米入国審査での認証作業免除を要請−ブラジル外相

　【サンパウロ８日綾村悟】政府系ブラジル通信などの報道によると、同国のアモリム外相は七日、首都ブラジリアでドナ・ウリナク駐ブラジル米大使と会談を行い、“テロリスト米入国阻止策”の一環として五日から米国土安全保障省が全米百十五の空港などで導入している指紋捺印・顔写真確認などの措置に対し、ブラジル人入国者を同措置の対象から外すように求めた。
　同措置をめぐっては、ブラジルの連邦判事が“対抗措置”を認めることを決定。一日からブラジルの各空港や港などから入国する米国人に対する指紋捺印・顔写真撮影が義務付けられた。ただし、入管作業の煩雑さから米国人がブラジルの入管審査で他の外国人より大幅に遅れる事態が続いていることから、米国側は時間短縮措置などの改善を要求。ブラジル人米入国者の待遇改善を求めるブラジル側との摩擦は外交問題にまで発展している。
　また、同問題に関して、米国のパウエル国務長官は七日、声明を発表。今回導入された措置が「安全保障上不可欠なもの」としてブラジル側に理解を求めるとともに、「両国関係が悪影響を受けないことを願う」と言明し、事態の沈静化を図った。