「テロとの戦い」は誰を利するか?
【ロンドン7日共同】国際人権擁護団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は7日、中国政府が「テロとの戦い」を口実に、新疆ウイグル自治区で少数民族のイスラム教徒ウイグル族を弾圧していると非難した報告書をまとめた。中国政府に人権弾圧をやめるよう改善を求めた。
報告書によると、同自治区政府がここ数年間、爆破や暗殺事件が起きていないと主張しているにもかかわらず、過去3年間で数万人が「反テロ」の容疑で捕らえられた。
中国政府はさらにモスク(イスラム教礼拝所)や宗教関連の学校の閉鎖などイスラム教への弾圧を強めている。アムネスティは「現在の抑圧の度合いは、ウイグルの文化や宗教的独自性を危険なまでに圧迫している」と非難している。
カザフスタンやネパールなど周辺諸国に逃れるウイグル族も多いが、中国政府は本国に戻すよう各国に圧力をかけている。本国に戻されたウイグル族は、暴力や拷問など深刻な人権侵害を受けたり、処刑されることもあるという。
(共同通信社)