(EU)及び国際原子力機構には協定が存在するのだ。また米国とEUはイランが中東地域で果たすべき役割の必要性を認めている。
 他方シリアは、国内にテロリストの組織や基地を保護していると非難されており、米国とEUは、シリアにレバノンから撤兵を求める国連決議の実行を迫っている。

4)イランは巨大な産油国であり、米国や日本、EU工業諸国は継続的なイランからの石油供給に依存しているから、新たな愚行には耐えられない。サウジアラビアは、いや占領下のイラクでさえ、長期的には石油供給能力の減少に補償(増産)できないのだ。
 他方シリアにはこのような特殊性が無く、容易に餌食にされる。国際テロ組織の基地を潰し、民主主義を普及し、シリア人民を圧制から解放するとの口実で、米国が侵略と占領、現政権の転覆を決意しても、真剣に反対する国は無い。

5)CNNやFOXを含むシオニストと米国の各種報道機関は、ユダヤシオニストなどの国会議員と討論会や記者会見を開き、1982年に起きた(シリア軍による)ハマーの虐殺事件や、シリアのテロリスト基地問題、シリア政権のテロ組織支援、去年シリア北東部で起きたクルド人の騒擾鎮圧を持ち出し議論し始めた。その狙いは、同情を引き、予想される対シリア攻撃の準備である。
http://www.albasrah.net/maqalat_mukhtara/arabic/0205/dijla_060205.htm
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アラブの声ML 齊藤力二朗
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