【ねこまたぎ通信】

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世界の難民数過去10年で最低 UNHCR調べ

ベリタ通信20日=齋藤ゆかり】今年で3年目を迎えた6月20日の世界難民デー。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はこのほど、最新の難民数(速報値)を発表した。2003年末現在、紛争や弾圧を逃れて難民となり、同事務所の保護下におかれている人は、世界で約1710万人に達している。これは、前年比で18%の減少で、過去10年で最低を記録。特にアジア地域で目立って減少している。

 ルッバースUNHCR高等弁務官は、2001年の就任当時の2180万人から22%も減少した理由の一つに、帰還を助ける諸国の努力をあげている。

 国別では、最も多いのがアフガニスタンからの難民で210万人が世界74カ国に散らばっており、スーダン(60万人)とブルンディ(53万人)がそれに次ぐ。

 一方、UNHCRの保護下にある1710万人の難民の内訳は、970万人が難民、110万人が帰国したものの、まだ援助の必要な元難民などとなっている。 難民認定申請者は91万人。

 大陸別離散状況は、アジアに620万人、アフリカとヨーロッパにそれぞれ430万人、中南米に130万人がいるほか、北米にも100万人、オセアニアには7万4000人がいるという。

 受け入れ国ではパキスタンが110万人と最も多く、ついでイラン(98万5千人)、ドイツ(96万人)、タンザニア(65万人)、米国(45万人)など。

 欧州は430万人の難民を抱えるが、国ごとの受入状況には格差が目立つ。最も多いドイツの96万人に対し、英国は28万人弱、オランダ、フランス、スウェーデン各国に10万人から15万人、イタリアには1万2千人をやや上回る数しかいない。難民はいずれも被害者であるのにもかかわらず、受け入れ国の安全を脅かす存在とみなされ、差別されるケースが各国に共通して見られるという。

 アナン国連事務総長もこの機会に寄せたメッセージで、難民の圧倒的多数が故郷へ戻れる日を待ち望んでいることを強調、2002年以来、アフガン難民の300万人以上が故郷に帰ったほか、昨年だけで110万人が郷里に戻ったと推定されることを評価する一方で、帰国の不可能な人々に対しては「我が家」と呼べるような場を提供するよう、あらためて国際社会に呼びかけた。

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