【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

イスラエル軍、ハマス最高指導者ランティシ氏殺害

 パレスチナ自治区ガザ市中心部で17日夜(日本時間18日未明)、イスラム過激派ハマス最高指導者アブドルアジズ・ランティシ氏(56)が乗った車にイスラエル軍の武装ヘリがミサイルを発射した。車は爆発し、ランティシ氏と側近、運転手の計3人が死亡した。イスラエル政府はランティシ氏を狙った殺害作戦だと認めた。ハマス軍事部門は報復を宣言する声明を発表した。
 イスラエルは過激派掃討によって、停滞している和平プロセスが進むと主張している。だがランティシ氏殺害により、パレスチナの住民がいっそう過激派支持に傾くのは確実で、イスラエルパレスチナが対話路線に戻るのはむしろ困難になった。
 ランティシ氏はハマス政治部門の最強硬派で、昨年6月にもミサイル攻撃を受けて負傷している。ハマス創設者で精神的指導者のヤシン師が3月22日にイスラエル軍に殺害された後、後継に就任したばかりだった。過激派殺害作戦の継続を明言していたイスラエルにとって、ランティシ氏は最大の「標的」で、本人もそれを自覚し「がんや心臓発作で死ぬよりも、アパッチ(武装ヘリ)の方がいい」と語っていた。
 自治政府筋によると、現場はランティシ氏の自宅そば。側近と運転手の2人は即死、ランティシ氏は市内の病院に運び込まれた直後に死亡した。ガザ市の通りには2千人を超える住民が繰り出し、破壊された車の破片を手に報復を叫んだ。ハマス指導者の一人、イスマイル・ハニエ氏はガザ市で記者団に「この血が無駄になることはない。この戦いで我々の意志が弱められることはない」と語り、武装闘争を続ける姿勢を強調した。
 自治政府は、14日のブッシュ米大統領とシャロンイスラエル首相の首脳会談で、ブッシュ大統領イスラエル自衛権を認める姿勢を伝えたことが今回の事件につながったとみている。自治政府のクレイ首相は「このテロは米国のイスラエルべったりの姿勢の結果だ」と米国を批判した。
 国連のアナン事務総長は17日、ランティシ氏の殺害を「国際法違反」として強く非難。違法な殺害行為を即座に中止するようにイスラエルに求めた。欧州連合(EU)の外交・安全保障政策を担当するソラナ上級代表もこの日、「こうした行為は不法なだけでなく、緊張緩和の助けにはならない」と批判した。さらに中国外務省の孔泉(コン・チュワン)報道局長も「強く非難する。今後、情勢がさらに悪化する可能性があることを深く憂慮する」との談話を発表した。 (04/18 18:48)

asahi