ソマリア出身ＢＢＣ記者、一躍スターに

　戦火と混乱のバグダッドから終始冷静な報告を送り続けたソマリア出身の英国ＢＢＣ放送記者、ラギー・オマール氏（３４）の人気が、英国や母国ソマリアで沸騰している。
　１カ月前はほとんど無名だったオマール記者だが、今や似顔絵を描いたＴシャツが人気商品に。米ＣＮＮテレビからの引き抜きのうわさも飛び交うなど、オマール氏は英語圏で最も有名な記者の１人となった。

　英国メディアの大半は開戦後も記者をバグダッドに残して報道を続けたが、「過去６年間、イラクを取材して深い歴史の知識も持つ」（ＢＢＣ編集長）同記者は視聴者の信頼を得ることに成功した。

　１３日付の英日曜紙は、子供のころに教師から「見込みなし」のらく印を押されたオマール氏が一念発起して名門オックスフォード大に入学した経緯や、就職で苦杯をなめ続けてもフリーの記者で頑張った経歴、さらに妻のニーナさんが英国貴族の出身であることまで詳しく伝え、読者の関心に応えた。（共同）