スーダンの危機状況続く
北ダルフール州:激しさを増す襲撃、繰り返される住民の避難 [ スーダン内戦 ] 情報発信日:2004年12月03日
http://www.msf.or.jp/news/news.php?id=2004120302&key=sudan
スーダン・北ダルフール州では村々への襲撃が続いている。11月30日にはSaraf Ayat村から2千人が村を捨てて避難することを強いられた。この襲撃に巻き込まれた人の多くは、その数日前、それぞれ住んでいた村からSaraf Ayat村に逃げてきた人々だった。午後2時に襲撃が生じたとき、国境なき医師団(MSF)のチームは学校などの施設にいる避難民に医療援助を提供しているところだった。
30日の午前中にMSFがSaraf Ayat村に到着したとき、村ではおよそ1,500人が避難生活を送っていた。彼らは、27日に襲撃された、Tawillaという町の北にある村々から逃れてきており、食糧、毛布、シェルターから医療まで、あらゆる面での人道援助を必要としていた。Saraf Ayat村が襲撃されたとき、MSFは医療の提供を始めたところだったが、住民も避難民もともに避難を余儀なくされ、チームも退避せざるを得なくなった。
北ダルフール州で襲撃が増加するなか、MSFのチームは1週間前にもKormaという町から退避を強いられていた。チームはその数日後、状況調査のためにKormaに戻り、診療を再開した。治療を受けた人のなかには6人の民間人が含まれており、そのうち2人は、27日の襲撃時に銃で撃たれて負傷した子どもだった。
MSFベルギーのジェローム・オベライトは次のように説明する。「非常に憂慮すべき事態です。人々はある場所から別の場所へ何度も避難を繰り返し、安全な避難先を見つけることができません。MSFが実施した調査では、この紛争の初期に見られた絶え間ない暴力と繰り返される避難というパターンによって、死亡率が大きく引き上げられたことが分かっています。我々は北ダルフール州で再びこの傾向が表れているのではないかと危惧しています。」
「はっきりしていることは、この襲撃の被害者が非常に弱い一般市民だということです。大人も子どもも、人々は人道支援を緊急に必要としています。」そしてオベライトは次のように締めくくった。「市民に対する暴虐行為が今も繰り返されているダルフールの状況は決して看過できるものではありません。」
MSFは現在、ダルフール地方に200人以上の外国人派遣ボランティアと2千人のスーダン人スタッフを投入して援助活動を行っている。さらに、チャドに逃れているダルフール難民に対しても35人の外国人派遣ボランティアを含む医療チームが援助を提供している。MSFの医療チームはダルフール地方内の26を超える地域で、避難民70万人以上を対象に、診察や、暴力の被害者の治療、栄養失調児の治療、水・衛生環境の改善、子どもとその家族に対する食糧配給やその他生活物資の提供などを行っている。