ケニア

ケニアがタイに野生動物の寄付計画　保護団体など反発

http://www.asahi.com/international/update/0207/002.html
　ケニア政府が野生動物約３００頭をタイに建設中のサファリパークに寄付する計画が明らかになり、自然保護団体や観光団体から「野生動物保護の精神に反する」「観光資源を失う」などと強い反発が出ている。スマトラ沖地震による津波で沿岸部のリゾートに多大な被害が出たタイではサファリパークは新たな観光資源になると期待されているが、ケニア側の動き次第では計画が見直される可能性も出てきた。
　寄付は、ケニアのキバキ大統領が昨年１０月にタイを訪れた際、タイ政府が要望。１２月にスワット副首相がケニアを訪れ、野生動物の相互寄付に合意した。種類や数は明らかになっていなかった。
　タイの有力紙バンコク・ポストが１月１８日、同副首相の話として、北部のチェンマイに開園するサファリパークにケニア政府が野生動物３００頭を寄付すると報道。ライオン、サイ、アフリカ象などが２月にも到着するとの見通しを伝えた。
　これに対し、映画「野生のエルザ」の主演女優バージニア・マッケンナさんが設立した国際的な動物保護団体「ボーンフリー財団」（ロンドン）は１月２５日、ケニア政府に計画の見直しを求める声明を発表。ワシントン条約で商取引を禁じられたライオンやサイの「寄付」に懸念を示した。
　ケニア観光協議会のクック議長は「貴重な観光資源でもある野生動物をなぜあげてしまうのか」と憤る。
　ケニア政府のムトゥワ報道官は１月下旬、「タイに野生動物を寄付するのは確かだが、動物の種類や数はまだ決めていない。環境の変化が動物に与える影響を調べて結論を出す」と述べた。 (02/07 10:19)

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