【ねこまたぎ通信】

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イラク暫定政府:ブラヒミ国連顧問、米国主導に不満表明

 【カイロ小倉孝保】ブラヒミ国連事務総長特別顧問は2日、バグダッドでの記者会見でイラク暫定政府作りが米国の強い影響力の下で行われたことへの不満を表明した。米英占領当局(CPA)のブレマー文民行政官を「独裁者」と呼ぶほどで、6月末に予定される主権移譲に向けCPAと国連がぎくしゃくする可能性も出てきた。

 AFP通信などによると、ブラヒミ特別顧問は暫定政府について、「米国がこの国を統治しているのだから、彼らの考えは当然、(閣僚人選で)考慮に入れられた」と述べ、米国が強い影響力を行使したとの見方を示した。特にブレマー氏が大きな力を持っていたと指摘した上で、やや冗談口調で、「私がブレマー氏を独裁者と呼んでも、彼は気にしないだろう。彼はカネも署名の権利も持っているのだから」と語った。

 また特別顧問は「選挙で選ばれた政権だけが国民の正当な代表ということを忘れてはならない。新政府のメンバーは自分たちが選ばれていないことを知るべきだ」と注文を付けた。

 国連は米国から治安改善策としてイラクへの積極的な関与を要請され、国連主導のイラク新政権作りを模索してきた。しかし、「政治的思惑を持たない実務型の政権を作るべきだ」とする国連の考えとは裏腹に、イラク統治評議会に近い人物が政権を独占する結果となった。

 イラク国民は米国色払しょくのため、国連に望みを託していただけに、特別顧問のこの日の発言で国民が反米感情を強めるのは確実だ。米国は今後、国連のさらなる関与を期待するとみられるが、暫定政府作りで国連側がCPAに不信感を持った可能性は高く、両者がイラク再建で協力態勢を作れるかは不明だ。

毎日新聞 2004年6月2日 23時44分