【ねこまたぎ通信】

Σ(゜◇゜;)  たちぶく~~ Σ(゜◇゜;)

 混乱のタイ南部

 最近タイ南部がやばいことになっています.「バンコク週報」のニュースからざっと取り上げただけで,次の通りです.

■南部ナラティワートなどに戒厳令

 1月4日午前1時半ごろ、南部のナラティワート、ヤラー、パッタニー3県では、学校19校、警察官派出所3か所が放火され、軍の宿営地が襲撃され兵士4人が死亡したことから、戒厳令が敷かれた。軍の宿営地からは約370丁のライフルが奪われている。この事件についてタクシン首相は、効果的な予防策を講じ得なかった軍を厳しく批判しているが、民主党では、政府が南部の情勢を甘くみていたと非難している。

■南部の学校放火事件重要参考人、証拠不十分で釈放

 タイ国軍は1月10日、南部ナラティワート県の学校20か所が1月4日に放火された容疑で身柄を拘束していたイスラム教の教師2人を証拠不十分として釈放した。2人は軍関係者から2日間にわたる取り調べを受けていた。釈放された1人は帰宅後の記者会見で、「軍宿営地が襲われた事件に関しても厳しい取り調べを受けたが、何も知らない以上、証言できることは何もなかった」と話した。一方、ワンムハマドノ内相は、5か所の学校放火に関わった容疑でこれまでに数人の身柄を拘束していると明らかにした。拘束した人数は明らかになっていない。

■誘拐されたイスラム教徒の遺体見つかる

 南部ナラティワート県バーチョー郡で1月16日、軍服姿の男らに14日夜誘拐された町村行政機構職員でイスラム教徒のマトラフィさん(36)が自宅近くの道路脇で遺体となって発見された。遺体には殴打によるあざが多数残っていたほか、感電したときにできる火傷の跡も見つかっている。地元住民の間では「マトラフィさんを南部の分離主義グループのリーダーで、4日の軍駐屯地襲撃事件に関わっていると疑っている警察か軍当局の仕業だろう」との見方が一般的だ。南部では過去数か月の間にも10人以上のイスラム教徒が武装した男らに誘拐され、一部は殺害されている。一方、マトラフィさんの親類は、「犯人は被害者から何か情報を得るため拷問を加えたのだろう。ただ軍駐屯地の襲撃や学校放火に関わっているとは考えられない」と話している。ヤラー、パッタニー、ナラティワート3県のイスラム教委員会はタクシン首相とワンムハマドノ内相に今回の事件について早急に調査するよう求める意向。

■南部パッタニーでまた警官が殺害される

 南部パッタニー県マイケン署の警官(31)が1月25日朝、自宅前でオートバイに乗った2人に4発の銃弾を受け殺害された。同県では23日にも別の警官(32)がオートバイに乗った何者かに射殺される事件が起きている。このほか南部ではナラティワート県で23日、仏僧1人、ヤラー県では24日、仏僧と見習僧の2人が殺害される事件もが起きている。

 警察は、僧侶の殺害について、宗教的対立を煽ろうとしたものとみているが、マイケン署員の殺害が個人的なものか、23日の警官殺害事件に関連したものかわからないという。

■ヤラー県の警官殺害、今度はノド

 南部ヤラー県タントー郡の学校の敷地内で2月1日早朝、校内を警備中の警官が何者かに喉を鋭利な刃物で切り裂かれたほか、腹部を刺されて死亡しているのが発見された。警察の調査によれば、学校は地域ぐるみで警備しているが、地元住民が帰宅して警官が一人になったところ複数の犯人が学校に侵入して犯行に及んだものと考えられる。

 ヤラー県と隣接するパッタニー県では、警官がオートバイに乗った男らに射殺される事件が1月下旬に頻発している。

■南部で警官と兵士が射殺される

 南部ナラティワート県とパッタニー県で2月6日、警官と兵士が何者かに射殺される事件が起きた。ナラティワート県スンガイパディ郡では午前8時半ごろ、車を運転していたイスラム教徒のパンヤー巡査部長(39)がオートバイに乗った2人組に撃たれ、病院に運ばれたが死亡した。警察は、ヤラー県で同月1日に学校の敷地内を警備中の警官が殺害された事件との関連を調べている。

 一方、パッタニー市では6日夜、自宅の雑貨店にいたチェサダー軍曹(44)がオートバイで突入してきた2人組に3発の銃弾を浴び即死した。

■タクシン首相が南部視察、事件も相次ぐ

 タクシン首相は2月13日、今年初めから事件が頻発している南部を視察し、前日に現地入りしたチャワリット副首相、タマラック国防相から現状について説明を受けた。首相はナラティワート県で、南部の県知事、治安当局者と報道陣をシャットアウトする形で3時間にわたり協議した。関係筋によれば、イスラム教指導者らは、同国防相に不信感を募らせており、首相に同大臣の更迭を求める可能性があるという。

 首相が南部を訪れている間も警官らを狙った銃撃事件が散発した。ヤラー県では13日夜、国境警備兵(55)が医療機器を販売する自宅にいる時、オートバイに乗った2人組の男に胸や腕を撃たれ重傷を負った。ヤラー市では同日朝、学校の建物に拳銃の弾が撃ち込まれる事件が起きたがケガ人はなかった。パッタニー県では午前、オートバイで自宅に向かっていたヤリン郡の職員(32)が別のオートバイに乗った2人組に後ろからナタのようなもので頭部を殴られ意識不明の重体となっている。

 14日にもヤラー、ナラティワートの両県で警官や林業事務所の職員など5人が撃たれ3人が重体となっている。警察はいずれの事件も南部でのイスラム国家樹立を目指す分離主義者の犯行とみている。

 ただ事ではないですね.