【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

ナブルス通信 2004.5.16号

ラファのムハンマドさんからも翻訳者の山田さんに宛てて、メールが届きました。彼のウェブにもアップされていませんが、緊急に読んでほしいという思いで届けられたものだと思います。(重複受け取り、ご容赦ください)

       ***以下、転送を歓迎します***

      ○○○ナブルス通信 2004.5.16号○○○
        http://www.onweb.to/palestine/
          Information on Palestine


◇contents◇

◇15日のラファ
◇『今、また撃ってきている』 ムハンマドからの緊急メール

(ラファのムハンマドから届いたメールを、お送りします)
◇15日のラファ

イスラエル軍は15日の朝にラファからいちおう(!)撤退したという知らせが入ってきました。現在のところ、伝えられている情報では、壊された家80軒、商店25軒、家を失った人が880人(パレスチナ人権センター(PCHR)発表。この数字は目安であって、後の調査により変更されます。べつな報道では3日間で150軒が破壊されたとありました)。水道や電気のインフラに加え、イブナ地区のモスクも破壊されました。「大地震が襲った後のようだ」とラファの住人は述べています。

フランス政府や国連からの非難も相次ぎ、ラファでの破壊はいったん止みましたが、いつまた再開されるのか、わかりません。イスラエル政府は今回の破壊は言われていた「フィラデルフィ・ルート」の拡張ではなく、イスラエル兵士の遺体回収のための措置だと言っているようですから。

パレスチナ全土で正午から3分間、56年前のナクバ(大災厄)を想い、黙祷が捧げられたこの15日、ガザ市ではイスラム聖戦の幹部を狙った暗殺攻撃も起きています。

まだ、何が起きるかわかりません。(ラファの上空にはアパッチヘリが旋回しているという話が入ってきています)よろしかったら、ぜひ、イスラエル政府に声を届けてください。[ナブルス通信]



◇『今、また撃ってきている』──13日のラファへのミサイル攻撃


ラファ在住のムハンマドさんからのメール
2004年5月15日午前9時43分受信(現地時間午前3時43分)

・・・・・・・
先日来、パレスチナガザ地区最南端の街、ラファは激しい攻撃にさらされています。13日には、イスラエル軍のアパッチ・ヘリからのミサイル攻撃で、一般市民の間に多数の死傷者が出ました。この時のすさまじい状況を伝える緊急メールが、ラファ在住のムハンマドさんから届きました。家屋破壊と攻撃は今も続いています。どうか、できるだけ多くの人に、ラファの現状を伝えてください。(翻訳者)

・・・・・・・

『今、また撃ってきている』──13日のラファへのミサイル攻撃

Shelling us now, by heavy bullets and rockets
ムハンマド
Mohammed

 アパッチ攻撃ヘリから砲弾が降り注いでくる。いたるところに散らばっている、怪我をした人、死んだ人の体の一部。いったいどのくらい? 数えられやしない。僕の親族、ハニの遺体も遺体として確認できなかった。病院に運ばれたハニは、バラバラの断片・肉片だった。ハニがこんなふうになって病院に到着するなんて、僕には信じられない。どうしてもどうしても信じられない。ほかのみんなと一緒にいたハニに、連中はどうしてミサイルを浴びせたのか。なぜだ。なぜなんだ。僕にはどうしてもわからない!! 何百という家が今も壊されつづけている。スペインのラジオ局が電話をしてきて、電話口から聞こえる怪我人の叫び、家々に降り注ぐアパッチ・ヘリの砲弾の音に、言葉をなくしていた。ブルドーザーの轟音、助けを求める人たちの声……家の残骸の下には、大勢の人のバラバラになった遺体が埋もれている。
 
 今、僕と一緒にいるジャーナリストには、このラップトップが必要なんだけど──電池は18%しか残ってなくて、彼にも書かなければならないことはあるんだけど──10分だけ貸してもらって、このメールを書いている。僕のコンピュータは停電で使えない。殺された人・怪我をした人は、もう本当にたくさんたくさんいて、病院でも体の断片をひとりひとりとのものして識別することもできないし、現時点では、実質的に何もできない状態だ。僕も疲れきって、ほとんど立っていられそうもない。イスラエル兵はカメラめがけて撃ってくる。地面に散らばった体の一部や肉片の写真を何枚か撮る。でも、イスラエル兵は相手が誰だろうとおかまいなし。本当に防弾チョッキがないとヤバそうだ。これだけの銃弾が飛んでくるとなると、防弾チョッキなしでは、自分の体を守れない。でも、今、予備のチョッキはない。僕がこれまでいつも借りていた友達の防弾チョッキは、今、一緒にいるジャーナリストが使っている。この大殺戮を取材しているジャーナリストはそれほど多いわけじゃない。でも、このままじゃ、僕自身の目がいくら撮りたいと思っても写真が撮れるかどうか。シャッターが遅い。ああ、とにかく防弾チョッキを見つけなきゃ。わあ、また銃弾の雨だ。アパッチに加えてF-16もバタバタと撃ってくる。またも大勢の人が倒れていく。救急車はまったく近づけない状態。ラップトップの電池切れの警告音が鳴りはじめた。とりあえず持ち主に返そう。
 
 どうか、次々と殺されていっている若者たちのためにも、今、ここで何が起こっているかを何とかみんなに伝えてほしい。地べたに散らばっている、人間だったものの断片のことを……。今度はミサイルが何発か降ってきた。そろそろ病院の玄関まで避難しなければ。

**

翻訳:山田和子

※文中で触れられているハニさんは、ムハンマドさんの近い親族。13日のイスラエル軍によるミサイル攻撃で殺されました。『ラファ・トゥディ』の5月13日のレポートに、つらい写真とともに短報が載っています。
http://www.rafah.vze.com/
(肉片となった遺体の写真が掲載されています。ご注意を)

※原文(まだ、ムハンマドのサイトには上がっていないので暫定):
http://www.rafahkid.net/blog.html
Saturday, May 15, 2004のところに

「肉片になった友だち」(ラファのアネスより)にも、この時の様子が伝えられています。以下に。
http://www.onweb.to/palestine/siryo/nakba14may04.html

※ラファの最近の惨状については、ナブルス通信最新号『ラファで続いているナクバ(大災厄)』
http://www.onweb.to/palestine/siryo/rafanakba15may04.html
を参照してください。

イスラエルに声を届けて下さい 抗議・要請文サンプルの改訂バージョンも含めて、以下のサイトに呼びかけがあります。
「益岡賢のページ」 
http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/palestina0405.html


◇この文章は以下に掲載
http://palestine-heiwa.org/rafah/doc/20040515_rafah.html


◇P-navi info  http://nekokabu.blogtribe.org/
[ほぼ毎日更新中。編集者ビーの速報、ミニ・インフォ、コラムなど]

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